ふろしきの資格が欲しい、ふろしきを学びたいと思った時のは、長女が生後10ヶ月の時でした。夫の転勤先である札幌に、赤ちゃんを預けられる祖父母はいませんので、自分で連れていくしかありません。京都で講座を受けるとなると、日帰りは難しく泊まりがけになります。0歳児
資格は取るより作ればよいという提案
智田さくら ( 風呂敷ライフプランナー )
自由に生きるために
まずは教えはじめよう
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「日本人はみんな資格が好き。なんで?」
以前、アメリカ人の友人に聞かれたことがあります。
詳しく聞くと、日本の「資格」とまったく同じようなニュアンスがある英単語はないのだそう。
そこでグーグル翻訳で調べると「qualifications」という単語が出てきましたが、彼曰く、アメリカ人同士の日常生活の中で、こんな単語は全然言わない、使ったことがないそうです。
何を隠そう、私はかつてアメリカ人の友人が驚くほどの「資格大好き人間」でした。
思考はいつも「なるべくたくさん資格を取ろう」でしたので、おかげで教師になるつもりは全くないのに、教員免許も取得しました。大学生の頃の話です。
学生時代から人のキャリアや心理学を専攻していましたので、受験要項である社会人経験5年を経て日本キャリア開発協会のJCDAキャリアカウンセラー資格を取得しました。
当初はただの民間資格でしたが、政府の方針で2016年から「国家資格キャリアコンサルタント」になった時は、とても嬉しかったです。
また、基本的に私は学ぶことと人が好きなので、民間系の心理カウンセラー資格とか、メンタルヘルス・マネジメント検定だとか、パーソナルカラーコンサルタント資格だとか、もっとマイナーな資格もたくさん取りました。
日本人が資格が好きな理由には下記3点があると言われています。
1、就職や転職に有利になる(履歴書に書ける)
2、自分の能力やスキルを公的に表す「証明」になる
3、取り組みや学んだことが形として残る
うんうん、そうそう。確かに、そんな感じがしますよね。
私の場合は、「体系立ててまとめた量がいっぺんに学べる」「そして資格という形に残る」というのが大きな価値のように感じていたので、3番目の理由ですね。
それに加えて、最近では、第4の理由として、「新しい仕事を始めたいから、まずは資格を取ろう」という価値観の方が増えています。
これは転職の際にも言えますが、特に昨今は、会社員や主婦でも「副業」「起業」という行動が珍しくありませんから、そういった「稼ぐこと」や「講師デビュー」に直結していそうな資格が人気です。
就職・転職、副業・起業、いずれにせよ、新しい資格=今の自分にはない新しいスキルを身につける。と考える人が多い傾向があります。
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資格より多い「検定」試験
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「スキルを身につける」といえば、「検定」も人気です。
日本以外の国では「検定試験」あくまでも知識レベルを確認するための「試験」です。
ところが日本での「検定」は「資格」と似たような性質があり、事実、上記の1〜4の理由において、同じような意味合いを持ちます。
今、日本中に様々な資格や検定が溢れています。国家資格は別格ですが、民間資格は星の数ほど存在します。今では知らない人の方が珍しい「ソムリエ」というメジャーなものだって、民間資格です。その言葉にあやかって、「温泉ソムリエ」「だしソムリエ」なんていう資格も存在します。
検定に至っては、それこそ無限にあります。「からあげ検定」「ねこ検定」「阪神タイガース検定」と、ありとあらゆる検定が存在します。「おもしろ 検定」で検索すれば、100近い聞いたこともないような検定や資格のまとめサイトが出てきます。
検定を実施している、資格を発行しているというと、例え民間資格とはいえ、立派な団体がやっているのか?と思いきや、中には「〇〇検定実行委員会」というものや、法人格を持たない協会が発行しているもの、個人の会社や個人事業主が発行していそうなものまで様々です。
つまり、ある程度自由に「だれでも資格は作ることができる」のです。あなただって、自分が好きなことで「資格」や「検定」を作ってしまうことができるのです。
ぜひ一度、ご自分の「好きな物+検定」を検索してみてください。もし、まだ世の中になかったら、それは「起業」のチャンス!(かもしれません)
今の時代、本当に「副業」「起業」を志すのでしたら、「資格は取得する」のではなくて、あなたが新しい「資格」や「検定」を作ることをオススメします。
起業したい人にとって「資格」は、とるより「自分でつくる物」になりつつあります。
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智田さくらの場合、やむをえず資格を作ってしまった
さて、ここからは、私の場合の話をしますね。
では私の場合は、どうして一般社団法人日本風呂敷マスター協会を作ったか?
