舛廣純子が聞く「しなキャリ図鑑」 【第26話】 ライフプランナー(生命保険営業)のチカラ / 日野悟さんの場合

masuhirojunko_long_bannerプロのセールスマンはますます必要とされると思います。なぜなら、これからは高齢化社会。人が亡くなることで相続が爆発的に増え、相続トラブルも非常に増えるでしょう。そこを受取人が決まっている生命保険を使うことでトラブルを防ぐこともできます。あとは、自分が働けなくなった場合、認知症になった場合、どう自分の家族は生活するのか。資産や長生きに対する
連載「しなキャリ図鑑」とは  【毎月1回更新 / 第4月曜】
「しなやかに生きる人のためのキャリア図鑑」の略称。キャリアカウンセラー舛廣純子が、イキイキと働く仕事人にインタビューし、その仕事に大切なチカラを中心にキャリア・仕事そのものも掘り下げます。10年後の未来に自分がどんな風に仕事をしているのかも見えづらくなった今の時代。インタビューを読むことで、自分の持っている力にも気づいたり、したことのない仕事に興味を持ったり、これから伸ばしたい自分の力を見つけられたなら、あなたの仕事人生も変化に対してさらに強くてしなやかなものになっていくかもしれません。

 

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第26話   ライフプランナー(生命保険営業)のチカラ 
目標にコミットし、お客様と出会い続けることで、お客様の人生を守り続ける

TEXT : 舛廣 純子

日野悟さん

教えてくれた人 
日野 悟 エグゼクティブ・ライフプランナー(生命保険営業) 

大学卒業後、大手旅行代理店に入社。海外旅行部門で営業として活躍。その後、現職であるプルデンシャル生命保険に入社。現在は約2000件の契約を持つ。

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<ライフプランナーにとって大切な能力はなんですか?>  
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1. コミットメント      決断力 目標達成志向 責任感

プルデンシャル生命のライフプランナー(生命保険営業)の仕事はフルコミッション、つまり完全歩合制です。「目標を達成する」と決めたらやりきる、決断力のようなものは必要ですね。ノルマもなく、目標達成しなくても誰からも怒られることはありませんが、収入にもダイレクトにつながり、目標を達成できないことは自分に嘘をつくことにもなります。

目標、目標と思って人にお会いしているわけではありません。ただ、前提として年間最低でも100件は、絶対にご契約を預かるという覚悟があり、覚悟の有無で、お客様との接点や関わりも違ってくるとは思います。

たとえば、保険の加入にはタイミングがあり、昨日生命保険に入られたばかりのお客様に私が生命保険のご説明をしてもその時は興味はわきませんよね。でも、3年前とか5年前にお会いした方にメールをしてみると、ほぼ100%、「保険に入ったきり保険のことはすっかり忘れ、見直しもしていない」というお返事をいただきます。そこで、もう一回名刺交換した方々に、「情報交換しませんか」という形でご連絡すると、たいていの方が「ぜひお会いしたいです」というお返事を下さいます。

あとは、お客様も日々刻々と環境が変わっていて、数年前に加入下さった方に久しぶりにご連絡すると、昨年2人目のお子さんが生まれていて、保険の見直しの検討も含め、再会させていただくなんてこともよくあります。

そういった定期的なコンタクトをとるかとらないか。断られるかもしれないご連絡をとることは、私にだってちょっとした頑張りは必要です。そこに一歩踏み出すために必要なのが、まさにコミットメントなのです。

目標を達成するには目標を定めるプロセスもすごく大事。本当に今年これを達成するという数字は、自分で熟慮して決めます。毎年最低100件というのは入社以来当然自分に課している目標ですが、毎年毎年異なったテーマはあります。たとえば、今年は100件中、30件はお医者様にアプローチしたい、と目標を立てたなら、どうそのお客様に出会うために行動するか、戦略を立てるわけですが、それはそれで楽しいプロセスです。お客様からご紹介いただく時も「ご紹介いただく中で一人お医者様はいらっしゃいませんか?」の一言が言えるかどうかも、やはりコミットメントがあるかないかで変わってきますよね。

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2. 聴く力     傾聴力・関係構築能力・受容力 

 

営業は、プレゼンテーションスキル以上に、聴く力が大事な仕事だと思っています。

しっかりヒアリングすることで、そのお客様の価値観、家族状況、資産構成、抱えていらっしゃる問題、人生設計における生命保険の目的などがわかります。初めてお話をうかがう方の場合、2―3時間かかることはよくあります。質問に対しての答えだけでなく、想定外のお話をして下さることもあり、根気強く傾聴します。

