TOOLS 77 おいしい手前醤油のすすめ/安房 滋子 ( 醗酵菜食料理研究家 )

「えっ、お醤油って自分で作れるの、どうやって作るの?」けっこう驚かれることが多いです。自分でお醤油をつくりはじめて6年ほど経ちますが、自分の手で作ったお醤油は、とてもかわいくて、不思議な美味さにどこかワクワクする喜びを感じています。お醤油も、昔は家庭でもごく普通に作られていたようです。
TOOLS 77
おいしい手前醤油のすすめ 
安房 滋子 ( 醗酵菜食料理研究家 )

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自由に生きるために
醤油を自分でつくってみよう

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<目次>
・お醤油は買うものとばかり思っていた。まさか自分で作れるものとは
・そして初めてのお醤油づくりが始まった
・がんばらなくてもいい。自然が美味しく育ててくれる
・いよいよ約一年を経て無事に熟成。さいごにお醤油を搾ります
・大樽で大量のお醤油を仕込むのは大変? 少量でも手軽に。家庭のベランダでも作れますよ
・手づくりするようになって変わったこと。料理の楽しみ方がシンプルになった
・<まとめ> お醤油を手づくりして変わった6つのこと


お醤油を手づくりしてみたら、意外に簡単で、感動するほどおいしかった。「今ではあたりまえに手づくりしています」とほほえむ醗酵菜食(はっこうさいしょく)研究家の安房滋子さん。なぜわざわざ手づくりをするようになったのか。初めて手づくりに挑戦したときのエピソードを綴ってくださいました。(編集部)

 

「お醤油はだれでもベランダででもつくれます。塩と醤油麹を仕込んで、ときどきかき混ぜるだけ。そうやって1年間つきあうのです」

 

お醤油は買うものとばかり思っていた
まさか自分で作れるものとは

 

「えっ、お醤油って自分で作れるの? どうやって作るの?」と、結構、驚かれることが多いです。

自分でお醤油をつくりはじめて6年ほど経ちますが、自分の手で作ったお醤油は、とてもかわいくて、不思議な美味さにどこかワクワクする喜びを感じています。

お醤油も、手前味噌のように、昔は家庭でもごく普通に作られていたと聞きます。江戸、明治、大正、昭和? どのくらい前まで家庭で作られていたんでしょうね。

1960年代(昭和30年代)私が小さな頃。まだ昔のくらしの面影が残る、山と海に囲まれた南九州の小さな町では、お醤油を作っているご家庭を見かけたことはありませんでした。

20代、一人暮らしを始めてから使っていたお醤油も、実家同様、どこでも手に入る大手メーカーのお醤油。お醤油の味もそういうものだとずっと思っていました。その頃は、お醤油はとくに好き!というわけでもなく、ラベルの材料を見ても、関心は湧かず、作られる過程はまったく想像すらできない状態でした。

きっかけは搾りたてのお醤油との出会い

そんな私が、手づくりのお醤油に興味を持ったきっかけは、2006年。持続可能な自然な暮らしへの取り組みを始めていた房総のとある古民家コミュニティで、手づくりされた搾りたてのお醤油を味わったことが始まりでした。

その搾りたてのお醤油は、とても美味しくて、ほんとうにびっくり!でした。ふわーっとよい香りがして滋味深い豊かな旨味があり、まるで生きているような味わい。それまで知っていたお醤油の味とはまったく違っていて、ほんとうに驚きました。その衝撃はあまりにも大きく、以来すっかり魅せられてしまったのです。

いわゆる日本の食事は、シンプルな味付けでもご飯が美味しい、というのは、なるほどこういうことだったのか! それまで普段の食事ではしっくりこなかったこの感覚。ようやく自分の中で腑に落ちました。

 

そして初めてのお醤油づくりが始まった

 

その後、搾りたてのお醤油の美味しさが忘れられず、探してはみたものの、市販のお醤油では、その味には出会うことができないまま数年経ちました。

ふつふつと発酵するように気持ちも膨らんでいき、ならば自分で作ってみよう!と、ついにお醤油づくりの準備にとりかかったのは、出会いから4年後。2010年の春のことでした。

最初は、お醤油作りについてはまったく右も左もわからないままだったので、作り方をネットで調べたり、作っている方から作り方を聞いたりしました。

わからないなりに、自分にできることを見つけて準備していくうちに、タイミングよくお醤油を仕込んで発酵させる場所と出会い、協力してくれる方にも自然にご縁がつながっていきました。