資格や検定を発行する側になろうかと思ったかというお話をします。
実は、私が始める前に、「ふろしき」「手ぬぐい」の資格や検定がなかったのかというと…。
いいえ、実はあります。あるんです。
しかも歴史も古く、組織としても大きなところが二つも京都にあるんです。
一つは、日本風呂敷協会という京都に本社を構える老舗風呂敷メーカー「宮井株式会社」が事務局を務める協会があり、こちらが開催する認定講座を受講すると「認定講師の資格」を貰えます。
もう一つは、京都にある「ふろしき研究会」という長い歴史を持つ市民団体の「風呂敷講師養成講座」を受講することによって、「講師資格」を貰えます。
私は、本来「資格好き」の人間です。「資格」はスキルの証明になりますし、私のような小心者にとっては、「先生」や「後ろ盾となる団体」がいることは、本当に心強い。
ですから、私も可能ならば、京都に行って日本風呂敷協会、あるいはふろしき研究会のどちらかの講師養成講座を受講したかったのです。なんなら両方に行って受講したいぐらい。
でも、その時の私にはそれは不可能なこと、でした。
私がふろしきの資格が欲しい、ふろしきを学びたいと思った時のは、長女が生後10ヶ月の時でした。夫の転勤先である札幌に、赤ちゃんを預けられる祖父母はいませんので、自分で連れていくしかありません。京都で講座を受けるとなると、日帰りは難しく泊まりがけになります。0歳児なので飛行機代はかかりませんが、赤ちゃんと一緒に札幌から飛行機で京都に移動して養成講座を受講する。受講中は、赤ちゃんは誰にみてもらうというのだろう…。
当時の私には、どう考えても不可能なことでした。
しかし、私の中に「子どもが大きくなってから、京都にいけるようになってから、資格を取ってからはじめよう」という選択肢は一切ありませんでした。
それは「子育て風呂敷術」というメソッドなので、自分が小さな子どもがいるうちの方が発信力がある、読者に共感してもらえるというのが一番大きいのですが、あとは「好きだから」だと思います。そんな数年後まで待てませんでした。
なので、しかたなく、独学で勉強して始めることにしました。もう、そうするしか、当時の私には選択肢がなかったのです。
もともと、ふろしきは子どもの頃から生活の一部として使っていたので、基礎知識はありましたし、使い方に関しては一通り知っていましたが、講師になる以上専門知識を深めたいと思い、手に入る風呂敷と手ぬぐい関連の本をかたっぱしから読み込みました。
図書館に行くと、すでに絶版になっていて手に入らないような貴重な本も、たくさん置いてありました。しかもタダで借りてじっくり読むことができました。
また、結婚するまでは民間企業で営業職を10年やっていましたし、結婚後は札幌に移り住んでキャリアコンサルタントとして人前にたって講師業もしていましたので、最低限のビジネススキルは持っていました。(…だからと言って、実はあまり得意ではないんですが、それはまた別のお話で)
こうして、「独学」×「少しのビジネススキル」を使って、私は自分で考えたオリジナルのふろしきメソッドである「子育て風呂敷術」を発信したり、ワークショップ講座をスタートしました。
幸い、ふろしきの講師資格といっても、国家資格のような公的な資格とはちょっと違い、「この資格を持っていない人はふろしきを人に教えてはいけません。講師をしてはいけません」というような強制力はありません。
つまり、資格などなくても専門知識さえあれば、だれでも「ふろしき講師」になることができる、というわけです。
そうこうするうちに、私の場合は、ありがたいことに仲間やご縁に恵まれまして、2017年、クラウドファンディングで集まった資金を元に、一般社団法人を設立することが叶いました。
どうでしょう。あなたが目指している「資格」は、本当になくては働けない資格ですか?
もしかしたら「あなたが作った方が世の中にとって価値がある資格」かもしれませんよ。
そう思ったらチャンスです!
*ちなみに、事前リサーチは必ずしてくださいね。例えば、国家資格キャリアコンサルタントは、持っていない人が類似の肩書きを名乗ると30 万円以下の罰金に処せられます。免許がないのに医師や看護師をするのと同じぐらい悪いことです。
資格がなくても働くには?
1. 「資格がなければ」の思い込みを外す
2. 専門分野を突きつめる
3. 教えはじめる
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