「実は日野さん、私会社の誰にも話していないのですが、3番目の子どもに障害があって。上の2人の子は自立して行けるだろうけれど、私に何かあった時に3番目の子だけはずっと守ってあげたいのです。」「実は母の介護があって。母は女手ひとつで私を育ててくれた。保険の受取人は母にしたいのです」なんてお話も。

特に経営者の方の場合、3―4時間お話を伺うことはしょっちゅうです。自分の生い立ちから始まり、どんな苦労をしてここまで事業をやってきたのか、誰にも言えなかった会社の危機、なんていうお話まで。経営者は社員にそういった話をできない孤独な存在です。あっという間に時間は過ぎ、そこで人間関係はぎゅっと密になります。腹を割って話して下さった瞬間が、お客様が私を信頼して下さった時。根気強く、どんな話でも受け止めることで、その方の人生観がわかり、信頼関係が生まれます

 

3. 質問力 

聴く力と似ていますが、質問力も大事です。お客様の真の課題を明確化していくためには、的確な質問が必要。限定質問や拡大質問、どういう切り口で聴いていくのか、どういう言い回しで聴けば、お客様が本音を話してくれるか、考えて質問します

ヒアリングして集めた課題を解決するのがプレゼンテーション。課題が明確化して、お客様がその課題を解決したいという気持ちになれば、プレゼンテーションはそれほど難しいことではなくなります。課題が共有できた時点で、商談に入っていて、最後の1ピースがプレゼンテーションなのです

特に私たちの会社の商品は、他社とは異なり、その方の生命保険に対する目的を掘り下げて、掘り下げて、パーツごとに設計するオーダーメイド。約2000件の私のお客様も、誰ひとり同じ保険には入っていません。そういう商品だからこそ、余計に質問力は大切になります。

コミットメントがもたらした成果と表彰の数々

コミットメントがもたらした成果と表彰の数々


 

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<なぜライフプランナー(生命保険営業)になったのですか?>  
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前職の旅行会社では13年間、ずっと希望通り海外旅行専門の支店にいました。自分で好きなツアーを企画して、営業、集客し、添乗もして、というやりたくて、かつやりがいのある仕事。本当に仕事自体に不満はなく、とても楽しく、いい会社でした。

同期の中では、トップクラスの営業成績。でも、35歳になり、子どもも生まれ、だんだん自分もポストが上がっていき、この先25年間このまま、敷かれたレールの上をただ進んでいくだけでいいのか悩んでいた時、まるでその心を見透かされたように現職からのスカウトに出会いました。

一番魅力的だったのは、フルコミッションの営業というのはプロフェッショナルな仕事ということでした。自分の専門性とスキルで仕事をし、稼ぐ。報酬は、あくまでスキルを駆使して結果を出し、世の中の役に立ち、その対価として得るもの。プロセールスマンになれる、そう思えたのがこの仕事をやろうと思った決め手でした。誰かに時間を管理されるのではなく、自分で考え、目標を決め行動し、徹底的にスキルを磨き、選ばれる担当者になるというのが私のありたい姿でした。

立場としては正社員で、社会保険にも入っていますが、給与所得者ではなく事業所得者です。その変化に対して勇気もいりましたが、この先の人生をプロとして生きたい気持ちが強く、転職しました。

営業スタイルは、入った時から一貫して「ご紹介」のみ。きちんとした仕事できちんとしたご提案をすれば「じゃぁ私の友達にもその話をしてあげてほしい」というご紹介になるのです。本当にそれだけで、ここまできました。

「紹介でしか営業しない」と決めていたので、まずはお客様を増やさねばと最初のころは必死でした。前職でお世話になっていた広告代理店さんに久しぶりに、転職のご挨拶もかねてご連絡したところ、ご自身の保険を私のご提案したプランに変更して下さったばかりか、3人の後輩の方をご紹介下さいました。そこからその会社でご紹介がご紹介を生み、300人ぐらい最終的にご契約いただきました。ご家族を含めるともっとたくさんの人数です。今でもコンスタントに週2回ぐらいはその会社には通っていますが、社員の方以上に人事制度や福利厚生にも詳しくなるので、より信頼していただけているのだと思います。最初の1-2年目は、その広告代理店さんに朝から晩までいて、お昼も社食で食べ、食堂のおばさんにも、社員のように扱ってもらいました(笑)。

