「よし、行くよ!」レンの手を掴んで目の前に止まったバス目がけてダッシュした。勢い良く、なんとかバスに乗れたものの、車内はもちろんぎゅうぎゅう詰め。私はレンの顏がどこにあるかも見えなくなってしまったけれど、はぐれないように、手だけは絶対離すまいとしっかりと握っていた。
連載「旅って面白いの?」とは 【毎週水曜更新】 世界一周中の小林圭子さんの旅を通じて生き方を考える、現在進行形の体験エッセイ。大企業「楽天」を辞め、憧れの世界一周に飛び出した。しかし、待っていたのは「あれ? 意外に楽しくない…」期待はずれな現実。アラサー新米バックパッカーの2年間ひとり世界一周。がんばれ、小林けいちゃん! はたして彼女は世界の人々との出会いを通して、旅や人生の楽しみ方に気づいていくことができるのか。 |
第26話 たったひとつの出会いがその国のイメージを決めてしまうということ 〈中国〉
TEXT & PHOTO 小林圭子
早起きして出かけるはずがまさかの寝坊!?
こののんびりが一日の全てを暗示していた…
ーーー
朝、寒さで目が覚めた。時計を見ると、5時50分。6時に目覚ましをセットしていたから、ちょうど良い時間。本当は寒くてベッドから出たくなかったけれど、隣りで寝ているレンとヤーウェンが6時半に起きると言っていたので、2人より30分早く起きることにしていた私は嫌でも起きなきゃいけない。と言うのも、前の晩、シャワーが途中で冷水になってしまい、さすがにそれを浴びると凍死すると思って断念、翌朝起きてからシャワーを浴びることにしていたから。2人を起こさないように、そーっと身支度を始める。
6時半、レンがセットしていた目覚ましが鳴り始める。2人とも起きるかな、と思ったけれど、目覚ましを止めただけで起きる気配はない。ま、いっか。もう少し寝かせといてあげよう。
7時、まだ起きてこない…。私は完全に身支度が終わって、準備万端、いつでも出かけられる状態になっていた。「開場時間前からみんな並ぶから、私たちも明日は頑張って早起きしようね! 」なんて言っていたのに、この2人、どうやら朝が弱いらしい…。もう少し寝かせといてあげようか… と思ったけれど、後で、「なんでもっと早く起こしてくれなかったの!? 」と言われても困るので、そろっと声をかけてみた。
「グッドモーニング!」
私の声で2人がハッとしたように飛び起きる。かと思えば、特に急ぐ様子もなく、
「あぁ、ケイコ、おはよう。早いね」
と…。昨日と変わらない穏やかな感じで2人の朝は始まった。この2人、どうやらのんびり屋さんらしい…。私たち、この時点で他の観光客から早くも遅れをとっているけれど、ま、いっか。のんびり行こう(笑)。
広い園内はバスを駆使してまわります!
乗り遅れないように、手をつないでダッシュ!
九寨溝は入り口から最奥部まで片道30km以上と、そのエリアはとても広い。歩いて見てまわれないことはないんだろうけれど、途中、なかなかの山道になっているところがあり、最高地点は標高約3100mにも及び、また、入り口から一番近い景観ポイントでも徒歩で1時間半くらいはかかってしまうので、観光客のほとんどが園内をバスと徒歩を組み合わせてまわる。入場料220元(約4400円)に、バスの1日フリーパス乗車券が90元(約1800円)と結構高くついてしまうけれど、そこはケチケチしていられない。うまくバスを使えば、1日で全ての景観ポイントを見てまわれるのだから。
というわけで、私たちもチケットセンターで入場チケットとフリーパス乗車券を購入し、入り口ゲートに並ぶ。既にものすごい人でごった返していたけれど、何台ものバスが次々にやってきて、乗客を流れ作業のように運んでいくものだから、意外にスムーズに人の列は流れていった。にも関わらず、順番抜かしはお得意の中国人。「そんなに押さなくてもすぐ順番まわってくるから!」と叫びたくなるくらい、後ろからぎゅうぎゅう押される、押される…。気の弱い日本人が1人とのんびり屋さんの中国人が2人。これはまずい。負けてはいられない。
「よし、行くよ!」
私はレンの手を掴んで目の前に止まったバス目がけてダッシュした。勢い良く、なんとかバスに乗れたものの、車内はもちろんぎゅうぎゅう詰め。私はレンの顏がどこにあるかも見えなくなってしまったけれど、はぐれないように、手だけは絶対離すまいとしっかりと握っていた。
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まさか初っ端からはぐれちゃうなんて…
ヤーウェン、どこに行っちゃったのー!?
