
TOOLS 126 大切な人との別れから再び歩き出すには / 新留 穏香(生き方探究家・薬学博士)
物たちが、背中を押してくれる。5年かかって、夫の物は「段ボール1箱分」の量になった。私の中の「夫の容量」が減っていくようで、すこし悲しい気持ちになる。でも、全ての記憶は刻まれている。きっと70年後には、天国で思い出話をするだろう。あと70年の間は、地球での暮らしを楽しんでみよう。「次なる未知の世界を見に行きたい!」と無意識に思ったタイミングで、断捨離したくなるのかもしれない。ひとつひとつの物と向き合い、思い出と向き合い、自分の心と向き合う。