舛廣純子が聞く「しなキャリ図鑑」 【第14話】 子育て女性キャリア支援起業家のチカラ / 谷平優美さんの場合

masuhirojunko_long_banner娘を認可保育園に入れることができず、割に合わない理不尽さを感じました。「満足できそうなやりがい」×「求めていた働き方」には探しても出会えず、まだまだ働きたい女性を取り巻く環境が遅れていることを痛感しました。ならば自分から女性がしなやかに家族も仕事も両方大切にしながら変化し続けられる社会
連載「しなキャリ図鑑」とは  【毎月2回更新 / 第2第4月曜】
「しなやかに生きる人のためのキャリア図鑑」の略称。キャリアカウンセラー舛廣純子が、イキイキと働く仕事人にインタビューし、その仕事に大切なチカラを中心にキャリア・仕事そのものも掘り下げます。10年後の未来に自分がどんな風に仕事をしているのかも見えづらくなった今の時代。インタビューを読むことで、自分の持っている力にも気づいたり、したことのない仕事に興味を持ったり、これから伸ばしたい自分の力を見つけられたなら、あなたの仕事人生も変化に対してさらに強くてしなやかなものになっていくかもしれません。

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第14話   子育て女性キャリア支援起業家のチカラ
使命感とスピード推進で多くの人を巻き込み、成し遂げる

TEXT : 舛廣 純子


谷平優美 (たにひら ゆみ) 子育て女性キャリア支援起業家 早稲田大学商学部卒業後、総合人材サービス会社で新規事業立上げ・執行役員を経て、株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。WEB企画・マーケティング、法人営業を経てフリーに。若者向け就職講座やキャリアカウンセリングに従事。計10年転職支援・キャリア教育に関わる中で、自身の経験から、「日本の女性の出産後の就業・育児環境を改善したい」 「ママと子どもの教育から日本の人材育成に関わりたい」という思いが強まり、2012年ママ支援活動を開始。教育やはたらくを軸にママと企業をつなげるべく株式会社ママハピを創業。教えてくれた人
谷平 優美(たにひら ゆみ) 子育て女性キャリア支援起業家

早稲田大学商学部卒業後、総合人材サービス会社で新規事業立上げ・執行役員を経て、株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。WEB企画・マーケティング、法人営業を経てフリーに。若者向け就職講座やキャリアカウンセリングに従事。計10年転職支援・キャリア教育に関わる中で、自身の経験から、「日本の女性の出産後の就業・育児環境を改善したい」 「ママと子どもの教育から日本の人材育成に関わりたい」という思いが強まり、2012年ママ支援活動を開始。教育やはたらくを軸にママと企業をつなげるべく株式会社ママハピを創業し、女性のためのお仕事発見サイト「ママハピWork」を運営。

 

 

 

<子育て女性キャリア支援起業家に大切な能力は何ですか?>

 

1. 使命感     課題解決力、実行力、行動持続力

社会的な問題への問題意識や使命感みたいなものがないと大変なことを乗り越えることはできませんでした。お金のためだけだったら、まずやらない仕事だと思います。私は自分がやる仕事が、自分の関心のある社会的問題の解決につながっていることが重要なタイプなもので、自分がやりたいと思える分野だからこそ、困難があっても乗り越えるエンジンになっています。やると決めた以上、嫌いとか自分らしくないとかできないとか言ってられないわけですから、無我夢中で走りました。今思うと、すごい馬力だったなと思います。
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2. スピード推進     行動力 効率性

仕事をする上で、当たり前のビジネスマナーに加え、レスポンスの速さは心がけていますし、この人だったら任せられると信頼して頂けるような対応は大事にしています。レスポンスの速さは相手にストレスをかけない心配りだとも考えています。

人より何倍も忙しい人ほどレスポンスとタスクスピードが速いのを見てきました。そういう人しか見てこなかったので、もちろんリスクも考えますが決めたらすぐやる、だらだらせずどんどん判断し、形にしていくというのはしみついています。でもだからこそ、普通ではできないものを形にすることができています。会社創業期はそれぐらいでないと成り立たないのかもしれません。

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3. 巻き込み力 プレゼンテーション能力、説得力、交渉力