初めてのお醤油作りは、新高円寺にあった一軒の小さな古民家で始めました。ちょうどその頃、知り合いの方が、放置されていた古民家を仲間と手作りで改装しながら、コミュニティカフェのような試みを始めたのです。

当初、古民家の改装や運営をボランティアで手伝う人は、場所を自由に使わせてもらえたので、大きなお醤油の樽を発酵させるにはちょうどいい場所、畳を敷いた屋内の土間が確保できました。

補足:初回は、教えてもらった分量そのまま(約60ℓ/4家族の約1年分)仕込んだので、大きな樽を置く場所の確保に苦労しましたが、ひと家族分の少量なら、雨のかからない軒先やベランダでも大丈夫です。

 

満月のお醤油仕込み

2010年3月、満月の日。注文していた大量の塩と醤油麹が、予定通り午前中に宅配で古民家に到着。

(注:ここで言う『醤油麹』とは、大豆と炒ったひきわり麦をあわせて麹菌をつけた醤油造り用の麹です。ここ数年ネットで見かけるようになった「醤油麹」米麹をお醤油に漬けた調味料とは別のもの。本来の意味の『醤油麹』です。)

いよいよ、お醤油の仕込み第一日目。お子さんを交えた数人が古民家に集まり、お醤油づくりがスタートしました。

まず、土間に大きなビニールシートを広げて大量の醤油麹と塩を混ぜあわせる『麹の塩きり』をしました。次に、大きな樽に塩きりした醤油麹と水を入れて全体を撹拌(かくはん)。これで、お醤油の赤ちゃんともいうべき『醤油もろみ』の誕生です。

ここで、お醤油づくりについて少し説明しましょう。

醤油づくり
STEP1 麹の塩きり。醤油麹と塩を混ぜあわせる
STEP2 醤油もろみ。樽に1と水を入れて全体を撹拌する
STEP3 熟成。2を『天地返し』をしながら1年ほど熟成
STEP4 お醤油絞り。
STEP5 保存。常温で。微かに呼吸ができるように密閉しない

 

樽に仕込んだお醤油の赤ちゃん『醤油もろみ』は、定期的に天地を入れ替えるように、混ぜる作業『天地返し』をしながら一年ほど熟成します。天地返しは、美味しく発酵していくのを助ける大事な作業です。全体を撹拌することで、空気を適度に取り入れ、もろみの塩が馴染み、菌のバランスや濃度など、全体の発酵が調和しながらお醤油が醸(かも)されていきます。

樽には、虫や塵を遮り、空気が適度に中に入り呼吸できるよう、植物の遮光に農業で使われる白い寒冷紗(かんれいしゃ)で、樽を被うように蓋をして麻紐(古い綿シーツや布でもOK)できっちり縛ります。

ちなみに、お醤油のもろみを天地返しするペースは、作り手や蔵によっていろいろな方法や哲学があるようです。その中でも、私がなんとなく素敵に思えたのは、新月と満月に天地返しする方法でした。

新月や満月にもろみを撹拌し渦を作って混ぜることで、自然の力や見えない宇宙の力が、お醤油に入り込み、美味しく育って熟成していってくれるような気がしたのです。

旅するお醤油ちゃん 
引っ越しても大丈夫

最初の2か月程、お醤油の赤ちゃん「もろみ」は、古民家の屋内のひんやりした土間で、静かにゆっくり発酵しながら過ごしました。初夏になり梅雨の始まる前、お醤油ちゃんは、古民家の事情もあり、夏の発酵熟成にふさわしい場所に移動することになりました。

運良く、古民家によく訪れていたご近所さんが、歩いて15分ほどのご自宅にあるベランダを快く提供して下さったのです。二人の手で樽とお醤油ちゃんは、無事お引っ越し。

「お引っ越しするお醤油ちゃんなんて、そういないんじゃない?」

おうちのベランダを提供して下さったご近所さんは、とても楽しそうに『旅するお醤油ちゃん』と銘々してくれました(笑)

お醤油ハウス誕生
日光のあたるベランダでも大丈夫

ご近所さんのおうちは、とても素敵なテラスハウスで、地階の広いベランダには強い直射日光が差し込み、夏場のお醤油の発酵には理想的に思えました。

そして、なんと素晴らしい偶然!ベランダには60センチ四方の小さなテーブルがあり、まるであつらえたように、お醤油の樽は、内側にぴったり入りました。

「まるでお醤油ちゃんの為に用意されていたみたい!」

二人はとてもはしゃいで大フィーバー(笑)。

名付けて『お醤油ハウス』!(笑)いろいろ考えた末、テーブルの外側は、厚手の抗酸化効果のある透明ビニールで囲いました。お醤油ちゃんのおうちとなる小さなビニールハウス誕生です。

