舛廣純子が聞く「しなキャリ図鑑」 【第38話】 絵日記学講師のチカラ / 塩崎沙和さんの場合
障害がわかり、絵日記学が自分の使命と心底思えたことで、迷いがなくなりました。「自分のやりたかったこと」が「この世界で求められていること」とつながった瞬間でした。社会と初めてちゃんとつながった、自分の命が初めて役立てる、私…
障害がわかり、絵日記学が自分の使命と心底思えたことで、迷いがなくなりました。「自分のやりたかったこと」が「この世界で求められていること」とつながった瞬間でした。社会と初めてちゃんとつながった、自分の命が初めて役立てる、私…
書店で初めて自分の本を見つけたときの感激は、絶対に忘れません。『メモの魔力』や『バカとつき合うな』など、自分も読んだことのある本たちと一緒に平積みにされてました。まさかの光景ですよね。文章を書き始めて2年半。何度も書くこ…
だから、本を書くことで「どんな人と関わっていきたいか」「自分は誰を救いたいか」を徹底的に考えました。その結果、私が救いたい人は過去の自分。過去の自分のように「いつも時間に追われ、やりたいことができない」と、もがいている同…
人生を運転するうえで、アクセルでスピードを出すか、ブレーキを踏んで止まるか、しか方法を知らなかったヨメも、ようやく「ギアってものを使うとスピードがコントロールできるよ」と理解できたこの経験。おかげで、休むときはしっかり休…
これまでに仁さんとした雑談とかのなかから、いろいろネタを引っ張り出してはなしあったのですが、仁さんはどれにもいまひとつピンとこなくて。この話、最終的に「理由なんて特にないけど、やってみたいんだよね」「ですよねー。知ってた…
小さな目標をクリアする達成感や喜びが後押しになり、出版という大きな目標に向けて進み続けることができたのです。目標をクリアすると達成感を得られ、行動を続ける原動力にもなりますよね。この目標に向けて行動するプロセスを「目標の…
ポリネシアやミクロネシア地域には、いまでも数千年前から伝わっているスターナビゲーションという自然と対話する航海術が残っています。何日もかかる遠い島まで、太陽や星、海流や渡り鳥、そんな身の回りの自然だけを頼りに船を進めるの…
心を動かされる本に出会うたびに「いつか本を書いてみたい」と思いながら、結局なにも行動せず。10年という月日が流れていきました。その間、企画書を作ることはもちろん、ブログを書くことすらありませんでした。このままでは10年後…
みんな「丁寧な暮らし」にとらわれすぎてるんじゃないだろうか。みんなが同じ理想に向かうのは、少し窮屈に感じられる。舞台、照明、帆船、旅、ものを書く、イベントを企画する。ぼくの好きなもののほとんどは、丁寧に暮らすとは正反対の…
複業を始める前に考えがちな、この「実力不足じゃないか」問題。 身のまわりを見ていると、ずっと軽やかに乗りこえている人がたくさんおり、とても勇気をもらえます。 たとえば、私の知人に週末だけフォトグラファーをしている会社員の…
書店まわりを続けようと思ったとき、2つの作戦を立てました。1つ目は、前述した『「続けたいこと」を義務化しない』ということ。これは「続けたいこと」を嫌いにならないためのアプローチです。嫌いなことは、やりたくないですよね。「…
水引を仕事にしたいとは思いつつも、最初は本当に仕事にできるのかは全く見当がつきません。頂いたお仕事は報酬の額に問わずお引き受けし、自分のできる限りのことをしていきました。しかし、スパイラル水引のプロジェクトに参加したこと…
あまりに当たり前に「お客さん」なひとが多くなったんじゃないか、そんな気がする。快適な環境。わかりやすいアナウンス。確実に手に入る、ちょっとした成果。危険や失敗を避けるための、丁寧なインストラクション。不便であることが非日…
伝統的なやり方を大切にするのは、悪いことではありません。ただ、社会が変わっていく中で、教育のあり方も変わる必要がある。そんななかで自分たちの価値を維持するためには、伝統の精神は残しながらも、未来を模索する姿勢が必要なので…
自分がやりたいことを貫くだけではなく、人から求められ、それをやって、それが評価されて、つながっていくのが向いている仕事。頂いたお仕事が自分のやりたい事とベクトルが違っても、その違うはあくまで主観で、相手はできると思うから…
でも、おそらくその試みは失敗しました。同じように「月明かりの夜航海」とか「夜が明ける中で舵を握る」とか、どうしても伝えたいことは伝えられなかったと思います。そしてどうすれば「風の肌触り」を感じてもらえるのか、その答えはど…
出店という立場からつい「そこでは売れるのか・売れないのか」という目線を中心にマルシェを見てしまうことがあるのですが、結局のところ、賑わいを生んで多くの人に愛されるマルシェを作っているのは「人」。つまり運営をしている方たち…
情熱は育てることができます。仕事でも恋愛でも趣味でも、最初から強い興味や愛情を感じたわけではなくても、時間が経てば直感的に自分に合うと感じた対象への情熱と同じようなレベルにまでたどり着くことができる。最近感じている違和感…
つながりをつくると言っても、むやみに名刺交換したり、facebookの「友達」を増やしたりするのは無意味です。相手のためにアクションをしなければ、価値あるつながりにはなりません。アクションはささやかなことでいい。良い化学…
自分が面白いと思ったのはなんなのかが少し見えてきました。ひとつは、目的から逆算しない、起こったことに対してその場で反応すること。もうひとつは、ある程度の時間を共有することで生まれる一度限りのコミュニケーション。自分が持っ…
死者こそ出さなかったものの、船が沈むという大きなトラブルがあったのに、そんなに早く事業を再開できたことにはビックリしました。資金だってかなりの額が必要だろうし、大事故を起こしたことでの社会的な信用も失ったかもしれないのに…
驚いたのは、フローリングを敷き終わるとすぐに、看板犬のレラがやってきて、床の上にごろりと横になったこと。私たちもスベスベとした木の感触がとても心地よく、部屋には木の匂いが立ちこめています。「やっぱり本物の木にして良かった…
もう一生会わないかもしれない人。二度と連絡を取ることもないかもしれない人。でも、もしももう一度会うことがあったら、どんなに時間が経っていても一緒に過ごしていたときと同じように楽しく過ごすことができる人。確かに、友だちと呼…
「今日、今から物件を見たい」と連絡すると、幸運にもOKの返事。駅まで迎えに来てもらい、現地に着いたときパッと雲が晴れたような気持ちになりました。その家は平屋で、太陽の光がさんさんと差し込むリビングに、ヨメが仕事場にできる…
コミュニケーションをさぼってしまうことがある。言葉が通じないからではなくて、自分自身が心を強く保てなかったせいで。だから、自分の弱いところを鍛えてみたい。いまセブに来て2日目ですが、もうそうとうにストレスです。でも15年…
結局「自分が知りたかったのは人の心なんだ」と辿り着きました。どうしたら人の心は動くのか、触れてみたい、使いやすいと感じるのか、すべて脳科学や認知科学と紐づいていた。その時初めて学術的なものを学ぶ意義を感じたんです。目的が…
何年もくすぶっていた「インストラクターをやりたい」という想いは、キレイに昇華されました。「インストラクターをやること」は自分の内側でそこそこ大きな引っ掛かりだったみたい。気づけただけでも、あがいてきた意味はあったような気…
世界的にみると幼児教育はとても注目されていて、先進国、特に北欧諸国は、乳幼児期の教育・サポートにとてもお金をかけています。「大学生よりも幼稚園児に教育を手厚くした方が、費用対効果が高い」のは世界の常識となっている。乳幼児…
「みなさんはどうしたいですか」懸念していたとおりに、問いかけへの積極的な反応はありませんでした。やはりうまくいかないのか、と自分のなかでの不安が強くなってきたその時、「ぼくはなるべく長く、帆を張って走りたいな」最年少で小…
ひとつの船にたまたま乗り合って、航海にでる。そこからしか生まれない、たった一度の航海を作ること。長い航海で、ときたま生まれる小さな奇跡。それが、ぼくが考える「最高の航海」です。ただ、一泊二日という時間はほんとうに短くて。…
このハンディキャップをどうしたらプラスに変えることができるだろう。出てきた答えが「英語はそこまでできないけれど、わたし日本語はこんなに上手だわ」でした。現地で日本語教師になり「人のチカラは相乗効果を起こす」ということを知…
そうこうするうちに、うっすらと空が白みはじめて。夜が素早くやってくるのと比べると、朝はいつもだましだまし近づいてくる気がする。注意して見ていても気づかないくらいにごくごくゆっくりと、船の輪郭や、水平線が浮かび上がってきて…
「ホール係なのに注文を取らない」とか「オーダーを間違える」にとどまらず、客の料理を食べ、酒に口をつけてしまう。暗黙の了解として、厨房からテーブルまで「客に権利」があるはずの料理や酒が、彼女の手に渡ると、盆の上のものの優先…
誰しもが持つ自分のチカラのすばらしさ、仕事で磨いてきたチカラの偉大さに気づいてほしい。この人生100年時代、時にはキャリアチェンジも伴いながら、しなやかに自分の強みを活かして、豊かに自分の人生を送っていってくださる方が増…
昼間だけではなく夜景を見るナイトクルーズもあって、反応はとてもいいみたい。そんな彼が最近腕を怪我して操船が不自由になったので、たまに手伝いで船に乗っています。主に船を陸につけたり離したりするときのサポートで、時々操船も。…
けれど不思議と焦りは微塵もなかった。また書ける時が来ると信じて、1歳だった次男を背負い、3歳の長男を遊ばせながら読書をしていた頃のように、疲れた体をソファに沈めたまま、映画を観て、本を読んで過ごした。そしてまた小説を書く…
それまで歌で生計を立てていくことに実感を持てていなかったのですが「あぁ私これを仕事にしていいんだ」と強く思えた瞬間でした。20代は周囲からも「で、本業は?」「いつ辞めるの?」なんて言われていたので、余計に許された気持ちに…