バスが発車して約15分後、入り口から一番近い景観ポイントで停車、乗客全員がそこで降りる。「ふぃ~、やれやれ」と、私たちもそこで降りた。レンとつないでいた手が汗だくになっていた。「さて、観光するぞーっ! 」と思ったのも束の間、あることに気がつく。
「あれ、ヤーウェンは?」
「知らない」
え!? 知らないって!? てっきりレンの後ろについて来ているものだとばっかり思っていたのに、どうやらバスに乗り損ねたらしい…。ヤーウェンは背が低く小柄なので、バスに乗っていないことにも気がつかなかった。なんと…。
「大丈夫だよ。次のバスで来るはず。ちょっとここで待ってましょ」
どこまでもおおらかなレン…。まぁ、そうだよね、次のバスで来るよね。とりあえず、私たちはそこで写真を撮ったり、おしゃべりしたりしながら、のんきにヤーウェンを待っていた。だけど、10分経っても、20分経っても、30分経っても、彼女は現れない。さすがにおかしい。
「ねぇ、ヤーウェン、今、どこにいるんだろ…?」
「うーん、ちょっと電話してみるね」
「!!!」
電話! そうだよね、レンたちは中国人だもんね、普通に国内で使える携帯電話持ってるよね! なんで今まで掛けなかったのー! と思わず突っ込まずにはいられない、レンの度を超えたおおらかさ…。
「なんかバスの中にいるみたいだけど、どこを走ってるかわからないって… 」
実は九寨溝の中にはいろんな行き先のバスが走っている。私とレンが乗ったのは、入り口から一番近い景観ポイントまでの、距離が一番短いバス。他に、園内はY字状のルートになっているので、その右手奥「原始森林」まで行くバスや、逆側の左手奥「長海」まで行くバス、Y字状の交点である「諾日朗瀑布」行きのバス、などなど。どうやらヤーウェンは一番奥まで行ってしまうバスに間違えて乗ってしまったらしい…。そりゃ、待っても待っても来ないわけだ。そして、ここからしばらく私たちのすれ違いは続くことになる。
レンが贈ってくれた言葉に感動
『清秀』な人になれるように精進します
仕方ないので、私たちは先にレンとヤーウェンが今晩泊まる予定の宿にチェックインしに行くことに。宿は私たちがいた場所から歩いてすぐのところにある、チベット族の集落「九寨溝民俗文化村」の中にあった。そこには何軒かお土産物屋さんもあったりして、その独特の雰囲気は、チベット文化を色濃く反映していた。
レンたちが予約していた宿はとても簡素で、部屋にはベッドが2台置いてあるだけ。部屋の外に和式のような中国式トイレがあり、シャワーも無いようなところだったけれど、実際にチベット族の人たちが生活している家でもあり、そんなところに宿泊できるなんて、なんだか羨ましく感じられた。もしまたこの九寨溝に来ることがあれば、その時は絶対この宿に泊まろうと密かに決意して、文化村を後にした。
さて、宿に荷物も置けたことだし、再びバスの停留所に戻って、ヤーウェンを待つ。彼女は今どこにいるんだろう…。ちゃんとこっちに向かって来れてるのかな…。そんな私の心配をよそに、レンは私に笑顔で言う。
「そうだ、今、時間あるし、ケイコが必要そうな中国語、今のうちに紙に書いといてあげるね!これを見せれば、一人でちゃんと成都まで帰れると思うから」
と、『バス乗り場はどこですか?』『タクシー代はいくらですか?』『国際空港まで行ってください』などなど、私が中国滞在中に使えそうなフレーズをいくつか書いてくれた。相変わらず、優しくて気が利くレン。
「それから、これはケイコのことを表した中国の言葉よ。戻ったら意味を調べてみてね。実はこの言葉、中国語でたくさんの意味があるんだけど、まぁ、どれも良い意味だから大丈夫(笑)」
と、『清秀』と最後に付け加えて、その紙を私に手渡してくれた。中国語の細かいニュアンスまではわからないけれど、同じ漢字を用いる文化を持つ日本人の私にとって、『清秀』がどれくらい良い意味を持っているか、ということくらいはさすがにわかる。昨日から私はレンに助けてもらったり、いろいろ良くしてもらったり、本当にお世話になりっぱなしで、むしろ厄介者扱いされても不思議じゃないのに、まさかこんなに素敵な言葉を贈ってもらえるなんて…。それだけで涙もろい私は胸がジーンとしてしまった。『清秀』はむしろレンのことを言ってるよ… 心からそう思った。
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レンと2人でちょっくら登山
やっぱり自然の中に身を置くのは気持ち良いー!!
