ちいさなお店をはじめたこと。~等身大で、自由な働きかた~【第37話】迷ったら、手を動かすこと

ノマディッククラフトヨメのちいさなお店をはじめたこと。そっとしておく時期があり、話し合いもしたり、時にはケンカになったり。様々なプロセスを経て、店主はいまひとつの結論にたどり着いたようです。「答えはすぐに見つからないけど、まずは今作りかけているものを一つひとつ終わらせようと思う」 答えが
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第37話  迷ったら、を動かすこと   

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こんにちは、ノマディックラフト ヨメです。

うちの近くにある桜もキレイに咲き誇り、春の到来を感じている毎日。
今回は物作りの迷い道について、短めのお話をひとつお届けします。


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 大切だけど答えのない疑問は
ときに私たちを動けなくさせる

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ノマディックラフトの扱うアイテムのなかには、少数民族の布や刺繍を用いたリメイク物があります。制作を担当しているのは店主なのですが、最近オリジナルをどう作っていくか考えるうち、ある種のスランプに陥っていました。

リメイクの方法は、いわば無限です。アイデアが湧かないから作れない、というよりは「自分たちがどういう物を作っていくべきなのか」という点についてマジメに悩むうち、何を作ればよいのか迷い道に入ってしまった、というのが近いかもしれません。

何かを作っている人だけでなく、仕事でも家事でも育児でも「本当はどうするべきなのだろう」と考えるあまり、自由に動けなくなることがあるのではないでしょうか。こればかりはネットで検索すれば答えがある、という類いのことではなく、自分自身で何かしらの着地点を見出さなければいけません。店主は、しばらく手が動かせない時期が続いたように思います。
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 考えすぎると動けなくなる
 でも、考える時間も大切 

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単純なヨメは「難しく考えなくてもいいじゃないか」と思うところがあります。店主が作るのだから、どこかしら必ず店主らしいものになるのだし、今までだってそうだったのだから、と。そうなのです、34話でも触れたことがありますが、私たちは根本的に性格の違う夫婦。店主はじっくり考えるタイプなので、こういうときは本当に考え込んでしまうのです。

そっとしておく時期があり、話し合いもしたり、時にはケンカになったり。様々なプロセスを経て、店主はいまひとつの結論にたどり着いたようです。

「答えはすぐに見つからないけど、まずは今作りかけているものを一つひとつ終わらせようと思う」

答えが出ないときは、できることから一つひとつ。そうやって動いてみると、立ち止まって考えていた景色とは違う風景が見えてくるかもしれません。 

チクチクとポケットを縫いつけ、Tシャツのリメイクが進行中。使う物をぜんぶテーブルの上に広げて作業するのは相変わらず(笑)。可愛いものができあがっていく様子はいつ見ても楽しいものです。

チクチクとポケットを縫いつけ、Tシャツのリメイクが進行中。使う物をぜんぶテーブルの上に広げて作業するのは相変わらず(笑)。可愛いものができあがっていく様子はいつ見ても楽しいものです。

とはいえ自分たちの大切にしていることや、どういう物を作るのが喜びなのかなど、じっくり考えて心に向き合うことは、物作りをするうえでとても大切なことです。作っては悩み、悩んでは作って。それを繰り返していくから見えてくることもきっとあるのでしょう。

できたてのTシャツは、今月のイベントにお持ちしますね。 次回もちいさなお店からのお話をお届けしますね。どうぞお楽しみに!

 

(月1回  第4土曜日更新の予定です)    

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 ノマディックラフトのイベント出店情報 

テラデマルシェ
4月7日(土).8日(日)@東京 台東区・宋雲院
上野駅の浅草口から徒歩5分。台東区役所のすぐそばにある風情あるお寺・宋雲院さんで開催される、作家の手仕事を集めた手作り市です。雑貨やアクセサリー、パンや珈琲などのブースが集合します。オムツ替えできるスペースもあるため、小さなお子さま連れのお客様もお気軽にどうぞ。私たちは看板犬のレラと一緒に前庭に出店しています。また、バッグに入れればペットも中に入れます。 
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小野路やまいち ~おのじの山のマーケット~
4月21日(土)@東京 町田市小野路・家具工房KASHO やまの広場
町田市北部に位置する小野路町。緑豊かな山の広場を舞台に、木工や陶芸、食や音楽など様々なジャンルの作り手やアーティストが集まります。木々に包まれた山の広場で音楽が響き、ビールやコーヒー、おいしいフードを片手にのんびり過ごすのは最高の休日です。最寄り駅からはバスでアクセスと、決して便利な場所ではありませんが、わざわざくるのが楽しみになるほど、例年多くの人でにぎわう人気のイベントです。

あおぞらクラフト市 Spring in 水戸
4月28日(土)・29日(日)@茨城 水戸市・水戸芸術館前広場
魅力的な現代アートの展示で知られる、水戸芸術館で開催されるクラフト市。人の営みとともに育てられたクラフト作品の魅力を発信しています。布、皮革、ジュエリー、陶芸など様々な手法によるクラフト作家の共演は見応えも十分。また、水戸芸術館のミュージアムショップも楽しいスポットです。