手間をかけて「位置を割り出す方法」を考えたことにも頭が下がりますし、それから300年間ほぼすべての船乗りがその技術を学び続けてきたことにも震えます。じゃあ300年間受け継がれた技術が失われることに反対かというと「まあいい…
コンビニのビニール袋が、どこへ行くつもりだったのか、誰にもわからないのは、袋に意図がないからなのだが、人間の行動が謎なのは未知なる独特な価値観があるから。フロンティアにいるなら本人の中で顕在化していないので、説明も難しい…
「君、幸せでしょう? 幸せな人が書くものって、つまんないんだよね」と言われたことで刺さった棘は、刺さったままでいいと思っている。刺さったまま、幸せに見えたまま、そして私自身が幸せに満ちたまま、感謝を持って吉満さんから貰っ…
来客の中には悩ましい対応を迫られる場合も。残念ながらいつも商品はほとんど見てもらえず、どうやら目的は「お話すること」のみ。一度も買い物をしたことがないとはいえ、お店に訪問してくださる以上はお客様です。根本には誠意を持って…
コロンブスが西インド諸島に到達する500年も前に、北欧バイキングは大西洋を越えて北アメリカに到達していた、という話をした。その時、一緒に飲んでいた人に「ここにいる20人で、その頃の船に乗り込んでヨーロッパからアメリカまで…
コーディネーションの仕事、何かと何かを組み合わせる仕事は、今後SNSやAIの台頭とともに、一般の人やAIでも可能な範囲というのは増えていく。プロとしてやっていくためには、プラスαの知識や専門領域、熟練したプロとしての経験…
完全なる、ダブルブッキング。本来なら、先に予定のあった送別会を選ぶのが筋。けれど、勘違いに気づいた時の私は、頭で考える当たり前よりも、体が選びとった選択に身を任せた。体はまっすぐに、また吉満さんに会いたい。今、会いたい。…
写真も大嫌いだった。自分が自分の価値観に合わない容姿をしていることを受け入れるのがとても難しかった。まるで前世の悪行がたたって生まれ変わった美女が、罰として与えられた醜い顔に苦しむかのように、なによりも私の審美眼に何から…
舞台照明家が、海について語る。ただの連絡ミスだったのですが、偶然生まれたこのシチュエーションは、自分の中の思い込みを取り払ってくれました。そして、これから何を語っていくのか、その道もぼんやりと照らしてくれた、そんな気がす…
「実は接客が苦手で」とご相談をいただくこともしばしば。ヨメはラッキーなことに、育った実家ではお客様が来る商売をしていましたし、以前アパレルでも働いていた経験があるので、初対面の方と話すことにあまり抵抗がありません。しかし…
返事が待ち遠しい。いや、うそ、本当は怖い。そんな思いで待つ私のもとに届いた横里さんの返事を、私は何度も、何度も読み返した。読み返すたびに、緊張で凝り固まっていた心が、喜びで肥大してほどけていくのを感じた。そして、その大き…
家探しに苦労されている高齢者の方は多く、住むところが見つかって喜んでいただけるのは自分にとって大きな喜びです。高齢者だから障害者だからと言って、その人の人となりや人物をみないで、家を貸さないという世の中の理不尽さには正直…
デジタルの力で、4万の断片であることをやめ、なめらかに動く「ラ・ジュテ」が何を語るのか、知りたいような知りたくないような。世界にはどんな先端技術でも補えない崇高な欠落というものがある、たぶん。 < 連載 > …
漂着重油の除去のために、島に数十人の業者さんが滞在しています。作業が始まったのは2月の中旬。もう二ヶ月近くになります。そして、作業が終わる一応の目安は5月末とされていますが、実際にはいつになるのかはっきりと分かってはいま…
そっとしておく時期があり、話し合いもしたり、時にはケンカになったり。様々なプロセスを経て、店主はいまひとつの結論にたどり着いたようです。「答えはすぐに見つからないけど、まずは今作りかけているものを一つひとつ終わらせようと…
もともとパン屋の娘。実体のない金融商品を扱うことにギャップを感じていた私は「オペレーションマネジメント」のコースを選びました。その時はまさかその選択が自分の人生を左右していくとも考えていなかったのですから、人生は面白いも…
作家の先生方が共通して言われていた「とにかく書く。書き続ける」という泥臭いチャレンジならできると思ったからだ。なんて諦めが悪いのだろうと思いながらも、打たれても消えない熱こそが答えのような気もした。簡単に手にできないもの…
詩人の仕事は世界が発する何かを受けてとめて記録することにある。マクロにもミクロにも、全方向に拡大し、曖昧で、本当は確かなことなどひとつもない複雑な世界と向き合い、フロンティアに立って、そこから飛んでくる言葉を、電波天体望…
7年前の東京でも劇場は閉ざされ、空っぽのままで誰からも省みられなくなりました。舞台照明デザイナーのぼくは、震災があってその先一ヶ月の仕事がすべてキャンセルになりました。演劇の人は、みんな問いかけられたのです。この世界に演…
プロのセールスマンはますます必要とされると思います。なぜなら、これからは高齢化社会。人が亡くなることで相続が爆発的に増え、相続トラブルも非常に増えるでしょう。そこを受取人が決まっている生命保険を使うことでトラブルを防ぐこ…
子どもが、悩み、自問し、周りにいる魅力的な大人に影響を受けながら成長していく物語を幾つか書いてきた私にとって、『りんどう珈琲』はドンピシャで好みの物語だった。ああ、やっぱり小説が書きたい。心底そう思った。ボッと音を立てて…
個展をひらく理由は、空間表現が好きだから、「異空間体験」が好きだからだと思います。空間的な「体験」というのは、やる方も見る方も、印象に残りやすいと思うんです。美術館のインスタレーションや、芝居、意匠の空間。何かのコンセプ…
貨幣経済の外で生きるのは、少しぐらい寒くても、病気の時に不安でも、自由ですがすがしいものなのかもしれない。しかも棲家があるのは、鹿が跳ねる美しいベルサイユの森。フランス史に残る王妃が贅を尽くして建てさせた優美な城を従えて…
世の中には、書くことが好きでいくらでも書けるという人もいます。ぼくはそういう人ではありません。いまでも、書く作業は辛く、考えは堂々巡りをして、文章は行きつ戻りつなかなか前に進みません。それでも書き続けているのは「しんどさ…
どんなお店でもそうですが、売り買いが成り立つ瞬間とは「人」「もの」「場所」がタイミングよく出会ったときだけ。仮にたくさんの「人」が集まる人気のイベントに出たとしても、すべてのピースがパチリとハマらなければアイテムに動きは…
締め切りに合わせて原稿を書き、言葉を紡ぐことを生業にしている人たちと並走させてもらった経験は、コツコツと一人で書いてきた中では味わえない充実のひとときだった。もっと書きたい。書く時間の中だけに身を投じたい。その思いは、心…
そこに流れるのはどこにも到着しない駒子の時間だ。線路や旅館の廊下、往来のような、どこかからどこかへ向かう途中のような。毎日をしのぐだけの駒子は実際、何か目的を持ったことなどあるのだろうか。少女の頃、東京に売られ、雪国に流…
もともと「手に職を付けたい」と思っていて、理学療法士は社会人になってたまたま読んだ資格の本で知りました。事務作業だけでなく、人に何かを伝えたり、ずっと勉強しながら一緒に変化できて、一生働ける仕事って興味あるなぁと思いまし…
それでもやはり勇気ではないのかと思います。知識も経験も技術も、実のところ船同士でそれほどの差があったとは思えません。ぼくの船でもそうでしたが、たぶんすべての船が遠回りルートのメリットは分かっていたと思います。分かっていて…
少女の後ろ姿は今もはっきりと覚えています。彼女を思い出すのと一緒に「私はどれだけ一生懸命やれてるかな」という思いが湧いてきますし、そのたびいつも自分が恥ずかしいように思えて、毎回ちょっとだけ落ち込みます。安定しているよう…
主婦の自費出版本など、いきなり飛び込みで持って来られても、というのが現実なのだろう。けれど、そんな飛び込み営業の日々の中でも、ちゃんと話を聞いてくれる人とくれない人がいることを知ったのは、面白い経験だった。「はぁ、何言っ…
当面はオリンピックがあるので、注目も期待もされていますよね。オリンピック以降のことを考えると、千代田区は今まで何もしなくても人が来る自治体でしたが、そこに胡坐をかかず、そうでなくなることも念頭に置いて動いていく必要がある…
いよいよ風船が、空に向かって飛んでいってしまうと、手を離した後悔と、自由にしてやったという確信犯的な気持ちがないまぜになり、風船が視界を外れて点のようになり消えていくまで眺め、涙があふれる。自由にしてもらったのは、実は私…
確かに冒険ではないかもしれないし、自分で選び取ったわけではないかもしれない。でも逆に考えると「すでにあるものを組み合わせるだけでもここまで行けたというのは、ちょっと面白いかもしれない」と思うようになったのです。これまで帆…
ドラマなどで見る大工さんは、黙々と寡黙であったり、厳しい親方の指導があったり、「怖い」みたいな一律的なイメージで語られやすいなと思います。確かに厳しい場面もあるとは思いますが、インタビューの際に、工事現場の近くでお仕事終…
もう一日も無駄にして生きることはできない。最期の瞬間に「それなりに良い人生だった」じゃなくて「良い人生だった」と、ちゃんと自分を褒めてあげられるような生きかたをしたい。そして、それを、子どもたちにも伝えていきたい。日本中…
そのころの私は女子高に通う学生で、まだ恋など知らない。柳のような女だと実母に言われてきょとんとしてしまった。本当にそうかどうかはわからないけれど、普段は辛辣で厳しい母のほぼこの時一度だけの賛辞を今でも心の支えにしている。…
顔は鏡をみないと認識できませんが、爪なら自分でいつも見ることができますよね。「手=自分」という風に認識できたなら、自信を持てるようになります。爪を嚙む癖がある人は、人に見られたくないので手を引っ込めがちですが、爪を嚙まな…
風がない状態のことを、凪(なぎ)と言います。ヨットや帆船で一番やっかいなのが、この凪に捕まることです。風が強かったり向かい風だったりは、目的地に向かって走るためにトライしてみることがいくらでもあります。けれど凪の時はそう…