 

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<ライフプランナー(生命保険営業)とはどんな仕事?>

お客様からのヒアリング、ご提案、ご契約に関する事務手続き、人脈作りなどありますが、一日の中でいうと、保全といって既存のお客様のケアが一番時間的に多いです。名義変更や入院手続き等で、ちなみに週3人ぐらいのお客様が入院されます。一日の仕事の7割が、既存のお客様のフォローの手続きや面談で、3割が新規のお客様との面談、人脈作りですね。

ジム通いやマラソンなど趣味も大事にしていて、その結果、「日野さんという生命保険の営業の人がいるのだけれど、すごくいろいろな趣味を持っていて、いい人だから紹介するよ」みたいな形でご紹介いただくことが多いです。その場で全く保険の話にならないこともありますが、出会った方に「この人に会えてよかったな」と思ってもらえればいいなと思っています。その結果が、年間100件超のご契約にもつながっているのかなと思っています。

趣味のマラソン。昨年はホノルルマラソン、今年の2月には東京マラソンにも参加。そこからまたご縁があって、ご契約いただいたお客様もいたそう。

趣味のマラソン。昨年はホノルルマラソン、今年の2月には東京マラソンにも参加。そこからまたご縁があって、ご契約いただいたお客様もいたそう。

 

私たちは会社に属してはいますが、営業スタイルや報酬体系は本当に個人事業主と同じ。定められた担当エリアもなく、自分で自分の目標や行動を考え、自分たちでやり方も創造していかなくてはいけません

私のこだわりの一つに、毎朝必ずお客様に手書きでバースデイカードを書くという行為があります。ご家族あてにも送るので、1日10枚ぐらいは書いていますが、年に一度バースデイカードを書くと、ご無沙汰しているお客様のことも思い出し、私にとってはお客様への感謝の時間になっています。また「もうすぐお誕生日ですよね。バースデイカードを書いていて○○さんのことを思い出したのですが、その後お変りなくお元気でいらっしゃいますか?」なんてお電話することもよくあり、時には保険の見直しにつながる場合もあります。

バースデイカード以外にもお会いした後に出すお礼状、年末にカレンダーをお送りすることも大事にしています。常にバッグの中にも入れているカードにはこだわりがあり、いくつも種類を用意し、初めてお会いしたお客様用のカードとかご契約いただいたお礼のカードとか、季節に合わせて定期的にデザインも変えています。

私の送ったカードを楽しみにし、大事に保管して下さったり、額に入れて飾って下さっているお客様もいます。バースデイカードは前日までに届くことで、ご家族の誕生日を思い出してもらうきっかけにもしてもらっています。「日野さんからバースデイカードが来ると、女房の誕生日を思い出すんだよね」と言って下さる方もいて、私も楽しみながら書いています。

あとは毎月1日の日にメルマガをお送りしています。月に一回、一瞬でも私を思い出して下さればいい、何かあった時にいつでも飛んでいく安心感が届くように、つかず離れずの距離を保つようにしています。何しろ商品が保険です。あまり頻繁にお会いしないほうがいいですよね(笑)。またそうやって、思い出していただくことで、ご紹介や保険請求につながったりもするのです。

 

お客様のことを思い浮かべながらカードを書く毎朝の時間は感謝の時間。

お客様のことを思い浮かべながらカードを書く毎朝の時間は感謝の時間。

 

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<一日の仕事スケジュールは?>

ミーティングのある月曜と木曜の午前中しか出社義務はなく、あとは自分で自由に考え行動します。以下はある一日です。

6:30  起床
9:00  会社に出社する場合はこれぐらいの時間に出社
      お客様へのカードを約30分かけて書き、ポストに投函
9:30  支社ミーティング
11:00 営業で外出
12:00 お客様と昼食
      1日3~5件のお客様とお会いするが、この日はランチを含め3件 合間に事務手続きも行う
19:00 最後のお客様とのアポイントメント 
21:00 帰宅 食事
22:00~24:00 自宅からすぐそばのジムでトレーニングとサウナに入る
0:10  帰宅
0:30  就寝

 
 

必ずしも毎日出社しなくてもよいが、お客様にカードを書いたり、事務手続きのためにオフィスに立ち寄ることも多い。

必ずしも毎日出社しなくてもよいが、お客様にカードを書いたり、事務手続きのためにオフィスに立ち寄ることも多い。

 