ビニールハウス内でも大丈夫と聞いてはいたものの、さすがに直射日光の激しい熱の影響は心配で、樽は2重に重ね、ハウスの下側は空気が抜けるように隙間を作りました。

「直射日光のあたるハウスで発酵?」大丈夫なの?と思われる方もいるかもしれません。お醤油作りは、通常は冷暗所で熟成させるのが昔ながらの方法。私自身、お醤油は屋内の暗い蔵で作られるものというイメージだったので、「そんなに温度があがってしまったら、腐るのでは?」と、実は、とても心配でした。

お醤油の作り方や考え方はいくつかあるようですね。当時、初めて教えて頂いた方法は、お陽様の光をあてる方法でした。なので、敬意をもってその方法に準じました。手探りしながらも自分なりに工夫してやってみた結果、夏のお陽様をさんさんと浴びながら、お醤油ちゃんは順調に、すくすくと発酵。とても美味しいお醤油ちゃんに育ってくれました。

 

陽のあたるベランダに置かれた手作りのお醤油ハウス

陽のあたるベランダに置かれた手作りのお醤油ハウス

お醤油天地返しの時のもろみ

お醤油天地返しの時のもろみ

参照: 昔のお醤油の製法や種類について  http://ja.wikipedia.org/wiki/醤油

 

がんばらなくてもいい
自然が美味しく育ててくれる

 

作ってみた感想としては、お醤油は、自分の手で作る、というよりも、実際は、見えない自然の力や菌ちゃん達に作ってもらう、という感じです。

人の手でやることといえば、仕込んで、時々かき混ぜるだけ。季節の変化の中で発酵の過程を見守り、成長や感謝を祈りながらゆっくり熟成を待つのみです。

満月新月に天地返しすることで、私達もお醤油ちゃんの変化を一緒に体験。太陽や月、風、空気中の水分や気温などの影響を、より強く実感することができました。

私達には見えないけれど、自然の中には、沢山のいろんな種類の菌ちゃん達がいるそうです。お醤油のもろみが大好きな多種多様な菌ちゃん達がいて、絶妙なバランスで役割を交代しながら「もろみ」の発酵を促し、助け合いながらお醤油作りを応援してくれるのです。

春には、麹のつぶつぶ状態だったお醤油「もろみ」の赤ちゃんも、夏になると発酵は活発になりお醤油ちゃんはまさに青春期。つぶつぶの状態からドロドロへと変化して、だんだん色も香りも味わいも変化して、発酵が活発にすすんで醸されていく様子がリアルに実感。

秋になり、寒い冬になると、お醤油ちゃんも熟成の時期、いわば成人期を迎えます。だんだん発酵も落ち着いてきて、ゆっくりゆっくり味も香りもさらに深まり、お醤油ちゃんの色も淡い色から濃い茶色へ変化。静かに美味しく熟成していきました。

お醤油は自然がつくる調和的な食べもの?

新月と満月の天地返しは、手や木製の棒(櫂:かい)を使って撹拌しました。

まるで自分の子供を育てるような、慈しむ感情や、神聖で神秘的な祈るような気持ちが、撹拌する度に自然にわいてきました。自分の中に自然に対する感謝や尊敬のような気持ちが、お醤油ちゃんと一緒に自然に育まれていきました。ちなみに、撹拌に使った市販のお風呂用木製の湯かき棒は、とてもいい具合でしたよ。

天地返しでは、毎回お醤油の様子や変化に新鮮な驚きや感動がありました。予想もしなかった発酵の変化に、自然の見えない働きや、 菌ちゃん達のつながりあう調和的な働きを感じ、自然の不思議な奥深さをあらためて垣間みる機会になりました。

例えばこんなことがありました。夏場、樽の覆いをはずしてみると、お醤油のもろみの表面が、塩分が集まった薄い層になっていて、びっくり。夏の強い太陽の熱で水分が蒸発したのでしょうか。もろみの表面は、まるで外界から守る自然の防護膜のような乾いた状態になっていました。自然による偶然?予想もしなかった不思議な働きに、自然はうまくできているんだなぁと、とても感動したのを覚えています。