もともと店主とヨメは性格がけっこう違います。店主は慎重派ですし、ヨメはまずやってみて考えよう、というタイプ。うまくまわっていけば、お互いにない部分を補い合って非常にスムーズなのですが、かみ合わなくなった時はガタガタ。この…
泣き止まなくても、食べなくても、おむつが取れなくても、熱が出ても、寝てくれなくても、「この程度なら大丈夫」だと思える心の余裕は、1日のエネルギー残量にも比例し、私はまたパソコンに向かうようになった。長い間、脳内で育ててき…
日本では演劇で生活していくのはなかなか難しく、卒業後は外資系メーカーを経て社団法人で仕事をしていました。その時交通事故で大きなけがをしたことが一つの人生の転換点になりました。「人間いつ死ぬかわからないならやりたいことをや…
さっきまでの「ダサダサオヤジ」は特殊メイクでした・・・みたいに、髭も剃られ、垢じみたシャツがなんとなくきれいになり(どこで調達したのだろう)ついには彼女をぐっと抱き寄せ、熱いキスをする姿も無理がないほどに、二枚目と化して…
カヌーやボートに乗ったことは何度かありました。実際の漕ぎ進んだ距離や時間は、それと比べたら全然短かった。けれど何かが違ったのです。自分の手で作りあげた船だったからなのか。葦船という、ほとんど自然そのままのものを、最低限の…
自然栽培で育ったお野菜のおいしさを伝えるのが私の仕事です。野菜は玉ねぎ一つとってみても、産地や栽培方法、品種の違いなどみんな違います。だからレッスンのレシピには、大さじいくつとか何分といった数字は載せていません。数字を追…
個性の強い少数民族の手仕事ですが、それらを用いて日常の定番となるアイテムが作りたい。いまそんな構想を温めています。が、そこでぶつかっている壁は「時間」の問題。定番となるものは、やはりデザインや機能面でたいへん優れているこ…
出産を機にアンバランスになった理由。それは、「このまま放っておいたら、誰かに属するだけの自分になってしまう」という危機感からくるものだったのかもしれない。きっと私は、私という存在を確立するために必死でもがいていたのだろう…
人事はベストな組織体制、職務のありかた、ルールづくり、教育は何をどのように実施していく必要があるのか、そういったものを示していく役割がますます求められるはず。思い込みを外して自由に創造的に在ること、それによって変革をリー…
「軽蔑システム」だけは違う、これが発動すると、相手との依存関係が解消されて、きれいに関係が終わるのだ。 最初は片方だけに起こることかもしれないが、やがて、二人の間の「対幻想=恋愛モード」が解除され、恋の幻が破られ、相手の…
広告代理店にいたときに妊娠しフリーとして独立しました。周囲の友人は起業している人が多く、そういった個人事業主や会社のロゴやWEBなどのデザインをたくさん手掛けているうちに、自分がやりたいのはそういう自分にとって大切な人た…
ゆっくりと時間をかけて屋根に登りました。目の前に広がるのは運河と水面を埋め尽くすほどの帆船とヨット。彼女はずっとその景色から目を離しませんでした。「そろそろ降りようか」声をかけたぼくに、彼女は水面から視線を動かさずにつぶ…
本当に公認会計士の仕事はAIにとって代わられるのか。すべてがそうだとは思いません。今後は「ただ数字を見る」ことよりも、その背景にある会社の業務プロセスや問題意識を理解し、「どういう改善策を提示できるか」という付加価値がよ…
ただ書くことが好きというのなら、自身のお気に入りノートにあれこれと書き連ねればいい。誰に読んでもらわなくとも、そのノートを黙々と増やしていくだけでいい。きっとそれだって十分に意味のあることだろう。でも私はそれだけでは嫌だ…
日焼け止めもせずに真っ赤な顔でプールから帰ってくる日もあれば、口紅をつけてイヤリングを揺らし、ハイヒールで出かける日もある。少女は大人の片りんをチラチラさせながら、時には子どもの表情に揺り戻し、少しずつ完成されていく。 …
否応なしにいろいろ仕事が降ってきてストレッチされる会社員と違い、フリーは基本的に「任せられるできる仕事」でご依頼をいただくため、まったく使わないチカラも出てきます。そういう意味でも今回のアルバイト経験のように久しく使って…
マリンレジャーについて考える中で、以前から気になっていたのは、山との差です。週末の朝に電車に乗っていると、これから山に向かおうとする集団とよく乗り合わせます。登山やトレッキングは、ジャンルとしてかなり大きな規模を持ってい…
いちからオリジナル商品を制作、と言うと難しく感じますが、私たちもできることから始めて、人の手もお借りしながら現在まで至っています。たまたま私たちはチクチクすることも好きですが、もし「作ってみたいけど、自分ではミシンがない…
どうして多くのご縁が頂けているのかはわかりませんが、ただ言えるのは自分のやりたいことだけをチョイスしていたので、その場が楽しい空気だったのかもしれません。来る人も楽しい空気を共有してくれていて「こんなに楽しいならまた頼み…
あの鼻でなくては、こんな風に悲し気に、毅然と生きるウルフを造形しえなかったのかもしれない、本当に。イングランドの緑が萌える流れにオフィーリアのように身を沈める彼女、鼻も入水していく・・・ある意味潜水艦の潜望鏡のように、 …
自分では当たり前だと思っていることの中にも、周りには知られていない、面白いと思われることもたくさんあります。新しい何かに挑戦するときには、自分の棚卸しから始めてみるのも一つの手段。「海図」というキーワードにたどり着いたこ…
娘を認可保育園に入れることができず、割に合わない理不尽さを感じました。「満足できそうなやりがい」×「求めていた働き方」には探しても出会えず、まだまだ働きたい女性を取り巻く環境が遅れていることを痛感しました。ならば自分から…
最近は買い付け旅のノウハウ的なお話が続いたので、ここでちょっとひと息。袖すり合うも多生の縁、と言いますが、買い付け旅の魅力のひとつが「人との出会い」です。さまざまな場所でいろいろな人と出会ってきましたが、今回はベトナムを…
親切は一面「フリフリのついた暴力」のようなものだ。だからどうしても奉仕したい場合はばれないように、あるいは「親切への報復」を覚悟して、肝を据えるべきだ。最悪仕事も愛も家族も捨てるほどの大きな勇気で徹底してやらなくてはなら…
無限に解答がある中で「建ったらもう壊すことができない」しかし「建てないと本当に正解かどうかわからない」という難しさがあります。誰も見たことのない荒野に、その一歩を踏み出せるか否かが、建築家であるか否かだと思っています。た…
風を見ることは誰にでもできる。けれど、風を見るにはそれなりの準備が必要です。多くは先輩のヨット乗りに教えてもらったりしながら、そうした準備を重ねていきます。そしてある日「ああ、これが風が見えるっていうことなのか」と腑落ち…
仕入れた商品を「いくらで」売るか、と決めることは商品の価値を左右する大切な瞬間です。一度決めた価格をかんたんに上げ下げしてはお客様に迷惑がかかり、正統な理由がないと信用をも失うことがあります。いろいろ計算する作業が多く …
だからスーパーマーケットは危険なのだ。フランスの恋愛番長フランソワーズ・トリフォー先生も同意見、恋をするならスーパー。あそこには滅多な相手と行ってはいけない、深みにはまる危険がある。 < 連載 > モトカワマ…
「コミュニケーションが苦手なので、コミュニケーションについて人よりたくさん考えて、だから仕事にしようと思ったのです」この言葉に衝撃を受けました。そういう向き合い方をしてもいいと知ったのは初めてだったからです。船に乗ってい…
もう「その日死んでもいいぐらい」の気持ちで臨んでいるんです。だって、新郎新婦はたぶんその日のために時間もお金もかけて、命をかけて式を作ってきているわけで。自分も命をかけるぐらいのつもりで挑まなかったら失礼だと思うんです。…
ボラれているのを適正な金額で買うのはアリですが、すでに適正な金額を出してくれているのに「もっと安くしろ」と値切り倒すのはやっぱり気持ちのよいものではありません。自分なりに「この価格なら十分だな」と思えるところで納得して線…
まずはお見合いをしますが、お相手に断られてからがスタートといっても過言ではありません。断られるのは誰だって気持ちのいいものじゃない。「あなたから申し込んで来たのに断るってどういうこと!」お怒りになるのはだいたい女性です。…
人は生き延びるために生きる、世の中と共存しながら、できる限り幸せな一生を送ることが一番の目的だ。それができない人種は苦しみながら「自分の人生」というライブ活動以外の形でエネルギーの痕跡を残そうとするんじゃないのか。 &l…
心から愛したものがなくなろうとする時に、自分がなんのアクションもしなかった。そのことが心にずっと小さな傷として残っていました。セイルトレーニングへの想いはその程度だったのか。チクチクと胸を刺し続けていました。ぼくにとって…
脳の使い方がポジティブでないと、新規事業は絶対できないです。できるかな、できないかな、っていう脳の使い方をしていたら、発想も止まり一向に進まない。どうやったらできるかばかりを考える。周りにもいろいろ言われても、不安になら…
気をつけなければいけないのは「時間がもったいないから」とギュウギュウに予定を入れすぎないこと。必ずしもイメージ通りに進まないのが買い付けの面白さであり難しさ。「ここに行けば絶対あると思ったのに、何にもない!」とか「地元の…
言われたことだけ、スケジュールを自動的に埋めていけばいい秘書であるならば、AIでもできるかもしれません。でもいま私がしているのは、学長の考えや、まわりの気持ち、これから起きうることを想像するヒューマンタッチな仕事なので、…
友情を証明するのにディープキスでは唾液が多すぎる。挨拶でつばを掛け合う国もある、相手が信用できるかどうか判断するために必要なのだという。理屈はわからないけれど、人と人の親密度は受け入れうる唾液の量で決まるのだろうか。 &…
弁護士は今すごく増えていて就職難とも言われています。法律事務所に就職できずにいきなり独立する「即独」、お金が無くて実家で携帯だけでやる「ケー弁」なんて言葉もあるくらいです。今後はそこにAIも入ってきますからね。今アメリカ…