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<仕事のやりがいや面白みはどんなことですか?> 

この仕事は、新規のお客様獲得だけでなく、お客様との関係性を長い期間で醸成させていくことが大切です。昨年とても多かったのが、私がこの仕事をし始めた頃、赤ちゃんだった子が、社会人になって生命保険に入る時に、親御さんが私のことを紹介して下さるケース。そういうのはものすごく大きなやりがいです。

あとやはり、お客様が契約いただいたときに、すごく晴れやかな顔になって下さるのがとても嬉しいですし、一番のやりがいです。私のお客様は「ありがとうございました、いい保険を紹介して下さって安心しました」と感謝して下さる方がとても多く、もちろん私もお客様に感謝しているので、そこにはとても温かい空間が生まれます。お話を伺う中で、明確化したお客様の課題や不安を、生命保険で問題解決できた時、安どの表情になった時、とてもやりがいを感じます。そのために仕事をしている感じです。

 

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<もっとも嬉しかった経験はどんなことですか?>

この仕事を長く続けなくていけないと思った忘れられない経験があります。仕事を始めて3年目ぐらいの時のことです。

まだ赤ちゃんのいるご家庭でしたが、ご夫婦がそろう「夜の9時に自宅に来てほしい」と言われ、千葉のちょっと遠くのお宅に車でお邪魔しました。赤ちゃんの面倒を見ながら、奥様も真剣に私の話を聴いて下さり、最終的にとても気に入ってご契約下さったのですが、全部契約書類を作り終え、お宅を失礼したのが、夜中の2時。「泊って行って下さい」とまでおしゃって下さったのですが、私も恐縮して、夜中に失礼することにしました。

2月の寒い夜中、一戸建てのお宅の玄関で「ここでいいですので」とお伝えしたのですが、家を出て、ふっと振り返ると、ご夫婦が家の外に出てきて、寒い中お辞儀をして下さったのですよね。私が道を曲がるところまでずっと見送って下さって。それは私にとって忘れられない光景でした。お客様の中には、私に対して、夜中まで親身になって相談に乗ってくれた感謝の気持ちもあったのかもしれませんが、私には「大切な僕らのこれからを、あなたに託しましたからね」と言われたようにも感じられました。

入社した時に、この仕事は絶対辞めてはいけない、次の転職はない、保険金をお支払いする最後までお客様の人生を守っていくのが私たちの仕事だと何度も言われ、覚悟を持って始めた仕事ですが、初めてその言葉の意味が心の底からわかったような気がしましたね。私にとって、その光景はすごく大きな転機で、すごく責任感が増しました。

お客様のために絶対にこの仕事を辞められない。フルコミッションの営業ですから、業績が振るわなければ続けられない仕事です。だからこそ、私自身が業績を高いところで安定させて、この仕事を続けられるようにしなくてはいけないと考え、一年最低100件のご契約は絶対死守するようにしているのです。来年も再来年も担当であるために。お客様が増えれば増えるほど、その責任は増すばかり。いつまでたっても安泰にはならないですね(笑)。

 

 

 

<逆に今まででもっとも大変だった経験は?>

 

やはり、いかに毎年毎年新しいお客様に出会う機会を作るかということですかね。ずっとそれはやり続けていくことであり、一番大事なことでもあります。

日本は9割以上の人が保険に入っているのに、なぜこんなに安心できない世の中なのか。親が亡くなり、進学ができずに、募金をするあしなが育英会がありますが、その人数ってぜんぜん減らないのです。おかしいですよね、保険に入っている人は9割もいるのに。ということは、保険の入り方を間違えているか、保険を辞めてしまっているか。その課題に気づいてもらうのが私たちの仕事ですが、保険営業というだけで敬遠される方もいます。そこを「今保険に向き合う時間を作ってみてはどうですか」と時間を作っていただくことがやはり大変でもあり、大事なことでもあります。

 

 

 

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<ライフプランナー(生命保険営業)の仕事の未来はどうなっていくと思いますか?>

今はネット保険も増えてきていますが、今後、お客様のニーズは二極化すると思っています。手軽に入院保険やがん保険だけに入りたいという方は、ネット保険でもいいと思います。でも、自分の生命保険を自分の人生のどんな時に使うのかわかっている方というのは、実は極めて少ないのです。潜在的に必要性はあるのに、自分では気づいていない保険に対する目的を、お話しを伺う中でだんだんとお客様も気づかれていきます。そこを掘り下げることができるプロのセールスマンはますます必要とされると思います。