天地返しをするとき、かき混ぜた手についたもろみの味を味わうのは、子供のようにワクワクドキドキな瞬間(笑)でした。変化していくお醤油の発酵の様子を、見るだけでなく、実際に味わいながら、色や香り、味や感触を五感で体感するのは、毎回大きな楽しみになりました。すべてが、とても新鮮。初めてのことばかり。天地返しは、私達にとって、毎回、神聖な儀式のようでもあり、まるで小さなお祭りのような素晴らしい出来事でした。

新月と満月の自然のリズムにあわせて、天地返しをすることで、月の満ち欠けの感覚も生活の中に入ってきてくれました。季節の変化も一層身近に感じられ、お醤油ちゃんの発酵とともに楽しい一年間を過ごすことができました。

 

いよいよ約一年を経て無事に熟成
さいごにお醤油を搾ります

 

たくさんの方々との出会いや協力の中で温かく見守られながら成長していったお醤油ちゃんも、年を越して初春を迎え、約一年を経て無事に美味しく熟成しました。

いよいよ、2月お醤油搾りの日。お醤油絞りは、外房古民家の手作り醤油グループとご一緒に、プロのお醤油搾り師さんにお願いしました。伝統的なお醤油搾りマイスターであるお醤油搾り師さんが、数人のチームで『フネ』という大きな木製の圧搾装置を組み立て、薪で大釜のお湯を沸かし、お醤油搾りが始まりました。

※補足 :『お醤油搾り師さん』 昔は、農閑期に旅をしながら、日本各地の蔵や地域を回ってお醤油を搾って歩いた専門の職人さんがいたそうです。現代では、とても稀少で貴重な存在。現代のお醤油搾りにご興味ある方は「フネ 醤油絞り」で検索してみて下さい。

参考:ひと昔前(1980年代)青梅のお醤油絞り風景『忘れ得ぬ人々& 道草ノート

 

若者や子供達と喜びを分かち合った

樽のお醤油もろみは、数枚の専用の布袋に入れられて、四角く組まれた大きなフネの木箱の中に重ねられていき、大きな万力でぎりぎりと圧力をかけて搾られていきます。

おおっ、フネの下の注ぎ口から、美しい透明なお醤油が搾り出されてきました。
ついに、初めての手づくり醤油誕生の瞬間です!

パチパチパチ〜!!! っともう、拍手しちゃいます(笑)。
搾りたてのお醤油の味は、想像以上の美味しさでした。

魔法のように美味しい、というと大げさかもしれませんが(笑)初めてお醤油がしぼり出された瞬間は、ほんとうに素敵で、子供達はおいしい〜っと小さな指ですくってはなめ、おおはしゃぎ。一緒に体験参加してくれた若者や大人もみんな大喜びでした。

搾ったお醤油は、生の搾りたてをみんなで味わった後、火入れしてもらい、10日ほど樽のまま静置して、澱を沈めました。

上澄みのほうは、澄んだお醤油がとれます。底のほうには澱がたまり、濁ったお醤油になります。それぞれを、お玉とロートを使って樽から一升瓶へ、手で一本一本瓶詰めしました。

その時は、最初ということもあり90ℓの大きな樽で作ったので、全体量としては、一升瓶にして約33本分。概算で4家族の一年分の量ができました。

その後も保存状態は良好。味も劣化せず

一升瓶に瓶詰めしたお醤油は、自宅で常温保存。発酵で蓋が飛んでしまうことがあるので、微かに呼吸ができるように、簡易的な蓋をした後で布をかぶせて封をしました。

その後の約2年間、保存状態はよく、味も劣化することなく、瓶の中でもゆっくり美味しく熟成していった様子でした。

当時は大量だったお醤油も、2年程かけてお裾分けもしながら 少しずつ使っていくうちに、2013年の春には残り最後のひと瓶となりました。

最後のお醤油ちゃんは、青梅を漬けて梅醤油になり、新しくおうちで仕込んだお醤油と一緒に、少しずつ大切に使っています。

 

大樽で大量のお醤油を仕込むのは大変?
少量でも手軽に。家庭のベランダでも作れますよ

 

手づくり醤油を仕込む量は、現在は1回あたり3〜4ℓから多いときで30ℓぐらい。

初回は、多数の方と醤油づくりを分かち合いたい想いもあり大樽(90ℓ)に仕込みましたが、以降は、梅酒の瓶や泡盛の大瓶、抗酸化容器などで少量作る方法を試しています。

どうやら少量でも、工夫すれば十分美味しく作れるようだ、ということは実感しています。
お醤油づくりも、お味噌やぬか漬け等と同様。基本を理解すれば、おおらかな作り方でもだいたいは大丈夫。自然に美味しくなってくれる、といった手応えです。