「そういえば、1年くらい海に出てないなあ」帆船での航海経験はそれなりにあるのですが、実はヨットにはほとんど乗ったことがないのです。知り合いにヨット乗りはいるものの、週末にヨットに乗せてもらったりすることもありません。そも…
比較検討することがいろいろあって、航空券選びは毎回パズルを解くような気持ちです。ちょっとしたタイミングで空席も埋まってしまいますし、混雑状況によって値段も変わるので「目をつけていたあのチケット、値段が倍になってる~」と悔…
女優と政治家は真逆だと思っていたけれど、人の心や行動に変化がもたらす点では共通かもしれませんね。芝居も、現実にはなっていない潜在的な人の欲求や希望がそこに表現されていて人を刺激する。女優の仕事も好きな仕事の一つだと思いま…
しかしながら、社会は行動するものに微笑む。弟の命がけの行動は、結局私を死ぬほどうらやましがらせる結果を生む。それから姉が病院に行くたびに、彼は自分用の瓶に入った「お薬」をもらえることになったのだ。 < 連載 >…
もし上流まで僕が行ければ、後期参入でも勝ち目はあるんじゃないか。ところが1年やってみて、どんなに安く仕入れても、独自ルートでもない限り小売りの壁にぶち当たる。「マーケットを作る方に回らないと、埋もれていくだけだな」と思い…
帆船で長い航海をしていると、楽しい反面疲れもたまってきますし、慣れない作業や共同生活でストレスを感じることもよくあります。当然、乗船してきたゲスト同士でいざこざが起こることも。そんな時、スタッフとしてどう対応するかという…
普通の日常が、ちょっとだけ架空の空間に変わる。そういう瞬間って、誰にでもあるんじゃないでしょうか。がむしゃらにがんばっているスキマの時間、ちょっと疲れて外を眺めたりしたときに、ふと目にはいった風景をみながら、不思議な想像…
経験豊富なバイヤーの先輩が、惜しみなく情報やノウハウを教えてくださったことがありました。ここまで教えていただいていいのか、と恐縮してしまうほどでしたが「働いているお店の方針が変わって買い付けに行く機会が減ってしまったから…
この10年間ずっと回ることがなかった歯車。押せども引けどもついに僕には回すことができなかった歯車が、ゆっくりだがたしかに回っていくのを感じた。「自分が辞めたらこのスポーツは日本からなくなってしまうのではないか」そんな危機…
不思議とパーソナルカラーについては大変でも一度もやめようと考えたことはありませんでした。いろいろやって、ようやくたどり着いたのがカラーの道でしたし、職場を転々としていた経験から「結局辞めても何も変わらない」「嫌で投げ出す…
マンテーニャが欲しいと思う、ルネッサンス絵画を見に行く動機の底には無意識にそれがある。本当の私は目の前のマンテーニャに手を伸ばし、家に持って帰りたいのだ。 < 連載 > モトカワマリコの面倒な映画帖 とは …
僕らの世代でようやくベスト10というのを何度か達成し、ベスト8入賞を極めて現実的な達成目標として公言できるようになった。その目標もそろそろ次の世代に引き継がれるべきなのだろう。世代交代がうまくできない限りベスト8はまた絵…
公演が終わり、舞台の備品を全てトラックに積み込み、役者とスタッフはバスで体育館を離れます。そのバスをお客さんだった人たちが手を振りながら見送ってくれる。「夢見るのではなく、夢見られる存在」ぼくたちは間違いなく夢見られる存…
今の世の中では、病気とかブランクってネガティブな体験にとらえられますよね。でも、そういったネガティブな体験をすると、それをポジティブに考え、自分の人生を肯定的に生きていくために、その経験を活かせる仕事がしたいと思うのでは…
過酷な外側の世界があるおかげで、内側での団結力が強まるのもあったように思う。自然に誰かを頼ったり、お互いに助け合ったりを、みんながみんな当たり前のようにやっていた。夜中に稀に見る大雨で街中が停電したときも、部屋の外に集ま…
オーラソーマの道に進んでいこう。自分のハートが喜ぶことをしよう!と会社を辞めました。後先考えていなかったものの、自分本来の生き方を選択できたことは褒めてあげたいですね。ところが、現実は甘くなかった。無職ではサロン用の部屋…
今年は出店を頑張ってみよう!と過ごした1年。ダブルワークの私たち夫婦にとって、イベントとの両立は正直、体力的にはキツかった…というのが実感。でもそれに代えられないほどたくさんの素敵な出会いをいただきました。挑戦してみてよ…
部屋に戻ってからも私は罪悪感からヨシコさんの方を向くことができなかった。2人の間に沈黙が続き、重々しい空気が流れる。(あー、もう! このままじゃダメだ… )意を決して口を開く。「今日さ、私、ヨシコさんから逃げた」自分でも…
葉巻の香りがすると、思い出が蘇り頭を掻き毟りたくなる。作家先生のあの表情、あの沈黙、冷たい空気、追い詰められてギリギリで吐き出したマズイ質問を詳細に追体験し、甘苦しい後悔に胸を掴まれる。 < 連載 > モトカ…
大手スクールと同じことをしても勝てるはずがない。金城さんが考えたのが「私らしさを大事にして、私という人間性を打ちだしていこう」というもの。だからこそ彼女は「人を否定しないで愛せる力=彼女の人間性の根幹」を大事な力としてあ…
ひとりで何ももっていないこの場所から、どうすればゴールにたどり着けるのか。そう考えてたどり着いた答えは「メディア」でした。帆船のそして自分自身のメディア化、それがその頃の自分にできるひとつの手段ではないかそう考えたのです…
お店のメニューをパラパラとめくってみる。だけど、はじめから注文するものは決まっていて、それはボリュームたっぷりの『カツ丼』!もともと大好物であることに加え、ここまで大絶賛されているならはずれることはないはず。待つこと10…
変化とチャレンジにあふれ重責を担って仕事をしているのに、まったく肩ひじ張らず自然体な宮崎さん。もともとの彼女の資質として「人の可能性を信じる力」や「失敗を許容できる力」のような「楽観性」に通じる資質があるからではないかと…
しかも晴れた翌日よりザーザー降りの初日のほうが売れた…という驚きの結果に。事前にいくら想像しても、ふたを開けてみないと分からないものだな、というのがこの1年の実感です。自分たちが大切に選んだものを、目の前の方が気に入って…
「旅をしながらお金を稼ぐことができたなら」「働きながら旅ができたなら」旅好きな人なら一度は考えたことがあるんじゃないかと思う。正直、私も旅が始まる前から旅中もずーっとそのことを考えていた。お金があればそれだけ旅の選択肢が…
冷静になってみると、これまで恐ろしかったものも、実は小さくちっぽけな存在だったということに気づく瞬間が、誰にでもあるんじゃないかと思います。自分の気の持ちようで、世界をみる目って劇的にかわります。「自分を幸せにするのも、…
身ぎれいなおばあさんが二人で切りまわしていて、どことなく白粉匂い風情なので、元は芸妓さんだったりするのかしら、と思わせる。粋筋の人って甘いモノに口が肥えているというし、引退して菓子屋をやろうなんてよほどの味通なんだろうな…
10年後、20年後、50年後、世の中の仕事はどのように変化していくのでしょう。なくなる仕事、質が変わる仕事、新しく生まれる仕事。どんな風に変わるのか、大体の予測はできても、誰にも断言はできません。IT化やグローバル化、地…
帆船を使った体験航海、セイルトレーニング。これを事業として成立させるにはどうすればいいのか。それは「持続性のある事業プランであること」でした。乗る船をなくした経験からそう思うようになったのです。最初に考えたのは船のスペッ…
タクさんは饒舌な人だった。「そういえば、ケイコさんは日本で何の仕事をしてるの?」と質問してきた。「以前は会計士として働いてたんです。でも仕事辞めて、今は長期で旅してるんですけどねー」それを聞いた彼はひとこと「あ、そっち系…
実は旅に出る前にいろんな人から「2年も海外を旅するなんて、どれだけ成長するのか想像できないね」なんて言われることが結構ありました。言われる側としてはこの『成長』という言葉がものすごくプレッシャーになっていることに気がつい…
すごく惹かれる登場人物と出会ったとき、もうひとりの自分をみつけたような、自分の影をみるような気持ちになることがあります。誰にでもあることだと思いますが、物語を読んでいてい魅かれるのはだいたい、何かしら暗い側面をもつ人物じ…
自分たちなりに振り返り、これがよかったのかな?と思う点は、出店内容に「何を扱っているか」記入するだけでなく、文字数の許すかぎり「どこに愛着を持って」「どういう思いで」「どんなふうになれば、と考えて活動している」という点 …
誰かと話している時に、相手の顔にかつての友人の表情が浮かぶのだ。顔は似ていない、でも刹那彼女は男の顔を乗っ取って現れ、独特な微笑をうかべ、消える。 < 連載 > モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映画なら…
船がなくなるかも、という話は数年前から囁かれており「とうとう来たか」という感想でそれほど驚きはありませんでした。とはいえ、長く関わってきた船がなくなることはとても残念でした。その少し前まで起業について少しだけ勉強していま…
タラップを降りるテリーはジョン・ウェインのような表情をしていた。一部始終を見ていた私も彼女の感情の嵐に巻き込まれ、ついでに心の整理ができてしまった。 < 連載 > モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映画な…
「ひきこもり」という言葉ができる前から引きこもってました。だから今でも電話が少し苦手です。仕事だったり、友達と会うことになっていたり、なのに時間が来てもどうしても家を出ることができない。 連載「もういちど帆船(はんせん)…
ブースは、大切に思う世界観を表現する場です。いつも一生懸命ブースを作るのですが、どうしても「バッチリ!」というところまで持って行けず、「センスのいい人うらやましいな、もっとがんばらなきゃな」と日々悩みは尽きません。 &n…