ヤーウェンとはぐれて2時間が経過…。って、なんで同じ園内にいて、お互い携帯電話を持っているのに、うまく待ち合わせができないんだろう…(苦笑)。そう、うすうす気がついていたけれど、レンとヤーウェン、この2人、どうやら揃いも揃って天然らしいー!!(笑)これは落ち合うのにまだまだ時間がかかりそうだ… と、1人で心細くしているだろうヤーウェンに少し同情する。
「ケイコ、山に登るのは好き? 私、休みの日によく登山に行ったりするのよ。ヤーウェンはあんまり登山は好きじゃないから、今のうちに2人でちょっと高いところに登って森林浴でもしに行きましょ! 心配しないで、ケイコに合わせてゆっくり登るから」
おいおい… 私の心配より、ヤーウェンは放っておいて良いのかい…(苦笑)。
「ヤーウェンは今どこにいるの? 大丈夫? 」
「うまく連絡が取れないから、どこにいるかわからないの。でもきっと大丈夫。さ、行きましょ」
確かに、じっと待っているのも寒いので、少し歩いて身体を温めたい。私たちはレンの言うとおり、またバスに乗って少し奥の方に進み、ヤーウェンを待ちがてら、山を登ることにした。
レンはよく登山に行く、という言葉通り、山のことに詳しい。木の名前、花の名前、鳥の名前などなど、たくさんのことを教えてくれた。
「空気がヒンヤリしてて気持ち良いね」
「山の緑は、目にも良いし、空気がキレイだから身体にも良いし、リラックス効果があるから心にも良いし、人間にとって良いことだらけだよね」
本当に、レンの言う通り。私たちは五感全てを使って自然のパワーを感じ取っていた。
4時間経ってようやく合流
どうなることかと思ったけれど
会えて本当に良かったよ…
お昼近くになって、少しおなかが空いてきた。Y字状の交点、「諾日朗瀑布」には観光センターがあり、レストランや軽食コーナー、売店などがある。そこに行って、お昼を食べようということに。
「ヤーウェンともそこで会えそうよ」
と嬉しそうなレン。…ってゆーか、はじめからそこで待ち合わせしたら早かったんじゃ… とは敢えて口にはしなかった(苦笑)。そして、12時すぎ。ヤーウェンとはぐれて約4時間が経とうとしていたけれど、そこでようやく、本当にようやく、彼女と再会。
「あっ、ヤーウェンだ! 」
いやー、長かった。私ですら、その4時間は本当に長く感じられたので、1人で(おそらく)右往左往していたヤーウェンにとっては、その3倍は長く感じられたに違いない。
「ヤーウェン、大丈夫だった? 今までどこで何してたの? 」
彼女は半泣きになっていた。私たちを見るや否や、少しふて腐れているようにも、ホッとしたようにも見えて、なんだか複雑な表情をしていた。そりゃそうだよね。ほったらかしにして、ごめんよ、ヤーウェン…(笑)。
というわけで、3人で前夜に買っておいたカップラーメンにお湯をもらってきて食べ(レストランも売店も高いので… 涙)、いよいよ午後から本格的に観光を開始! とは言え、この広い園内、さすがにもう全てを回りきるのは時間的にどう考えても難しい。私たちは絶対見たい景観ポイントに絞って、サクサクと効率よく動いて行った。これまで、のんびりとマイペースに動いていた2人のまさかのシャキシャキぶりに驚く私。すっかり天然のイメージばかりが強くなっていたけれど、こんなに素早く動くこともできるんじゃーん!!(笑)
ハプニングだらけでも大満足
最後に残ったのは晴れやかな気持ち
美しい蒼色の湖の前で写真を撮ったり、記念撮影をしている花婿さんと花嫁さんの微笑ましい姿をうっとり眺めたり、ベンチに座ってクッキーを食べたりしていると、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
