TOOLS 82 年齢に臆せず踊る/のりこ ( 遅咲き研究家 )

「チアを始めたばかりで全然踊れないのです」挨拶すると、高橋さんは「私なんて50代でチアを始め、今は60代なのよ!」一瞬で度肝を抜かれた瞬間でした。まさか50代から始めたとは! 想定外でした。私の時代では、チアは10代から始める人が多い。
TOOLS 82
年齢に臆せず踊る
のりこ ( 遅咲き研究家 )

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自由に生きるために
100歳まで続けて、下の世代に希望を与えよう

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50代でチアダンスを始めた高橋さん

 

今年は、「たくさんのすてきな人に出会えた1年」と言っても過言ではなさそう。

そんなすてきな人の中に、笑顔がとてもまぶしい現在60代のチアガール高橋さん(仮名)がいます。

高橋さんは、通常のチアダンスのレッスンは私とは別の所で受けていますが、イベントがあるとご一緒する機会がある人です。高橋さんと初めて会った時は、私は、チアを始めてまだ1ヶ月でした。初めてお会いした時に、私は、

「チアを始めたばかりで全然踊れないのです。よろしくお願いいたします!」

と挨拶しました。それに対し、高橋さんは、

「私は、50代でチアを始め、今は、60代なのよ!」

と話してくれたのです。一瞬で度肝を抜かれた瞬間でした。まさか50代から始めたとは! 私にとって想定外でした。

私の時代では、チアは高校生か大学生から始める人が多かった。つまり、10代から始める人が多いという事になります。しかし、今では、幼稚児や小学生からでも始められるキッズチアのレッスンも増え、さらにスタート年齢が下がってきているかもしれません。

 

「平均年齢よりは遅いかもしれないけど… 」
私がチアを始めた3つのきっかけ

 

そんな中、おとなになってから始める人もいます。私自身、そのひとりです。

平均的なチアのスタート年齢を10代と仮定してみましょう。そうすると、30代後半になってから始めた私は結構出遅れたことになります。それなのに、始める事になったきっかけは一体なんでしょうか。以下の3つに起因するのではないかと思います。

①チアに対する憧れ

私がチアに対する憧れを抱いたのは高校生でした。ポンポンを持って、まぶしい笑顔で踊っているチアガールがとても楽しそうに見えたのでした。では、なぜその時、始めなかったのでしょうか? それは、体がとても硬かったからです。挑戦もせず、あっさり断念したのです。

②チアおじさん達との遭遇

数年前のことですが、さまざまな発表会が行われている中、たまたまチアダンスの発表会を見る機会がありました。多くのチアガールの中に3,4名の男性がチアガール達と一緒のユニフォームで踊っていたのです。若手の男性もいましたが、2人ぐらいは明らかに中高年のおじさんでした。その時、おおきな衝撃とともに勇気をもらったのです。

③ダンス系エクササイズに代わるものを探索

私は、昨年の引越しを機に、いままで通っていた近所のジムに行けなくなってしまったのです。ジムでは、ダンス系エクササイズのプログラムを受けていて、それが引越し先周辺のジムにはありませんでした。近所で何か楽しく体を動かせるプログラムがないかフラフラ探していたところ、チアにたどり着いたのです。

私がチアを始めるに至ったのは、上の3つがそろい、「やってみよう!」と思い立ったからだと思います。

遅咲きの先輩に質問してみた
「今からでは遅いのでは、と躊躇しましたか?」

 

うれしいことに、私には、私より年上のチアの先輩がいます。

今回3人のすてきな先輩方に「チアを始める時に、今から始めるのは遅いのでは、と思ったかどうか」について聞いてきました。

A先輩「遅いと思った。だから始める前に、電話で何歳ぐらいの人がいるか確認した。自分以外のみんなが、うーんと若かったら嫌なので」

B先輩「特に遅いと思わなかった。レッスンの時だけ踊るものだと思っていたから。イベントや応援とかで人前で踊るとは思わなかった。始めてみたら、50代、60代で構成されたチアのグループがいて、尻込みしていられないと思った」