時に熟考は大事ですが、走りながら人を巻き込む力はあるほうかと思います。先日開催した「ママが働きやすい企業(現 ウーマンエンパワー賛同企業)」というアワード交流会イベントでも、少し強引かなとも思いましたが、積極的に企業様にお声がけしたところ、来て下さった企業様から「とても勉強になった」「よかった」と言って頂き、社内報に載せて頂いたり、最終的には喜んで頂くことができました。また参加企業様のアンケートをもとに内閣府に提言をするなど、社会的な意義もありますし、ネガティブ要素ばかり気にしていたら、多分やり遂げられなかったとも思います。

イベントを始めた頃も、実績も何もないところに、想い一つでメリットをプレゼンし企業様に協賛して頂きました。できない、できないと思っていたら一生形にならないものをともかく思い切り突っ走り、人を巻き込み、形にしました。プロジェクトメンバーも社員を雇えない時期は近くにいた人を「ちょっとやらない?」と巻き込んできました。もともと性善説で人を見ているところがあるので、その人ができると思ったら、割とそれを信じてお任せしてしまうところもありますし、いい意味での強引さはあるほうかと思っています。
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オフィス執務室にて、スタッフの皆さんと。 使命感にあふれた力強い言葉と迅速な行動・対応、そして温かい人柄。 そばにいたら、巻き込まれるのも無理はない。

オフィス執務室にて、スタッフの皆さんと。使命感にあふれた力強い言葉と迅速な行動・対応、そして温かい人柄。そばにいたら、巻き込まれるのも無理はない。

 

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<なぜ子育て女性キャリア支援起業家になったのですか?>

 

新卒で、大手総合人材サービス会社に就職しました。自分が就職活動の時に、何をやりたいのかわからず、悩んだからこそ、人のキャリアや職業選択、生き方というものにものすごく興味を持つようになりました。また、当時の人材業界の成長性と社会的意義に惹かれ、雇用創出に関わりたいという思いもありました。

子会社の経営企画室配属でしたが、最初は庶務や苦手なシステム周りの仕事で、人事に不満を訴えたり、転職も考えました。でも、経験のない第二新卒では転職しても、面白い仕事に就けるわけもなく、自分のできることをやるしかないなと思い留まり、できることから始めました。キャリアカウンセラーと営業の間を取り持つような場を作ったり、全国の支店の「本社の考えていることがよくわからない」という声を社内報作りにつなげたり、色々やりました。そんな当時の私のありあまるエネルギーを見て、応援して下さる方がいたり、ちょうど当時女性活躍の走りみたいなタイミングでもあり、社内で新事業を独立させた際、新会社の執行役員に引っ張り上げて頂きました。

「最年少24歳の執行役員」という名目で当時は取材などもして頂きましたが、24歳の私には当然スキルがあるわけでもなく、経験者の中間管理職もいない、何もないところからの本当に過酷な立ち上げでした。大変なことだらけでしたが、一方で決まったことを淡々と行う仕事より、想いを形にしていく仕事の方が好きなことも実感しました。また、仕事の当たり前レベルの高いベンチャー経営者の方とのたくさんの出会いも大きな収穫でした。でも正直、実力に伴った地に足がついた仕事ができていない、そんな悩みがあったのも事実です。

そのため、2社目のリクルートへの転職後は、優秀な人材の中で、地に足についた形で学ばせてもらえたことが、何よりも自分の財産になりました。一番良かったのは、皆が社会に価値を提供しようと真剣に考え、やり切る文化の中で、常に自分の出す価値と数字に向き合い、仕事の当たり前レベルをひき上げる経験ができたことです。1社目と2社目のキャリアの順番は正直逆が良かったですが、苦手意識しかなかった営業も、リクルートで一日100件心が無になるまで、新規電話営業をしたことで、いつの間にか苦手ではなくなり、メンタルも強くなりました。お客様にも育てて頂きました。ここでの経験が、起業後の自分のチカラにもなっているから不思議です。「苦手だと思い込んで、やらないのはもったいない」-実感を込めて人に伝えたい言葉です。