時にはエモーション全開になってみるのもいいと思うのだ。たまにこういう気分と欲望だけの人間が右往左往する世界に溺れてみるのも悪くない。 < 連載 > モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映画ならたくさん観てい…
けれど時間が経つにつれて、少しずつ自分の中で帆船について考える時間が増えてきました。ここで学んでいる知識や人脈を持って2003年に戻れれば、もう何年かあの船は生き延びられたんじゃないか。そんなことを夢想したりもしました。…
好きなことだからこそ一生懸命になりすぎて楽しめなかったり、失敗したくない思いが強すぎてやりすぎてしまったり、意外に「楽しむことってかんたんじゃないぞ…」と気づかされることがたくさんありました。 第21話 夫…
どんな手であろうが、ステージに上がったことがあるかどうか、実力より経験。出たとこ勝負でも現場で得たノウハウはいずれ実力として身についていく。 < 連載 > モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映画ならたくさ…
ぼくの人生最高の時は2000年8月24日。朝の8時。オランダの北海に面したアイマウデンという小さな港街。天気のいい朝でした。ヨーロッパの夏は乾燥していて風は肌に心地よくて、空気は透き通っていて鮮やかな青空が広がっていまし…
境遇がどうであれ、よく考えて、自分の仕事を実践していくこと、その人ならではの仕事を構築していける人でありたいと思う。子どもの目にも、おじさんの道具は機能的で美しく、無駄がなかった。 < 連載 > モトカワマリ…
優しい雰囲気を全身から漂わせ、とてもよく笑う感じのよい方です。ちなみに、私たちがステキと感動した、例の衣装についているスタッズ。あれは星を意味しているのだ、と教えてくれました。 第20話 生産者さんを訪ねて…
実はこの模様の中に、制作で使うすべての技法が表現されているのだそう。つまりこの布は、母から子に技術を受け継ぐための練習であると同時に、今後も柄を織っていくときには見本帳の役割もしてくれるもの。 第19話 生…
あの肝臓はお前の中から出てきた表現だったのか、他の人間には撮れない映画というわけか。俺はすごくいいと思う、支持する。他の先生は評価しないかもしれない、でもね、作品というのは、誰か一人でもすごくいいと評価してくれる人がいれ…
でも逆に40歳すぎての留学だから良かったということも、いろいろありました。自分なりの判断基準ができているというのは、新しい場所にいく時とても役に立つものです。自分の問題がハッキリしているので、目の前で起こることを冷静に判…
郊外の市街地で静かに生きているこの人が、サイキックかもしれないという奇妙な説得力が気に入ったのか。あまりにも打算ばかりの生活を送りながら、どこかで人知の及ばない何かを信じたい、そういうものが存在して、ありえないことが起こ…
わたしにとってのベトナムはもう「行く場所」ではなく、「戻る場所」になっているんだと思う。会いたい人に会いに、いつでもまた戻ってこよう。世界にまたひとつ戻れる場所が増えた。自分が動き回れば、ここにはまだまだおもしろい出会い…
後ろを気にするたびにぐらつく私に気づいて師匠が言う。「僕のことは忘れろ、前に進むことだけを考えろ!自分を信じて、前に向かって走るんだぞ!」ゴーゴーゴーと掛け声をかけられ、ひたすら漕ぐ。 < 連載 > モトカワ…
モン族のチャームの特徴であり、最大の個性であるこのポイントは、「みんな同じ人間だけれど、ふたりとして同じ人はいない。それぞれの人生が素晴らしい」という『ORDINARY』の考えにリンクするのではないかな? …
「ベトナムのことを好きになれなかったらどうしよう」ひそかに思っていた不安。旅もしたことがない、そもそも興味がそれほどなかった国にいきなり住むという始まりかた。この国と仲良くなれるだろうか。こんな不安の中で「もしかしたらホ…
突然、おじさんがスプーンでグラスをカンカンたたく。テーブルのお客が注目する中、大声で「おいみんな、俺は決めたぞ、このかわいい日本の女の子と結婚することにした!」おじさんにギュウギュウ抱きしめられ、ほっぺにチュウされ、何が…
混乱するアタマとは裏腹に、「行きたいです!」と言葉が出ていた。カカオファームに行けるチャンスなんて普通に暮らしていたらまず訪れることなんてない。ベトナムでついにチョコレートの源流をたどることになった。まさかこんなことにな…
小学生の頃から算数が苦手で、「数字が得意!」という人にずっと尊敬を抱いてきたヨメ。フリーランスとして独立した後の一時期は「経理にかける時間を省いて、売上げを上げることに専念したほうが効率いい!」と考え、領収書と通帳の控え…
じゃあ上手な人のだけ扱えばいいのに、と思う方もいるかもしれません。しかしもう一つの団体さんは、育成に力を入れており、まだ刺繍がそんなに上手じゃない人たちにも仕事を頼み、雇用を生み出しながら技術の向上を手伝っているのです。…
古アパートカフェはこの3段階になっているという法則を発見した。途中「不安におとしいれる」というのがまたにくいところ。悔しいけれど、この一回気分を落としてからの驚きがたまらない。短い時間に下がったり上がったり、気持ちが忙し…
30年以上も生きていれば、生きるための術を身につけている。傷つかないように、自分を守るために、心の中に壁を積み上げたりブロックをかけたりしてしまって。でもそれが自分の成長を妨げているということに、旅の中で気づかされること…
3時間離れているのが無理なのは長男じゃなくて、自分なのだと気が付いた。頭ではどうでも、体は「お母さん」になってしまっていて、仕事の都合がどうであろうと、息子を求めている。ちょっとしたこと、ブタの赤ん坊がクビをかしげてさえ…
少数民族の手仕事らしいか?と言えば決してそうではないかもしれません。しかし購入していくお客様のほとんどは、なぜか引き寄せられるように「これ……なんですか?」と手に取り、じっくりその表情を眺めます。 第15話…
目を丸くしたわたしの表情で全てを察知した店員さん達がみんな笑っている。ローカルなベトナム料理のお店に来た日本人が、ランブータンを食べて喜んでいる。ただそれだけなのに、彼らにとって相当おもしろく、そして珍しかったんだと思う…
「はい、じゃあ足を大きく上げて、その場で行進して」1ヶ月近く、ちゃんと歩いていない。いきなりその場で歩けと言われても。「そんな変な歩き方してると、本当に歩けなくなるよ。はい、行進!」目をつぶって、先生のかけ声に合わせて足…
低いイスとテーブルが多いのは、「片付けしやすいから」とか「積み重ねやすい」とか言われたりもしているらしい。確かにそれも一理ありそう。でも、ほんとのところは、「人と人との距離をもっと身近に感じるため」なんじゃないかとひそか…
「おい、姉ちゃん、そこの時計で8時になったらバスが出るってよ。ボンヤリしてねえで荷物まとめとけよ!」夜が明けていく食堂で半分眠っていた私を揺さぶり起こしたのは例のドイツ人だった。旅なれた不良オヤジは探りまわって、接続便情…
お金のことはいいの。それよりもどうか、どうかこのバッグをトーキョーに持っていって、みんなに見せてちょうだい。あなたたちふたりとも若くておしゃれだもの。きれいなお洋服を着て、そのバッグを持ってどんどん出かけてちょうだい。 …
何を言ってるのかよくわからなくて、頬を伝う涙を拭って聞き返した。ネネちゃんの『本当の目的はもっと他のところにある』という言葉の真意を。「それが何なのかまだわかってないでしょう? だから苦しいんだよね。やらなきゃいけないこ…
大変ありがたいことに「ここは何のお店なんですか?」と足を止めてくださる方も増え、なかにはお買い物をしてくださる方まで。ちいさなお店に、ささやかで温かなにぎわいが生まれました。きっかけは新たに加わった看板犬レラの存在でした…
ベトナムで暮らす前のわたしといえば、「ベトナム料理ならやっぱりフォーと生春巻きだよね! 」なんて言ってるような知識しか持ちあわせていなかった。初心者丸出しなんだけど、これが正直な話。ベトナム料理のほんとのところは、全然知…
マガリの軽い失望に熟年の人間関係のヒントがあるように思える。大人同士が出会い、これから親しくなれるかどうか?相手だって同じようなもの。お互いに頑固にもなり、融通が利かなくもなり、ひょっとしたらちょっと耳が遠かったり、引き…
何度か足を運ぶうち、彼らが着ている衣装や売っている雑貨はすべて彼らの手仕事なのか、というと必ずしもそうではない、というのが分かってきました。「あなたが作ってるの?」と聞くと「ううん、仕入れてる」とか出所を素直に答えてくれ…
焦ることはない。きっとカフェスアダーと一緒なんじゃないか。わたしに必要なものはきっともう目の前にそろっているのかもしれない。時にはゆっくりかき混ぜながら、しばらく待ってみる。氷が溶けるまでゆっくりと、自分にちょうどいい頃…
このままだとますます負のループにはまりそうだったから、旅を始めて3、4ヶ月経ったところで、いったんもう割り切ってこの『目的』をまるっと横に置いておくことにしたんです。まずは自分が旅を楽しむところから始めようと思って。 連…
大地から植物が芽吹き、そこからとれた綿や麻が布になり、衣裳などに姿を変えて違う土地へと旅立つ。打合せのときにふたりで話した物語が原形にあるのは変わりません。シダのような植物と飛び立つ渡り鳥、両方をイメージできるよう描きま…
すべてが中途半端だった。40歳をすぎたいま、このまま老いていくのは嫌だと拒絶反応を示している。「これは人生のラストチャンスだ」ソフトボールは命の次に好きだったかもしれない。それも10年近く前に家庭の事情で断念してきた過去…
マダムは私がデブなのを心配してくれていたのだ。 「あなたくらいの年頃の女の子は恋愛をしなくちゃいけないのに、そんなにおデブじゃ男の子が寄ってこない。これからはブラックのコーヒー以外飲んじゃいけません。」心遣いはうれしかっ…
「人間ってどんなに覚悟しても、時間とともにゆるくなる生き物なんですよ。キチンと自分たちの理念や想いに基づいたロゴを作って、それを日々目にすることで行動や意識が変わる、という効果はバカにできないと思いますね」 第10話 大…