C先輩「遅いとは思わなかった。若い頃から、チアではないが、ダンスはやっていたし、エアロビクスのインストラクターもしていたので、特に何も抵抗はなかった」

3人中2人は、「始めるのに遅いと思わなかった」という回答でした。思わなかったからこそ始められたのかもしれない。そうすると、

・何か始める時に自分の年齢を気にしない人
・そんなに深く考えず思い立ったらやってみるタイプの人

が「いくつになっても新しいことに挑戦できる人」なのかもしれない。

しかし、3人中1人は、「始めるのに遅いと思った」という回答でした。遅いと思っても年上の人がいれば、背中を押され、始められるのです。

レッスンには、新しい人が入ったり、転勤で来られなくなってしまう人がいたりして人の流動は常にあります。そのため、若い人しかいない時期もあります。そんな時期にA先輩が始めようとしていたら、始めなかったかもしれない。そういう意味でもタイミングや運は関係しているような気がします。

また3人揃って言っていたのは、「チアが楽しそうだからやってみたいと思った」ということです。楽しさを追求する行動力も何か始めるのに必要な要素であると思いました。問い合わせる行動も、とりあえず入ってやってみようという行動も、年をとると衰えがちな行動力です。

B先輩の回答に出てきた「50代、60代で構成されたチアのグループ」は、B先輩だけでなくチアのメンバー全員の励みとなる存在です。冒頭でお話した高橋さんもこのグループに所属していて、その中でも一番年上です。このグループは、老人ホームでチアを踊ったり、社会貢献的活動もしています。

20代、30代のチアガール達もこのグループを見て

「私も60歳になっても踊っていたい!」

とみんな言っています。やはり、自分より上の世代ががんばっていると、自分も負けてはいられないという気持ちにさせられるのです。自然とその次、またその次の世代に良い影響を与えています。

 

 年齢で躊躇している人に必要な3つのこと

 

何かを始めるのに、平均的なスタート年齢よりも遅くなってしまい、始めることを躊躇している人に必要な3つのこと

1. 年齢を気にしないこと
年齢をハンディと思わないこと。「今さら」と思わないこと。たとえ思ってもそれを振り払う勇気があれば大丈夫です。それは、自分より年上の人で何か新しいことを始めた人を見て勇気を貰っても良いです。

2. 自分の気持ちを大事にすること
何事も「やりたい」と思い立ったら吉日!きっかけはどこに転がっているか分かりません。自分の気持ちに正直に生きること。やってみて、合わなかったり、心が喜ばなかったりしたら、やめればいいだけのことです。

3. まずは行動してみること
まずやってみましょう。自分のタイミングと他人のタイミングは違うことを認識し、自分のペースで進むこと。世間の常識や偏見に囚われないこと。意外と深く考えず、思い切って飛び混んでしまえば、どうにかなるものです。

 

平均寿命が伸びている時代には
元気な先輩の存在が背中を押す

 

何歳になっても挑戦し続ける姿勢はみんなに感動を与え、みんなの原動力にもなりうるのです。すでに日本は超高齢化社会に突入していて、平均寿命も伸び続けています。だからこそ、いくつになっても挑戦し続ける元気じいちゃん、元気ばあちゃんが必要だと思います。

私自身、これからも新しい一歩を踏み出すことを諦めず、100歳になっても「やりたい」と思い立ったら吉日!と思って行動していきたいです。

 


PHOTO:VOXSPORTS VOXER 


のりこ

のりこ

遅咲き研究家。静岡県生まれ、東京育ち。 現在、大手町でOLをする傍ら、執筆やダンスを始めたりしている。 オーディナリーでは、すてきな人に会って、読み手に気づきを与えられるようなインタビュー記事が書けたらと思っている。特に、いくつになっても新しい事に挑戦している人をフィーチャリングしていきたい。