7年間企業で転職支援に携わり、独立後、フリーでペースダウンしながらも妊娠・出産して、活動の幅を徐々に広げたかったのですが、娘を認可保育園に入れることができず、割に合わない理不尽さを感じました。「満足できそうなやりがい」×「求めていた働き方」には探しても出会えず、まだまだ働きたい女性を取り巻く環境が遅れていることを痛感しました。ならば、自分から女性がしなやかに家族も仕事も両方大切にしながら、変化し続けられる社会に向け、できることをやろうと、「船橋ワーキングマザーの会」という市民活動を始めました。でも、市民活動のままでは、やはり自分が本当に発信していきたいことで信用を得たり、社会的なインパクトにしていくのは難しいかもしれないとも思うようになり、経営歴の長い夫の公私両面での応援もあり、子供が2歳の時に別団体のママハピとして法人化しました。

本当はキャリア支援を最初からやりたかったのですが、まだ時代的に事業を成り立たせるのは難しいと考え、いったんママイベント事業を運用に乗せつつ、たくさんの会員の方と出会いながら、やれることからやってきました。おかげさまで、イベントでつながった会員の方は4年で1万人以上。そのネットワークを活用して、企業のプロモーションやマーケティングをお手伝いする事業にも繋げ、子供を対象とした教育事業もやるようになりました。そしてようやくここ1、2年「働く」の支援にも力を入れられるようになり、ママハピWorkというマッチングサイトを立ち上げたり、主婦向けおしごとフェアやイベントを大手企業ともコラボレーションし、実施できるようになってきました。

今期で5期目にようやく突入し、今はその4つの柱で事業を成り立たせています。BtoBで企業様のお役に立つサービスをし、そこで収益を上げながら、ママ支援を無料もしくは低料金で行う、そしてそのママ支援で得た情報やネットワークをまた企業様に還元するビジネスモデルで、今後は「働く」の領域をもっと強めていきたいという思いはあります。

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会員1万人超。満足度の高さと安定運用に、ママからだけでなく企業からも「イベントと言えばママハピ」と言われるまでに。次は「ママのキャリアと言えばママハピ」を目指す

会員1万人超。満足度の高さと安定運用に、ママからだけでなく企業からも「イベントと言えばママハピ」と言われるまでに。次は「ママのキャリアと言えばママハピ」を目指す

 

<子育て女性キャリア支援起業家とはどんな仕事?>

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小さな会社のプレイング経営者なので、経営雑務や税務法務からイベント、プロモーション、求人サイト運営の実務(事務から接客・営業まで)から研修・講演までかなり幅広くこなしています。中でも、得意領域の推進、執行、折衝、広報、周囲を巻き込みながらの形作りに、私はウエイトはおき、役員である主人が財務や戦略に強く、フォローしてもらったり、社内の運用は優秀なスタッフたちに担ってもらっています。

ママ支援会社ですから、子育て中でも働ける環境は大事にしていますが、コミット意識の高いスピード感のあるスタッフに支えてもらわないと弊社のような会社はまわりません。だからこそ採用や教育もとても大切な仕事だと考えています。
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<一日の仕事スケジュールは?>


7:00    
子供を起こし、朝食を作る(余裕があればPCで資料作成やメール処理をすることも)
8:30-9:00   
保育園に子供を送っていく
9:30-16:00    営業で企業訪問(1₋2件/日)もしくは、オフィスでの来客対応を中心に隙間時間でメール返信や資料作成、社内打合せ等を行う。
17:00-18:00    子供のお迎え。帰宅後夕食作り、お風呂、歯磨などの子供のケア。急ぎの仕事があればPC・電話対応することも。
21:30-22:00    寝かしつけ。最近は一緒に寝てしまうことが多い。リモートワーク中心だったものからオフィス出勤スタイルに社内体制を変更したのと優秀な社員が戻ってきてくれたので自宅で仕事しなければならないことはかなり減りました。

 


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<仕事のやりがいや面白みはどんなことですか?>


ある程度仕組みの出来上がった大企業で大きなリソースを大きな規模で動かすことよりも、小さくても自分の想いをスピーディに形にしていけることが私にとってはやりがいです。大企業だと場合によっては決裁を経て形にするのに何年越しかの事業もありますから。

企業様から満足して頂けたり、地域同士のコラボレーションが生み出せたり、ママハピを通じて就職された方とか、企業・社会との橋渡しができているのを見ることができたときはもちろん嬉しいです。

 

