帰国中の友人に日本を満喫してもらうには?
こんにちは、編集部のおーちゃんだよ。
今日はロンドンから一時帰国中のたなか鮎子さん(オーディナリーのロゴなどデザイン担当)とみんなでご飯を食べようということになりました。「ビザやらいろんな手続きのためにちょっと日本に行きます」と連絡があったのです。
鮎子さんは嬉々として海外を飛び回っているイメージがありますが、実は飛行機が大の苦手なのです。フライト中は落ちるのが恐くて、いつも祈りながら座席からおしりを浮かせています。それがどう意味があるのかはわからないけど、自分なりに抗っているよう。
さて、ご飯のことです。場所は新宿と決めたものの、問題は何を食べるかですよね。食いしん坊ぞろいの編集部は、何を食べるか、いつもすんなり決まりません。深井さんは、中でもいちばん食にこだわりがないので、「なんでもいいですよー、任せるー」という感じです。
今回はわざわざおしりを浮かせて帰ってきた鮎子さんの意見を最優先。なにがいいですかね? とたずねると、条件が2つ出てきました。
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1. 和食がいい 2. 居酒屋以外のところ |
鮎子さん、やっぱり「ひしぶりに日本の味にありつきたい」ということ。そして2に関しては、「今日の朝5時まで弟と居酒屋で飲んでいた」そうで、なるべく違う雰囲気でいきたいということです。
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指令「新宿でおいしい和食屋を探せ」(居酒屋以外で)
なるほど、方向性が示されました。「居酒屋以外で、和食」。さてどこがいいですかねぇとみんなで話しながら、適当に「あっちのほうは?」とブラブラ歩きます。行き当たりばったりなところがオーディナリー編集部なんだよね。
和食って、そもそもなんでしょうね。いろいろあってこれも迷ってしまうね。そば? 刺身? 天ぷら? しゃぶしゃぶ? 茶碗蒸し? 焼き肉? 焼鳥? うなぎ? とんかつ?
和食と言っても幅がある。肉もいいですねぇ、とブラブラ歩く。
「そういえばこの辺なら、どん底って老舗居酒屋がありますよ」とむらかみさん。深井さん以外のメンバーはみんな行ったことあるようで、なにやら創業60年で三島由紀夫など有名な文人などが愛した居酒屋のようです。「なるほど、どん底もいいですねぇ」とみんなは言っている。
いやいや、ちょっと待って。そこ居酒屋じゃん。「居酒屋以外で」って条件言ってるのに、ど真ん中の居酒屋じゃん。いいの? 忘れてはいけないよ。探している条件は、「居酒屋以外の和食」でしょ。これをどん底の前で改めてみんなで復唱する。
「われわれは居酒屋以外の和食屋を目指す!!」
指令を忘れてはいけないよね。気合いを入れ直し、再び歩き出したその背中を見守りながら、ぼく、おーちゃんも「がんばれ編集部…」とつぶやいたよ。
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結局、香港になりました
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歩きはじめて一歩を踏み出したそのとき、視線の先に何やらオープンテラス席のあるお店が。オープンテラスと言うか、屋台っぽい、アジアな感じ。だれともなく「ここ気になるね」なんて言って、ここ、香港料理のお店に決めちゃいました。店員さんもみんなアジアな方で、料理が次々と出されてきます。
「お、ここはなかなかじゃない?」(ふじた)
「ひと味違う担々麺ですねぇ」(モトカワ)
「正解じゃないですか」(むらかみ)
「さすが、われわれの目は確かである」(深井)
「ほほう、やっぱりロンドンより物価が安いですね」(鮎子)
なんて盛り上がってましたが、指令と全然ちがうからね。和食じゃなくてここ香港だし。指令を復唱した5秒後に方向転換。臨機応変なオーディナリー編集部です。「大人とは臨機応変な人のことである」と深井さんは言ってたけど、そうなの?
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会った時にしかできない話をしよう
鮎子さんのロンドン話からはじまり、オーディナリー的読みものとはどんなものかとか、を話しました。やっぱり体温を感じるものにしたい。感情が動くもの。ぼくらは情報やニュースを扱うわけじゃなくて、人間の体験やストーリーやドラマを扱っていきたい。読んだ人のこころが暖かくなったり、よし前に進むぞと思えるようなものだったり。できるなら、少しでも読んだ人の人生に影響があるような読み物にしたい。知識だけあっても感情が動かないと、体が動かないんです。熱や笑いや涙、ウエットさは必要。とか、これからやっていきたいこととか、そういうことをお酒を入れながら話しました。もちろん、会った時にしか話せないようなくだらない話もしました。
和食じゃなかったけど、鮎子さんも楽しそうでよかった。
人間っていいな。
がんばれ編集部!
おーちゃんでした。
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