 連載バックナンバー

第1話 家=店。人が思うよりもずっとちいさな投資でお店をはじめてみた(2015.6.13)
第2話 店から出て人に会う、出会いをつくる。〈イベント出展篇〉(2015.6.26)
第3話 1人2役 × 2。兼業夫婦は不安定? 時間も予定も「自由」のメリット・デメリット(2015.7.11)
第4話 なんで「少数民族の手仕事」? それはやっぱり「好き」だからです(2015.7.25)
第5話 暑さに負けず蚊に負けず。探して洗って、よみがえる古布たち 〈 仕入れ旅篇 〉(2015.8.8)
第6話 どうしてそんなに自由なの!? 現地の人たちと商品を作る(2015.8.22)
第7話 モン族の女性に聞いた、美しい刺繍の裏側にある物語(2015.9.5)
第8話
 小商いでも管理は大切。入るお金、出ていくお金何がある?(2015.9.19)
第9話 ショップカードにネームタグ… 地味だけど重要度は大! お店まわりのこまごま小物(2015.10.3)
第10話 大切さは名前と同じ。自分たちのロゴマークはどう作るか<デザイナー編>(2015.10.17).
第11話 大切さは名前と同じ。自分たちのロゴマークはどう作るか<実践編>(2015.10.31)
第12話 どこまでを手作りと呼ぶ? 手仕事を求める楽しさ、難しさ <買い付け編>(2015.11.14)
第13話 お客様との新たなつながり。看板犬レラが教えてくれたこと。(2015.11.28)
第14話 美しいものよ、輝け!お母さんとの約束。(2015.12.12)
第15話 生産者さんを訪ねて <鳥の笛ネックレス編(2016.1.14)
第16話 生産者さんを訪ねて <アカ族の村編(2016.1.30)
第17話 始まった… 年に一度の確定申告(2016.2.13)
第18話 手仕事は同じじゃないから美しい~『ORDINARY』とコラボグッズを作ったこと(2016.3.11)
第19話 生産者さんを訪ねて<カレン族の村編>(2016.5.21)
第20話 生産者さんを訪ねて<ラフ族の村編>(2016.6.18)
第21話 夫婦で働きながら、煮詰まったときにしていること。(2016.7.20)
第22話 おしゃれに見せるって難しい! イベントのディスプレイで四苦八苦。(2016.8.26).
第23話 ちいさなお店がイベントに出ることQ&A ≪前編≫(2016.8.26)
第24話 ちいさなお店がイベントに出ることQ&A ≪後編≫(2016.11.26)
第25話 ちいさなお店がイベントに出た1年を振りかえる(2016.12.24)
第26話 ちいさなお店の海外買い付け① 買い付け方法と情報集め(2017.01.30)
第27話 ちいさなお店の海外買い付け②航空券の準備 (2017.02.28)
第28話 ちいさなお店の海外買い付け③スケジュール決め&宿探しのパズル (2017.03.31)
第29話 ちいさなお店の海外買い付け④アイテム探しと値段交渉 (2017.04.30)
第30話 ちいさなお店の海外買い付け⑤価格はどう設定するか(2017.06.05)
第31話 寝台特急は楽しい出会いの宝庫(2017.06.25)
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第32話 オリジナル商品ってどう作るの?(2017.07.29)
第33話 成長し続けていくために考えること(2017.09.30)
第34話 ちいさなお店の意見の違い、どう乗越える?(2017.11.04) . 
第35話 安定している時期だからこそ、未来に種をまくこと(2018.1.09)
第36
 イベント成功のカギは、出店前後の「イメージトレーニング」にあり?(2018.1.27) .
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オーディナリー編集部がノマディックラフト参加の展示会を観に行った話

【レポート】遠い国の伝統的な手仕事がいっぱい!  

【関連サイト】
ノマディックラフト ウェブサイト http://nomadicraft.com/
ノマディックラフト 店主ブログ http://blog.shop.nomadicraft.com/
ノマディックラフト Facebook https://www.facebook.com/nomadicraft
木内アキ(ライターとしての仕事) ウェブサイト http://take-root.jp/

 


ノマディックラフト ヨメ

ノマディックラフト ヨメ

自然・旅・民族をテーマに、タイ、ベトナム、ラオスの山岳地帯に住む少数民族の手仕事を扱う、西小山のアトリエショップ『nomadicraft』を店主であるダンナとともに運営。母から子へ、脈々と受け継がれてきた素朴で美しい手仕事を紹介しながら、作り手である女性たちに仕事の機会を提供し、貧困の和を断ち切るための支援も行っている。ふだんはフリーランスのライター・木内アキとして「女性にまつわる人・旅・暮らし」をキーワードに、雑誌や書籍を中心に執筆活動中。目標は「キチンとした自由人」。 ノマディックラフト 店主ブログ http://blog.shop.nomadicraft.com/ 木内アキ ウェブサイト http://take-root.jp/