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<もっとも嬉しかった経験はどんなことですか?>

サークル団体から始めてママ会員1万人を突破し、5期目を迎えられただけで本当に有難いと思います。具体的な部分だと対企業様では「あなたの持ってくる話はうち全部やるから」「ママハピの仕事は安定している」と担当の方が信頼の言葉を寄せて下さったり、満足して頂けるのはすごく嬉しいです。そのために、年間15回開催しているイベントでも企業様の費用対効果を意識した運営や、安定的な運営、そのためのスキーム作りというのは大事にしていますし、質を担保するためにコストはかかっても社内スタッフによる運営を大事にしています。試行錯誤でゼロから立ち上げてきているので、価値を出せていると思えるようなお声を頂けたときはとても嬉しく思います。

また、ママ会員の方から「ママハピと出会って一歩踏み出せた、人生変わった」「素晴らしい出会いがあった」など感謝の言葉を聞けた時は苦労してやってきて良かったと心から思います。あるママ会員の方はママハピの地域サロンに参加されたあと、ご自分でアクセサリーサロンを始められ、メディアから取材も受け、今すごく生き生きとお仕事されているのです。その方が「ママハピのサロンに出会わなかったら一歩踏み出せなかった」と今は後に続く人たちのために、そのサロンの主催者としても活動して下さっています。そういう連鎖もとても嬉しいことです。
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<逆に今まででもっとも大変だった経験や辛かった経験は?>

サークルから始め、今考えると恐ろしいことですが家計みたいな資本から起業しました。大企業にいたころと予算が2-3桁違い、人材もいない、投資もできない、システムもツールない、本当に何もないところからのスタートでした。小予算独立資本は、自由度は高いけれど立ち上げは本当にもどかしい日々です。だから決断は早くともやりたいことをやるまでに時間がかかる。私がビジョンのためにやりたい仕事はまだあまりできていない。スピード推進の私には今でもそこはストレスが多い部分ではあります。

また、今は妊娠中ですし、社員が育ってきたので、就寝時間は早いですが、創業して2-3年目ぐらいまでは、子供を寝かしつけてから2時3時まで仕事をしていた日々も。お迎えに間に合うように仕事をし、帰ってきて、家事育児、家でパソコンばかりいじっていて、家族にも迷惑もかけた時期もありました。素敵な家事育児との両立などしてません(笑)。

今も家事は「最低限死なない程度にやる」という状況で家電に頑張ってもらっていますが、子供に愛情だけは伝えるようにしています。でもそこに罪悪感を感じていたら、本当に何かを成し遂げることなどできないですし、逆に中途半端は家族に申し訳ない。何かを実現しようと思ったら、どこかでガツンとやらないといけない時期はあります。しんどい時期は短いに越したことはないので、だらだらゆるくやりたくない。創業期は確かに大変でしたが、覚悟を持って臨んだこと、腹をくくって挑んでいったからこそ、今はだいぶ落ち着きました。
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創業当初はツールもなく、すべてが手作り。 一つ一つこの5年間思いを込めて、作り上げてきた。

創業当初はツールもなく、すべてが手作り。一つ一つこの5年間思いを込めて、作り上げてきた。

 

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<ママ支援業界の未来はどうなっていくと思いますか?>

今まで以上に子育て女性の「働く」支援を強化し、ママのハッピーなどという社名がなくなるくらい子育て女性の戦力化が当たり前な社会を目指していきたいと考えています。行政イベントの講演や再就職したい女性向けセミナーなどもご依頼が増え、1人でも多くの方に届けたいですし、ママの雇用の創出により大きなインパクトを出していきたいです。

また、「働く」の支援も、単にマッチングサポートだけでなく、ママの働く「意識」の部分にも働きかけられるような啓蒙や教育もできればと思っています。コスト対効果のシビアな世界である企業の採用の場面に、「自己都合や素敵な両立」だけを求めて就職しようとしても、採用側との温度差も大きく、そもそもマッチングも成立しません。採用されるということはプロとして働くということ。限られた時間の中でも効率的に成果を出すことが、ママという立場でも当然求められます。子育て女性向けに期待値調整や会社で働くため、そしてキャリアを築いていくための意識レベルの啓蒙も必要とされていますし、本質的な女性支援だとも考えています。