完全に動揺している。バイクの後部座席に座るとエンジンがかかった。あとはもう出発するだけだ。そんな段階になって、自分の両手をどこに置けばいいのか分からないことに気づいた。おじさんの腰に抱きつくのか? いやいや、恋人でもある…
「毎回毎回、迷惑かけて申し訳ないな」その想いは日が経つにつれてどんどん大きくなっていく。いつもの悪い癖。「私、ここにいる意味あるのかな… 」誰かに心配や迷惑をかけたり、何らかの負担をかけたりするのは堪え難かった。もはやそ…
何もかもにはお金をかけられませんが、何もかも安くまとめようとするとチープに見えがち。プロに頼むところは頼み、自分たちで作る物は作る。これから、取り扱う商品量がもっと増えていけば、タグも業者に依頼したほうがよいはず……など…
ある日、急展開が起きた。夫が海外で働くことになったのだ。行き先は東南アジアのどこか、らしい。「どこかって、どこなのよ… 」ああ、行き先がヨーロッパだったらなあ、と何度も思った。今までに行った大好きなヨーロッパの国々だった…
お客様に喜んでいただきつつ、現地の人たちも笑顔になる価格はいくらか?なおかつ、私たちがこの活動を健全に続けていける利益はどのくらいか?少数民族の手仕事が持つ芸術的価値を、価格としてどう捉えるか?いつも夫婦でウンウンうなり…
「私はこっちで彼はあっちなの?」「そうだよ、あたしにははじめからわかってたんだ。」そういって豊満な胸をぎゅっと押し付けてきた。生ぬるい肌がたまらなく悲しい気持ちにさせる。彼女を突き飛ばしたい衝動に駆られた。 だってAはわ…
何か硬いものが歯に当たった。「何だろう、ケーキの中に何か入ってたかな?」そろっとその異物を口から出して見てみると、そこにあったのは銀歯。なんと、ケーキを噛んだときに銀歯が取れてしまったのだ。「キャラメルじゃなく、ケーキで…
「やばい! 見つけたかも! 」思わず叫んだヨメ。店主も無言のまま、笑顔でうなづきます。テントにいたのは、私たちより少し若いかな? というご夫婦。奥様に向かって「日本から買付けに来ていて、少数民族の美しい手仕事を探していた…
少数民族の手仕事は不揃いだったり、大きさが違ったり。それはもしかして「不便」「完成度が低い」と思われたりするのかもしれません。しかし店主とヨメはその不揃いなゆらぎの中に、心を和ませる味わいもあるんじゃないかな? なんて思…
「ただ物価が高いだけじゃないんだぞ。見たか、これが日本だ! 」思わず叫び出したくなるらい、日本という国を心から誇らしく感じた。このパビリオンを完成させるのに、どれくらい多くの人が関わっていて、どれくらいの時間とお金と労力…
この手の映画では、活躍するヒーロー以上に、彼ら犠牲者キャストが重要。存在感があり、人間の薄暗いさもしさを象徴し、かつ愚かさゆえに滅びる運命。X時間に向けて自らの命の重さを割引いていき、小気味よく頭からパクリとモンスターの…
大祭りには「マニュアル」や「指導書」が一切ないんだそうな。そういったものがないからこそ、お年寄りから若者までが寄り合って相談し、わからないことは長老に聞き、それでもわからない場合はみんなで「これだ」と決めて進む。これが大…
「すすぎの水がなかなか透明にならないんだよ… 」とつぶやいておりましたが、時間をかけて埃を落としたからこそ浮かび上がってくる鮮やかな色彩や繊細なステッチは、心をギュッとつかまれる美しさ。市場の片隅で埃にまみれていた布が、…
何百と次々に打ち上げられるコムローイをただひたすら眺めていた。ふと自分がそこにいられることが、なんだかものすごいことのような気がして、急に不思議な気持ちでいっぱいになった。「このメンバーで来られて良かった」心の底から感謝…
ある朝目が覚めたとき思いました。「まだ何も始めてないのに、あんた悩みすぎ」と。そうなんです、私たちまだ何にも始めてない。頭のなかのシミュレーションだけで、ぐるぐるしていたんです(笑)。好きなことなだけに、失敗したくなくて…
ひとつの映像がいつまでも心に焼き付くことがあるだろう、その感覚が154分継続する強烈な濃度をもつ痺れるような映画なのだ。むかし映画学校の先生が言っていた「摂理があって撮る時は、映画の神様が手を貸してくれる。突然絶妙な角度…
「よくそんなに長く旅できるね。僕、飽き性だから、3ヶ月もすると旅に飽きちゃうんだよね」と言われることがある。実は私もこの意見には非常に同感。「旅は毎日刺激でいっぱい」と思われがちだけど、案外そういうわけでもないので、やっ…
フリーランスになった当初も「結果がついてくれば自信もついて不安がなくなる、というシナリオがやってくるのでは」とイメージしていましたが、10年経った実際のところは「不安の芽はどこにでもあるんだから、探しだしたらキリがない…
この2人からいろんなことを教えてもらった。何を始めるにしても遅すぎるなんてことはないこと。何歳になっても新しい挑戦ができること。日本だけでなく海外にだって居場所はあること。結婚しても良いし、しなくても良い。子どもも産んで…
「いつも面白そうな場所で、面白そうな人たちと展示に出てらっしゃいますが、どうやって出会うんですか? 」という問いについてお答えします。「いやあ、本当にありがたいねえ」と夫婦でよく話すのですが、私たちがステキな作家さん、ギ…
豆腐屋のばあさんは頭に無数のカーラーを巻いている。開店しているのに、お客がいるのに…である。午後2時すぎてもまだ巻いている。いつ外すんだろうか。カーラーババアの本番はいつなんだろうか。何に備えておしゃれをしているんだろう…
さかのぼること5年前、私たち夫婦はそれぞれ仕事を持ちながら、好きな少数民族の手仕事を個人で輸入し、イベントなどで細々と販売をはじめていました。しかし当然のごとく、独立するにはほど遠い売上げ。「いつかこれが本業になったら…
「よし、行くよ!」レンの手を掴んで目の前に止まったバス目がけてダッシュした。勢い良く、なんとかバスに乗れたものの、車内はもちろんぎゅうぎゅう詰め。私はレンの顏がどこにあるかも見えなくなってしまったけれど、はぐれないように…
外を出るともう真っ暗。「こんな遅い時間に宿見つかるかな…」さすがに少し心配になってきた。そんな私の心情を察したのだろうか。レンが「私たち、ツインルームを取ってるんだけど、その部屋に一緒に泊まる?そーっと入ってきたらフロン…
いったいどういう顔をすればいいのか…カイザー・ソゼが誰かわかった上でもう一度観るこの映画は、俳優の超絶技巧をじっと観察するというまったく別の魅力を放ち始める。まるで違う作品のように。 < 連載 > モトカワマ…
最近考えていたのが「人の幸せを決めるのは『居・職・自由』かもね」ということ。もし、今の生活に悶々としてらっしゃる方がいたら、試しに今の生活の『居・職・自由』のどこに不満があるのかを考えてみたらいいかもしれません。 連載「…
てっきり私も「そっか、海外に行けば、そんなにたくさんの素晴らしい出会いが待っているんだ」なんて単純に思ってしまっていた。中国四川省・成都で出会った旅人のある言葉を聞くまでは…。「旅先で、おもしろい人やすごい人、もしくは変…
なんで中国に行くつもりがなかったのかと言うと、たぶんその憧れを壊されたくない、というのがあったのかなと思う。というのも、正直、今の中国に対して持っているイメージがあまりにも良くなかったから(もし中国の方がこれを見ていたら…
実は長く旅をしていると、髪形は結構悩みの種になる。私は洗いやすく乾きやすい、という理由と、もともとショートカットが好きなので、旅中もずっと短くしているんだけど、短いと短いなりに、頻繁に美容院に行かないといけないので、結構…
映画が始まればイェンタウンは蘇り、そこで美しいグリコは笑い、嘆き、唄い、同じ過ちを繰り返す。監督はCHARAのためにイェンタウンを創りだしたんじゃないか。 < 連載 > モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映…
「人生は時としてうまくいかないことがある。そういう時でも、常に君は自分で選択をしていかないといけないんだよ」特に真新しいことを言っているわけではない。だけどニコの言葉は本質をついている。私はひとことも聞き逃すまいと必死に…
「なんて、美しいんだ」彼らの投球フォームは、軽やかなリズムを刻み、心地よい衝突音を奏でて、次々と僕らのボールを弾いていく。試合中の僕らにとってクロアチアは、何度ボールをビュットに近づけたってほぼ100%の確率でことごとく…
私は移動が苦手だし、仕方なくタクシーで行くことを選択した。こういうときにこそ、人は何を最も大切にしているのかがわかる。お金か時間か。たぶん私はそのどちらでもなく、「いかに苦労することなく、ラクできるか」ということなのだと…
なんなんだ、これはー! どのひとつが欠けても、きっと山上の景色にはたどり着かなかっただろう。「もしかして、強く願っていれば、本当にその願いは叶うんじゃないだろうか」なんて、本当に思ってしまうほど鮮やかな、ミラクルラッキー…
旅をしていると、「あぁ、最近、運動不足だー」と思うことが少なくない。もちろん、よく歩く。だけど、日本にいたときはジムに通って、意識的に腹筋や背筋を鍛えたり、肩甲骨まわりが硬いからマシーンを使ってそこを重点的にほぐしたり、…
僕が東京時代に住んでいた高円寺駅から徒歩6分のマンションは94,000円だった。家賃と1ヶ月の生活費が一緒って、なかなかおもしろい。しかも間取りで言うと、今は東京時代の倍の広さに住んでいます(7畳から14畳)。 連載「飛…
彼女は小さな生活で満足だった。受け取るものは少なくても、幸福感をやりくりする才があった。 < 連載 > モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映画ならたくさん観ている。多分1万本くらい。いろんなジャンルがあるけ…
自分にとって「書く」こと、「発信する」ことは特別な意味を持っていて、ずっとやりたいと思いながらもできなくて、20代早々で一度は諦めた夢だった。だからこの旅が自分にとっての再出発。しかし実際に旅を始めてみると、うまく進めら…