夕方5時をまわるとだんだん空が薄暗くなり、気温も更に低くなった。それに伴い、帰り始める人が増え、園内は徐々に静けさを増していった。九寨溝内の文化村に宿を取っているレンたち。九寨溝の外のユースホステルを予約している私。そろそろ別れの時間が近づいていた。
私たちは朝、寝坊して出遅れたり、午前中はヤーウェンが迷子だったりと、いろいろハプニングもあって、園内を全て回りきることはできなかった。もし、これが私ひとりだったら、たぶん、効率的にうまくバスを使って、全ての景観ポイントを回って、キレイな写真をバシバシ撮ることができていたかもしれない。
だけど、そんなことは全く気にならなかった。それ以上に、もっと素敵な時間を過ごせた。私はこの2人と出会えて、2日間一緒にいられて、お互い上手じゃない英語を使ってたくさん話ができて、それだけでとても満足だった。レンは九寨溝についてバスの中で流れる中国語のアナウンスを、英語で通訳してくれたり、彼女が知っていることをいろいろ教えてくれたりした。そんな彼女の気遣いがとても嬉しかった。
私たちはバスの停留所で抱き合い、お互い「ありがとう。気をつけてね。またね」と言って笑顔で別れた。私は名残惜しさと寂しさを感じつつも、翌日、晴れやかな気持ちで、また長距離バスに乗って、ひとり、成都に戻った。
素敵な出会いは思い出を色鮮やかに蘇らせてくれる
勇気を出して中国に行って本当に良かったよ
旅は誰に出会って、どんな時間を過ごすかによって、大きく印象が変わる。美味しい料理も、1人で食べるとそれほど美味しく感じられなかったり、逆に友人や家族、仲間と食べると2倍も3倍も美味しく感じられたり。見る景色だって、どんなに美しい景色も1人だとその感動を誰とも共有することができず、むしろ寂しい想いをすることもあるけれど、隣りに誰かがいてくれるだけで、「あぁ、やっぱりここに来て良かったな」としみじみその感動を噛み締めることができる。出会いって不思議、出会いって大切。
正直、私は中国に入る前、中国の勝手なイメージにビビって、心配して、躊躇して、少し後ろ向きな気持ちがあった。だけど、レンとヤーウェンに出会えたことで、中国の思い出は全て色鮮やかで素敵なものとして脳裏に焼き付いている。「あぁ…、また中国に行きたいな」って思っている。人との出会いはなかなか自分でコントロールすることはできないのかもしれないけれど、きっと「会うべき時に、会うべき人に、会うべくして会う」はずなので、これからも素敵な出会いに恵まれますように…と心から切に願いつつ、自分にとって大切な今回のエピソードを、頭の中の引き出しにそっとしまっている。(了)
【写真でふりかえる 中国 】
(次回もお楽しみに。毎週水曜更新目標です 旅の状況によりズレることもございます… )
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連載バックナンバー
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第2話 旅は準備が一番楽しい。出発までの10ヶ月なにをしたか(2014.10.22)
第3話 ダメでもともと、初めての協賛(2014.11.5)
第4話 出発まで5日。ついに協賛決定!(2014.11.19)
第5話 最初の国の選び方。わたしの世界一周はフィリピンから(2014.12.03)
第6話 カスタマイズ自由が魅力のフィリピン留学(2014.12.17)
第7話 出国していきなりの緊急入院で知った、フィリピン人の優しさと健康に旅を続けていくことの難しさ(2014.12.31)
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小林圭子さんが世界一周に出るまでの話
『一身上の都合』 小林圭子さんの場合「次なるステージへ挑戦するため」(2014.5.19)