まだまだ会社としては仕組みも未熟なので、基盤をしっかり安定化させるために、種まきしている事業を含めて抱える4つの事業をそれぞれきちんと育てながら判断していかなくてはなりません。本気でビジョンを成し遂げたいと共に戦ってくれる人材の教育を強化しつつ、自分自身ももっと成長していかないといけないと思います。私にとっては子ども2人(10月に2人目出産予定)と会社は同じ3人兄弟を育てているようなもの。悩み、成長させてもらいながら全部同じように愛をもって向き合っていきたいものです。

ママ支援業界は想いを持って参入する団体はたくさんありますが、事業として構築・継続するのはなかなか難しい業界で、辞められるケースもたくさんあります。今後そういった、色々な団体がやっていることをつなげていく、横串をさせるような動きができれば本当はいいなと思っています。

また、うち一社だと限界があるので、強みを活かしあえる他社とコラボレーションすることで、スケールメリットを出せるやり方ももうちょっと模索したいなと考えています。
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「働く」がテーマの講演やセミナー依頼も増えてきた。本質的な子育て女性支援のためには、プロ意識を持ったママを社会に送り出すための啓もうも重要だ。

「働く」がテーマの講演やセミナー依頼も増えてきた。本質的な子育て女性支援のためには、プロ意識を持ったママを社会に送り出すための啓蒙も重要だ。

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<今の仕事と同じように向いていそうな仕事はありますか?>

経営者秘書ですかね。会社員時代から、スピードが速く多くの人を巻き込みながらの推進力をよく経営者に評価頂いてきました。戦略より推進が向いており、実は裏のサポーターの方が本来好きなのです。あとは、記者・編集者も。文章に情報や考えをまとめて発信するのは好きですし、ある程度得意かなと思っています。

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キャリアカウンセラー舛廣純子の  シゴトのチカラ考察
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いつお会いしてもパワフルな谷平さん。頭の回転が速く、明瞭で意志のある言葉が次から次へと溢れ、話を聴いているそばから「巻き込まれる」―そんな人を惹きつける力のある方です。

キャリアの仕事に関わる人は少なからず世の中の雇用問題や働き方の問題などに対して、問題意識を強く持ち、使命感を持っている人が多いように思いますが、使命感があっても、すべての人が起業をし、従業員を雇い、創業5年目を迎え、1万人超の会員を持つ団体になるまで運営できるわけではありません。何もないところから、何かを生み出し成し遂げる人に必要なチカラ― 谷平さんがあげてくださった「使命感」「スピード推進」「巻き込み力」の3つのチカラはそういうチカラなのだろうと思います。

人より何倍も忙しい人ほどレスポンスとタスクスピードが速いのを見てきました ― これは本当にそうだなと私も思います。「仕事ができるからその人に仕事が集まり忙しくなる」ともよく言いますが、仕事ができる人(何かを実現できる人)というのは、処理能力の高さ、判断の速さだけでなく、相手にストレスをかけない思いやりを持っている、だからこそ信頼される、そして大きい仕事や質の高い仕事を任せてもらえるようになる、その結果さらに仕事のできる人(何かを実現できる人)になっていく、そんな良いスパイラルがあるようにも思いました。

思いやりを持ってのレスの早さ、起業家でなくても大事にしたいものです。

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(次回もお楽しみに。毎月2回、第2第4月曜更新です)
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第13話 建築家のチカラ– 仲村和泰さんの場合(2017.6.12)

 

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舛廣さんってどんな人?

PEOPLE 04 舛廣純子(キャリアカウンセラー)
就職は子育ての最終章。就活生の親に読んで欲しい本を出版

 


舛廣純子

舛廣純子

ますひろ じゅんこ フリーランスキャリアカウンセラー。1972年、東京都出身。日本女子大学人間社会学部文化学科卒業後、化粧品商社に営業職として入社。会社の民事再生、自身の出産・育児を機に2 回の転職を経験。自らの転職経験からキャリア支援に関心を持つようになり、社会保険労務士、キャリアカウンセラーの資格を取得。2007 年、キャリアカウンセラー・講師として独立。大学生の就職支援・キャリア教育、社会人の転職支援・キャリア形成支援を中心に活動。支援学生の高い就職率とわかりやすいセミナーには定評がある。特技は長所探し。2013年12月に学研教育出版から『就活生に親が言ってはいけない言葉 言ってあげたい言葉』を出版。ブログ:http://ameblo.jp/shuukatsumamanoblog/