スポールボーイズ 【最終話】 僕が『スポールボーイズ』に感じた未来 / 森川寛信
この10年間ずっと回ることがなかった歯車。押せども引けどもついに僕には回すことができなかった歯車が、ゆっくりだがたしかに回っていくのを感じた。「自分が辞めたらこのスポーツは日本からなくなってしまうのではないか」そんな危機…
この10年間ずっと回ることがなかった歯車。押せども引けどもついに僕には回すことができなかった歯車が、ゆっくりだがたしかに回っていくのを感じた。「自分が辞めたらこのスポーツは日本からなくなってしまうのではないか」そんな危機…
僕らの世代でようやくベスト10というのを何度か達成し、ベスト8入賞を極めて現実的な達成目標として公言できるようになった。その目標もそろそろ次の世代に引き継がれるべきなのだろう。世代交代がうまくできない限りベスト8はまた絵…
すべてが中途半端だった。40歳をすぎたいま、このまま老いていくのは嫌だと拒絶反応を示している。「これは人生のラストチャンスだ」ソフトボールは命の次に好きだったかもしれない。それも10年近く前に家庭の事情で断念してきた過去…
「なんて、美しいんだ」彼らの投球フォームは、軽やかなリズムを刻み、心地よい衝突音を奏でて、次々と僕らのボールを弾いていく。試合中の僕らにとってクロアチアは、何度ボールをビュットに近づけたってほぼ100%の確率でことごとく…
「どんな分野でもいいから、世界一になりたかった」いまさら人に言うのは少し恥ずかしいのだけれど、これが僕が10年前にスポールブールを始めた本当の理由だ。いつか「何者か」になりたいと想う若者は多い、僕もその一人だった。 連…