なぜなら、これからは高齢化社会。人が亡くなることで相続が爆発的に増え、相続トラブルも非常に増えるでしょう。そこを受取人が決まっている生命保険を使うことでトラブルを防ぐこともできます。あとは、皆さんなかなか曖昧にしがちですが、自分が働けなくなった場合、認知症になった場合、どう自分の家族は生活するのか。資産や長生きに対するリスクをカバーする生命保険というのは今後ニーズがあり、その領域はネット販売するには不向きです。ネットで売れる保険というのは、非対面である分、商品や保険金額は限定されてしまいます。

つまりセールスマンは、保険で準備するのか、投資、預金で準備するのか、それぞれのメリット、デメリットなどをわかりやすく伝えられなくてはならず、専門性を磨いている人間であれば、未来は明るいと思っています。

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<今の仕事と同じように向いていそうな仕事はありますか?>

自分では、この仕事は天職だと思っているので、これといった仕事は思いつきませんが、職種というより、個人事業主の専門職の仕事の人には共感するところが大きいです。またセールスであるならば、無形の見えないものを売る、形のない商品を売るのは、難しくもあり、達成感もありますよね。あとは何か人に教えるのは楽しいなと思います。学校の先生とかではないのですが。でもこの仕事以上に楽しい仕事はありません。

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キャリアカウンセラー舛廣純子の  シゴトのチカラ考察  .

 

本当に人に対してまめで、温かい方。日野さんとお会いした私の中に残ったものは、営業という仕事の内容やチカラ以上に、やはり「日野さんのお人柄」でした。お会いする前日、本来であれば私からメールをお送りしなくてはならないところ、オフィスまでのご丁寧なご案内のメールを下さり、インタビューが終わったあとも、メールだけでなく、お葉書を下さいました。私より人生の大先輩。2000件の契約を持つトップセールスの方なのに、全く奢ることなく、感謝の心を大切に、謙虚で人に対してとてもまめな方。色とりどりのカードを見せて下さる時の日野さんの表情はお客様を思い、本当に嬉しそうで、「あぁこのお人柄、人間力が日野さんのやはり最大の魅力であり、武器なのであろう」と思いました。

日野さんのその人間力を因数分解するのであれば、「関係構築能力(まめさ・フットワークの良さ)」「親和性」「個人情報把握力」「傾聴力」「相手の立場に立って考えるチカラ」「感謝力」「責任感」…といくつも出てきてしまいますが、そこにお客様に対する愛情や仕事に対する情熱があるからこそ、お客様は心を動かされ、信頼し、日野さんに大切な知人友人を紹介するのでしょう。「この人なら大丈夫」そんな安心感が日野さんにはあります。

もちろんフルコミッションの生命保険営業というタフなお仕事で、日野さんが走り続けられるのには、コミットメントは必要不可欠ですが、そのコミットメントすらも「お客様の担当でい続けるため」という思いがあるからこそ。

まさに、プロセールスマンのチカラを見たインタビューでした。

 

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(次回もお楽しみに。毎月1回、第4月曜に更新します) =ーー

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TOOLS 13   自分を好きになるリフレーミング
TOOLS 19   後悔しない道の選び方(前編)
TOOLS 20  後悔しない道の選び方(後編)
 

舛廣さんってどんな人?

PEOPLE 04 舛廣純子(キャリアカウンセラー)
就職は子育ての最終章。就活生の親に読んで欲しい本を出版

 


舛廣純子

舛廣純子

ますひろ じゅんこ フリーランスキャリアカウンセラー。1972年、東京都出身。日本女子大学人間社会学部文化学科卒業後、化粧品商社に営業職として入社。会社の民事再生、自身の出産・育児を機に2 回の転職を経験。自らの転職経験からキャリア支援に関心を持つようになり、社会保険労務士、キャリアカウンセラーの資格を取得。2007 年、キャリアカウンセラー・講師として独立。大学生の就職支援・キャリア教育、社会人の転職支援・キャリア形成支援を中心に活動。支援学生の高い就職率とわかりやすいセミナーには定評がある。特技は長所探し。2013年12月に学研教育出版から『就活生に親が言ってはいけない言葉 言ってあげたい言葉』を出版。ブログ:http://ameblo.jp/shuukatsumamanoblog/