TOOLS 119 なぜか惹かれる物語には今世の青写真が隠れている / 石井優美(夢療法家)

スクリーンショット 2020-05-21 0.28.57人は生まれる前に、自分の生きたい人生のおおまかな計画、青写真を書いて生まれてくると言われています。生まれる際にいったん全部忘れるらしいので、幼い頃、好きだと思う物語には、どこか馴染みがあって共感できるものなのかもしれません。「こんな風に生きよう」と決めた魂
なぜか惹かれる物語には今世の青写真が隠れている
石井 優美 ( 夢療法家 )


自由に生きるために 
よく読んだ絵本を思い出そう

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「あなたは今回の人生に、どんな夢と希望を抱いて生まれてきたか」
今回は、わたくし「夢療法家」の視点からお話ししましょう。

人生の青写真を知る質問があります。

・あなたが幼い時、読んで読んでとお母さんにせがんだ絵本はなんですか?
・もの心ついた頃、好きでよく読んだ物語や童話はどんな本ですか?

誰しも1冊は好きだった物語や忘れられない小説があるものです。そしてお話の、どんな場面が気になって、なぜ好きだったのか思い出すと、思わぬ気づきが浮かびます。

この問いに「青い鳥」と答える方が多いこと。何かを探している「人生探求系」の方。もちろん私達は、この人生で「自分が何者かを思い出すために生きている」ともいえます。

今でも「青い鳥」が愛読書で「この世の真実を知りたい」と言う方と話す機会がありました。「青い鳥、見つかった?」と聞くと、「真実が書いてあるらしい本には出会ったけど、まだわからない。でも鳥は家にいたからね、意外に自分の近くにあるのかも」との答え。人生終盤を迎えたマダムは、探し続けた末に「答えの在りか」には気づけたようでした。

他にも、「赤毛のアン」「星の王子様」もよく聞く1冊で、「ガリバー旅行記」「ファーブル昆虫記」「コロボックル物語」などファンタジーや冒険物系。「ぐりとぐら」「もこもこもこ」など、たくさんある絵本の中でなぜそればかり読んだのでしょう?

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「白馬の王子様願望」で一攫千金・棚ぼた系なわたし

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ちなみに私の愛読書の1冊は『眠れる森の美女』です。この絵本は、お姫様が幸せになる王道物語。あまりに読んでとせがむので、面倒になった親は「レコード紙芝居」なるものを買ってきて、それを聞いていた記憶があります。 

このお話、ざっくり言って「寝ている間に王子さまが現れて幸せになれる」というもの。魔女に魔法をかけられて若く美しい盛りの15歳で100年の眠りはキツイけど、他のお姫様話とは違って苦労がないのが特徴。昭和の女子が夢見るお姫様系「白馬の王子様願望系」とも言えます。100年の眠りの間、一体どれほど夢をみていたでしょう? 睡眠や夢が気になる私。クライアントの夢を読み解いて問題解決に導く「夢療法家」になったのも納得です。

そして、もう1冊は「小公女」。お金持ちのお嬢様が父親の事業の失敗で一転どん底、貧乏と苦労、忍耐の末にダイヤモンド鉱山が見つかり大金持ちになる話です。こちらはかなり下積みの苦労がありながら、気品を失わず自分を貫いた末のハッピーエンド。 私も少し成長して「人生って甘くない」と学びつつ、王子様願望にプラス、密かに一攫千金・棚ぼた願望が加わりました。

そして心に描いた物語どおり白馬の王子様(?)が現れて結婚、子育てを終えた今、白髪の夫さまと2人暮らし。「人生に棚ぼたは無し」と悟ったところで出会った「夢療法」を宝に、一人でも多くの人に夢を活用する面白さを知って欲しいと、今の私がここにおります。  

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今までで印象深かった2人の例

Aさんはアンデルセンの童話「オーロラ姫」が好きだったとのこと。「王子様が、他の姫と結ばれるのを見届けて、自分は海に漂って泡となるところ」を一番思い出すとのこと。海から顔を出し、2人が仲良く踊る場面を見ている自分が思い浮かぶというのです。やがて死んでしまうのに… なぜそこが気になるの?という場面。

王子の愛を求めて、自分の声と引き換えに両足を手に入れたのに、愛を得られず泡となる。確かに最後は神様に天使に召し上げられる、ハッピーエンドにも見えますが、数あるお姫様物語の中でも悲恋話は異例。「悲劇のヒロイン系」とでも言いましょうか。白馬の王子様願望・棚ぼた系の私とはまた違う人生です。 

理由を聞くと「みんなに幸せになって欲しいと思っていたのかもしれない」とのこと。幼い時から素晴らしい心根の持ち主は工芸作家さん。クライアントの依頼を元にオブジェを制作するお仕事。作品を通して幸せをお届けしている方です。

珍しいのは、日本の昔話「笠地蔵」が好きだったという女性Yさん。理由を聞くと『このおばあさん、すごいでしょう。笠も売れず、お正月のご馳走も買えず、おまけに売り物の笠もなくなって、手ぶらで帰って来たおじいさんに「良いことをしましたねぇ」って笑顔で迎えているのよ~信じられない。私だったら「ちょっと、お正月なのに食べるものがないじゃない、どうしてくれるの」と罵倒してしまうかも』とのこと。

Yさんは、まだ若い治療師さん。このおばあさんのように、どんな人、どんなことでも「はいはい」と受け入れられる人なりたいとのこと。治療院に来るどんな人でも治療する、その通りの人生を歩まれているように思えます。

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魂の記憶を思い出して、今に活かそう

 
人は生まれる前に、自分の生きたい人生のおおまかな計画、青写真を書いて生まれてくると言われています。生まれる際にいったん全部忘れるらしいので、幼い頃、好きだと思う物語には、どこか馴染みがあって共感できるものなのかもしれません。「こんな風に生きよう」と決めた魂の記憶を思い出しながら読んでいたとしたら、そこには今を生きるヒントがあるはずです。

行き詰ってふと立ち止まり、これからの人生どうなるか、未来をどう生きていこうか迷い悩んでいるとしたら、好きでよく読んだ本、物語を思い出してみたらいかがでしょう。

そして今、人生の物語のシナリオはどのあたりを進行中なのか。 第何章を生きているのかを考えてみたら、今の自分の在り方と、未来の姿が見えてはきませんか。チャンスを掴んでジャンプする時なのか、それともじっと耐えて時を待つ時期なのか。

苦難もジャンプもシナリオ通りだとしたら、次の章の展開はどうしますか? それを決めるは自由意志、あなた次第です。


まとめ:進みたい道を知るには?
1.   惹かれた物語から青写真を思い出す
2.   現状と照らしあわせ課題を探る
3.   続きのシナリオに思いをはせる
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石井優美

石井優美

(いしいゆみ)夢療法家。1962年、神奈川県生まれ。大妻女子大学児童教育専攻卒。企業に就職、結婚、出産とともに欧州生活の後帰国。子育てが一段落した時、無力感に直面。ある夢がきっかけで混沌から脱出し、主婦業の傍ら夢療法の第一人者である坂内慶子氏に師事、夢の学びを継続中。これまでに聞いた1000を超える夢の事例と11年記録を続ける夢日記と自身の夢体験を元に、解決したい問題やお悩みに夢解きで答える「夢の研究家」。生協講座部門登録講師、サンケイリビングカルチャー講師、復興福島いやしフェア出展、子育てサークル出張講座を経て、現在は初夢会や夢のシェア会などを開いている。