飲料水は貯めてある雨水。雨水をそのまま飲む国があるって聞いたことはあったけれど、まさかそれを自分たちが体験するとは。またそれと同じくらいビックリしたのはお風呂。ただでっかい樽みたいなものにホースを使って水を貯め、桶で汲ん…
抽象的概念と現実の間に橋をかけようとする作業は、クリエイティブな考え方やデザイン思考の大きな助けになります。ではどうやって橋を架けるのか。答えはひとつ、「つながると思い込むこと」世界に存在するものは、必ずどこかでつながっ…
「そろそろちょっと働きたいなぁ… 」全員が大学生の中、自分ひとりだけが30代、というのは初めての状況。自分がどういう振る舞いをするのか、どういう役割を担うのか、正直想像できなかった。そういう意味では、客観的に新しい自分が…
「どんな分野でもいいから、世界一になりたかった」いまさら人に言うのは少し恥ずかしいのだけれど、これが僕が10年前にスポールブールを始めた本当の理由だ。いつか「何者か」になりたいと想う若者は多い、僕もその一人だった。 連…
「旅=日常」だったら、海外でも日本と同じ時間の過ごし方で良いんだ! 自分の中で何かが弾けた瞬間だった。そして、バックパッカーという言葉が持つ一般的なイメージに無理に合わせる必要はなく、自分の年齢に合った、自分が居心地良い…
視力を失った彼は何も映らない映画を撮影する。1時間余り、筋書きもなく、何も動かない青いだけの画面・・・目を開けているのか、閉じているのか、どちらかわからなくなってくる。自分は何を観ているんだろう、この引力は一体なんだ。…
日本の社会というものは、10代、20代の若者に対しては「一生懸命頑張れ!」「人生悔いのないように」などと、青春の名のもとに、うっとうしいくらい応援するくせに、頑張ろうとしている大人に対しては急に厳しくなる。「もっと現実を…
引越しと移住の差に「覚悟」めいたものを期待されているようにも感じるのですが、僕としては「仕事と仕事をする場所が変わった」くらいな感覚です。こちらにきてずいぶんと時間に自覚的になりました。島には24時間営業のコンビニもAT…
『旅の正しいやり方』なんてものがあるのだろうか。「やっぱり私がおかしいのかな。なんか旅のやり方間違ってる? 」と思い始め、インターネットで『バックパッカーの正しいやり方』なんて検索する始末。ダメなときはダメと割り切るしか…
「なんで断食をするんだと思う? それは貧しくて食べられない、飲めない人のフィーリングをみんなで共有するためだよ。実際に経験しないと本当のところはわからないだろう?」ラマダンの時期に行くなんてタイミング悪すぎた。空腹に弱い…
「おまえ、料理くらいできなあかんぞ。料理ができないヤツっていうのはな、他人を喜ばせる気持ちが無いってことやねん。常に他人が幸せになることを考えなあかんねん。いつでも自分が幸せになろうとするヤツは幸せになんかなられへんわ」…
お母さん、オーストラリアは物価が高すぎて、私、何も食べられないよ。マクドも高いし。ヒモジイ。と送ると、2分後すぐに返事がきた。そうかもしれんけど、何も食べんかったら、おなか空くやろ。我慢せんと、ちゃんと食べた方が良いで。…
まだくちばしが黄色い少女の時、私が不用意に知ってしまった男というもの、それが高倉健だった。 <連載> モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映画ならたくさん観ている。多分1万本くらい。いろんなジャンルがあるけ…
オーストラリアに降り立った私を最初に襲ってきたのが、何とも言えぬ虚無感。前にいた場所が楽しければ楽しいほど、移動した後の場所で落ち込むことがある。引きずった感情や思考をどう処理して良いのかわからず、なかなか失恋から立ち直…
人生という船は一瞬で大きく舵を切るもので、会社を辞めて離島に移住しました。不安はなかったのと聞かれますが、辞める不安と残る不安 、どうせ同じ不安なら前に進もうと思ったのです。島の教育から日本を明るくするための初めての離島…
「私のカラダはばい菌だらけ。私のカラダはキタナイ」と言いながら笑い転げる私を、医師も看護師も苦笑いで見つめていた。旅が続けられるうちは旅を続けて、自分の中に何かを得るまでは日本には帰りたくない、帰らないと、強く心に決めた…
西洋特有のコンセプトの組み立てが思いのほか難しい。 往復書簡 ロンドンでの挑戦と創作をめぐる対話 第3通目 「新しい自分になるための学びについて」 (前半) 鮎子さんへ 鮎子さんといえば、いつも新しい試み…
蝶よ花よの愛されようだったのが、ホーチミンから来た美人がアオザイで歩いてきたとたん、彼の心がバビュン!パパイヤのジャングルにふっとんだんだそうだ。 <連載> モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映画ならたく…
これまでの人生の中で、あまり勉強が楽しかった記憶って無いけれど、ここでの英語の勉強は本当に楽しくて 連載「旅って面白いの?」とは 【隔週水曜更新】 世界一周中の小林圭子さんの旅を通じて生き方を考える、現在進行形の体験エ…
2年も旅をしてまわる以上、最低限の語学力は身につけておきたかった 連載「旅って面白いの?」とは 【隔週水曜更新】 世界一周中の小林圭子さんの旅を通じて生き方を考える、現在進行形の体験エッセイ。大企業「楽天」を辞め、憧れ…
天草育ちの海老屋の娘。山あり谷ありでも、旅館経営の夢を追いかけている。 第7話 山崎優美子さん(宿泊業コンサルティング会社勤務)の場合 新しい視点から旅館経営を学びたかったから ーーー 29歳の山崎優美子さんは2014…
ここで挽回しないと、目の前のドアも、輝く前衛ライフも閉じてしまう。 <連載> モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映画ならたくさん観ている。多分1万本くらい。いろんなジャンルがあるけど、好きなのは大人の迷子…
ぜひ協力させてください。すぐに上司を説得しますので! 連載「旅って面白いの?」とは 【隔週水曜更新】 世界一周中の小林圭子さんの旅を通じて生き方を考える、現在進行形の体験エッセイ。大企業「楽天」を辞め、憧れの世界一周に…
心臓をバクバク言わせ、送信をクリックした直後は、あー! 本当に送ってしまった! 連載「旅って面白いの?」とは 【隔週水曜更新】 世界一周中の小林圭子さんの旅を通じて生き方を考える、現在進行形の体験エッセイ。大企業「楽天…
遅咲きで辿り着いたプロのマウンド。野球選手の戦力外通告と新しいスタート 第6話 福田岳洋さん(元プロ野球選手)の場合 意志があれば道は拓けると信じているから 10月1日と聞くと、内定式を連想…
お誕生日のお祝いに贈るリースのご依頼をいただきました。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.27 <最終回> 誕生日のお祝いリース お誕生日のお祝いに贈るリースのご依頼をいただきました。フレッシュな…
走りながらいろんなものを整えられるほど、旅は甘くはなかった。 連載「旅って面白いの?」とは 【隔週水曜更新】 世界一周中の小林圭子さんの旅を通じて生き方を考える、現在進行形の体験エッセイ。大企業を辞め、憧れの世界一周に…
傍観者でいることより、痛みでも悲しみでもいいから感じたい、生きることを体験したい <連載> モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映画ならたくさん観ている。多分1万本くらい。いろんなジャンルがあるけど、好きな…
コーヒーショップのオープン祝いにと、アレンジのオーダーをいただきました。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.26 <毎週金曜更新> コーヒーショップオープンのお祝いアレンジ コーヒーショップのオー…
スプレーバラのフェアービアンカをふんだんに使用したキャスケードブーケ。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.25 <毎週金曜更新> フェアービアンカのキャスケードブーケ スプレーバラのフェアービアン…
この調子でいくのかと思うと、想像するだけでぞっとしてしまう 連載「旅って面白いの?」とは 【隔週水曜更新】 世界一周中の小林圭子さんの旅を通じて生き方を考える、現在進行形の体験エッセイ。大企業を辞め、憧れの世界一周に…
快適な環境よりも、多少不具合のある場所で創作するのが好き 往復書簡 ロンドンでの挑戦と創作をめぐる対話 第2通目 創作がはかどる環境とは 鮎子さんへ ロンドン暮らしも慣れてきたでしょうか。 鮎子さんはた…
お2人の親しい友人知人をお招きした、挙式なしのカジュアルな1.5次会用のブーケ。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.24 <毎週金曜更新> ウエディングパーティー用ブーケ お2人の親しい友人知人を…
東大から電通へ。エリートビジネスマンが、なぜ居酒屋の店主になったのか。 第5話 尾和正登さんの場合 ずっと戦い続けたかったから 2年、2年、2年、3年。この数字はこれまで紹介した退職経験者が…
作家には不安と憂鬱が必要だ、生業がないことを非難されても怯むな <連載> モトカワマリコの面倒な映画帖 とは 映画ならたくさん観ている。多分1万本くらい。いろんなジャンルがあるけど、好きなのは大人の迷子が出て…
あるアーティストのワンマンライブのお祝いに、アレンジのご依頼をいただきました。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.23 <毎週金曜更新> LIVEのお祝いアレンジ あるアーティストのワンマンライブ…
お誕生日のプレゼントに、育てる楽しみもある多肉植物の寄植えを作りました。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.22 <毎週金曜更新> 多肉植物の寄植え お誕生日のプレゼントに、育てる楽しみもある多肉…
旅が残り1ヶ月となった現在、もの凄く寂しい。この寂しいという感情は、だから正しいものだ 第10話 一人旅をするという事 TEXT&PHOTO : 恩田倫孝 旅の準備をする時に、どの本を持っていこうなかと…
イタリアンレストランのオープン2周年のお祝いにご用意させていただいたアレンジです 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.21 <毎週金曜更新> 夏の終わりのひまわりアレンジ イタリアンレストランのオー…
生花からそのままドライになるあじさいや実もの 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.20 <毎週金曜更新> 夏のいろいろリース 生花からそのままドライになるあじさいや実もので作るリースは、気温が高くお…
代官山のスタジオで、プロのヘアメイクさん、カメラマンさん、モデルさんによるウエディング用のイメージ撮影をしました。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.19 <毎週金曜更新> ウエディング撮影用…
高層ビルの最上階にあるレストランへお届けしたアレンジ。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.18 <毎週金曜更新> ヒマワリのリースアレンジ 高層ビルの最上階にあるレストランへお届けしたアレンジ。 お2人の記…
あのきらびやかで自由を主張する雰囲気はテレビで映し出されるモノとあまりに同じで 第9話 ニューヨークは、ニューヨークだった TEXT&PHOTO : 恩田倫孝 ーーー やはり、確かな事なんて無いし、時は無…
の花(蘭)をポイントにマルメらしい花た 毎週活け込みをさせていただいているカフェへ、 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.17 <毎週金曜更新> 青葡萄とベリーのアソートアレンジ &n…
面白くないのは観るほうが貧しい。この精神だと、面白くない映画は存在しないこ モトカワマリコの面倒な映画帖 第0話 新連載はじまりの挨拶 ーーーー 自分を見失うほど映画が好き 一番古い記憶、小さな布団に腹ばいになって、雨戸…
イメージは海の青と華やかなピンク色。南国の花(蘭)をポイントにマルメらしい花たちも 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.16 <毎週金曜更新> ハワイアンテイストのウエディングブーケ …
日本を渦巻く、強大な力の中にまた身を入れる訳であるのかと 第8話 和太鼓の音を聞きながら、ロスアンジェルスで TEXT & PHOTO 恩田倫孝 —- —- 旅が始まっ…
茶系の店内の雰囲気に合わせて、オレンジ色のカラーやキングプロテアをメインに、大振りでダイナミックなアレンジをお作りしました。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.15 <毎週金曜更新> BARオープン祝いのアレン…
お友達の個展のお祝いにと、アレンジのご依頼をいただきました。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.14 <毎週金曜更新> 個展開催のお祝いアレンジ お友達の個展のお祝いにと、アレンジの…
旅なんて、旅人の自己満だから嫌いだと。お金を払って、お金が無い国に行って 第7話 なんでもある街から外れた、大地の渓谷で TEXT & PHOTO 恩田倫孝 —- —…
あんなに願った海外赴任のオファー。でも、なんで、よりによって子どもが1歳の今なの?いない 第4話 坂本 那香子さんの場合 夢を叶えた後の人生を歩き続けるため 「将来何になりたい?」 そう聞かれ…
赤のお花を入れて元気なイメージで…とのご希望に、芍薬をメインに明るいグリーン 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.13 <毎週金曜更新> 還暦のお祝いアレンジ お母さまの還暦のお祝いにと、アレンジのご依頼をいただ…
ハーブやグリーン、小花を多めに束ねて、摘んで来たような雰囲気 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.13 <毎週金曜更新> ウエディングブーケ & 花冠 森の中でのウエディングをテーマにご用意させていただい…
笑う事はよく見るのだが、泣くという光景というのは、あまり見ない。 第6話 ケーブルカーの下に TEXT & PHOTO 恩田倫孝 海外で、待ち合わせをしていて、しばらく経っても相手が来ないとなんだ…
ワイヤーレースアクセサリーの展示会のお祝いに、作家さんのご友人からご依頼をいただいたあじさいのリース。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.12 <毎週金曜更新> 展示会のお祝いリース ワイヤーレースアクセサリー…
アンティークシックな雰囲気で…とのご希望に、取っ手付きの木箱を器にご用意させていただきました。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.11 <毎週金曜更新> 美容室のオープン祝いアレンジ ーーー アンティークシック…
世の中は偏っているのかもしれないという話である。 第5話 過去を美化する病を抱えながら、病を自覚する事 TEXT & PHOTO 恩田倫孝 記憶とは不確かなものだし、過去を美化したくなるものかもし…
望んだ形ではないかもしれないけれど、“ヒーロー”になる夢は捨てていない 第3話 伊藤 悠さんの場合 今の自分に耐えられなかったから — 伊藤悠さんは現在、震災復興関連の団体で働いている。落ち着…
花冠はイエロー&オレンジ色をポイントにナチュラルな野草系で…とのご希望でした。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.10 <毎週金曜更新> ウエディング二次会用のブーケ&花冠 ーーー 花冠はイエロー&オレ…
メインのバラはジプシーキュリオーサ。ピンク色からグリーンへと色味が変化する 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.9 <毎週金曜更新> カフェのオープン祝いのアレンジ ーーー コンクリート打ちっ放しの店内、シンプル…
静かに目を閉じる。しばらくすると、音は静かに耳から遠ざかる。音が消えたのか、僕が眠ったのか。 第4話 ラム酒に溶けゆく孤独 TEXT & PHOTO 恩田倫孝 枕に頭を付けると雨が屋…
家族の事をこんなに素敵に自慢できる人に初めて会いました 第3話 砂漠に溢れる星空の下で TEXT & PHOTO 恩田倫孝 ーーー 昼は暑く、夜は寒い。何の感情も持たない孤独な佇まいで僕らを迎えてくれる、砂漠。こ…
この春、楽天を退職し、2年間の世界旅行に出発する 第2話 小林圭子さんの場合 旅に出るワクワクを抑えられないから — この春、楽天を退職し、2年間の世界旅行に出発する小林圭子さんの一身上の都合は、人生の次のス…
波紋は重なり、周りの木々が静かに揺れるのを見た。 —— 新しい国に入る時、水面を叩く。 波紋が静かに広がりゆくのを、僕は眺める。 僕の波紋が、他の波紋とぶつかる。 —— &…
母の日の花屋は、クリスマスのケーキ屋さんに似ている 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.8 Mother’s day 母の日の花屋は、クリスマスのケーキ屋さんに似ている ——— 桜もす…
この世界には、一匹の動物がいる。猛烈に動き出したり、絶対零度下の分子のように息もせず 新連載『井戸とラクダ』はじまりはじまり ——— 恩田倫孝さんが、会社を辞めて世界一周へ旅立ってから…
わたしたちが会社を辞める理由、辞めてからのこと 新連載は、みんなの退職ストーリー レールから降りて自分の道を選んだ人たちについて ——- 辞表には、一身上の都合で退職します、と書きま…
よろこびの大きさは、それぞれが越した冬にかかっている。 【連載】菊池裕子の「ハナサクトキ」 Vol.7 桜を見上げる想い ——— 寒かったこの冬。 先月までその寒さを引きずっていましたが、一気に暖かくなっ…
【連載】菊池裕子の「花が咲く時」 Vol.6 チューリップ ———- 生命力溢れ しなやかなラインで踊るバレリーナ ——— 3月はわたしにとって始ま…
人々が文学を愛し、歴史を積み重ねてきた街だからでしょうか 往復書簡 第1通目 ロンドンは文字を大切にしている街 鮎子さんへ ロンドンでの新生活、調子はいかがですか。オーディナリー編集部は、今日も編集会議でした。食べ物の…
【連載】菊池裕子の「花が咲く時」 Vol.5 ラナンキュラス ”わたしを見つけて…” 透明感のある可愛らしい花姿 ——— 冷たい空気の中で吐く息は白く、まだまだ寒い日が続く2月です。…
雪の中で春の訪れを告げる花 ———- 花屋では毎年、忙しいクリスマスシーズンの後には慌ただしく年末まで続くお正月の準備が待っています。そんな中大晦日を迎え、晴れて新年が明けた頃にやって…
クリスマスの頃に咲く、バラのような美しい花 この花に原色はほとんどなく、わたしの好きなニュアンス色が多い事もあって、出回る時期は花束で良く使っています。総称をへラボレスと言い、実際この時期に開花するのはへラ…
11月の花 バラ(フェア ビアンカ) うっとり甘いミルラの香り バラは年に2回、春と秋に見頃を迎えます。秋はブライダルシーズンということもあって、この時期市場にはブーケや装花に欠かせないお花として、たくさ…
風が少し涼しくなって、金木犀の香りが漂いはじめる頃になると、あぁ今年も秋が来たんだなぁと思います。暑い夏が終わって、お花にとっても過ごしやすい季節になりました。 秋のお花にはコスモスや菊などいろいろあるのですが、中でもひ…