もちろん、発酵が微妙な感じになってしまったり、失敗も何度かありました。

気をつけたいのは、発酵は、人間にとって良い子も悪い子もいる菌ちゃん達の世界と交流するという点。私たちの目には見えない菌ちゃん達がお相手なので、十分注意することもかなり重要かと。

何か変だなと感じたら、無理はしないことにしています。時には命がかかわる場合もあるので、腐敗か発酵か、安全か危険か、見分けられる本能的な感性や判断力も大事にしていきたいですね。

 

手づくりするようになって変わったこと
料理の楽しみ方がシンプルになった

 

以前はレシピ本などを見て、あこがれのシンプルな味つけで作ってみても美味しくできないことが多くて、なぜだろう?と不思議に思っていました。

手作りのお醤油やお味噌など、発酵調味料を自分で作るようになって、その謎はだいぶ解けました。手作りのお醤油は、持ち味の香りや旨味で、食材そのものの味を活かす引き立て役だったのですね。

この素敵なお醤油と新鮮な季節の野菜や自然な食材をあわせると、調理方法もシンプルで美味しいのです。お醤油を使う量も減って、少しずつ大事に使うようになりました。(つくる手間もかかっているので、じゃばじゃば使うのはもったいない)

あなたもお醤油を作ってみませんか?

311の震災以降、日本の発酵ブームも勢いが増したように感じています。塩麹も、つい数年前までほとんど知られていなかった発酵食品ですね。今ではスーパーの棚に普通に並んでいて驚きます。しかも何種類も! ここ数年のものすごい変化の早さは、ほんとうに驚きます。

お醤油の種類も、パッケージも、スーパーの棚を見ると、ずいぶん増えましたね。保存技術も向上し、味も多様化していると感じています。発酵の波がどんどん広がっていくのは、とてもワクワクします。近年、発酵の美味しさを味わい楽しむ仲間がふえているのは嬉しい変化ですね。

お醤油に始まる発酵の世界は奥深くて、とても魅力的です。みなさんも、お醤油やお味噌、ぜひ、自分で作って体験してみてください! 作ってみると意外に簡単。しかも、とても美味しいんです!

手作りされた発酵食品には、自然な味わいと独特の美味しさがあります。変化の中で変わらないもの、長い間培われてきた美味しさ大事にしていきたいです。

私にとって、発酵やお醤油作りはまだまだ謎の部分が沢山。言葉ではご説明しきれないことも沢山あります。私も試作や実験を楽しみ、日本の伝統的な発酵文化って、ほんとうに素晴らしいなぁとあらたな発見の日々。一緒に発酵生活を楽しむ仲間、どんどん増えてほしいなぁ。

日本から世界へ、日本の素晴らしい発酵文化がますます広がって、世界の人々と楽しく発酵しあったらとっても楽しくないですか!?みなさんもご一緒にワクワク楽しく発酵しちゃいましょう(笑)。

 

<まとめ>
お醤油を手づくりして変わった6つのこと


1.  お醤油を「買うもの」という感覚から、お醤油は「自分で作れるもの」という認識の変化が起きました。

2.  食べ物の背景にある「自然の働き」や「作り手の工夫」に敬意と感謝を感じるようになりました。慈しみや愛情で調理する気持ちがわいて、大切に使うようになりました。

3.  調理がシンプルになりました。少ない調味料でおいしくなるので、食材の本来の味を楽しめるようになりました。

4.  生きたお醤油は、季節や作り手によって味も変化。食と自然との結びつきも身近に感じられるようになりました。

5.  人生の捉え方に変化が生まれました。お醤油の発酵には「生命の多様性」「共存」の姿があり、多様な菌による絶妙なバランスに奥深い生命の調和を感じています。

6.  お醤油作りを通じて、日本の発酵文化の素晴らしさをより強く感じるようになりました。世界の発酵文化への興味も広がり、生活の楽しさもより豊かになりました。

 

より詳しく知りたい方は

ネット検索すると、醤油麹(醤油作り用の大豆とひきわり麦の麹)を販売している麹屋さんや、醤油作り体験の子供用キットもヒットします。麹の作り方やお醤油を自宅で手作りする方法も、いくつか発見できますよ。

安房さんのフェイスブックページ
で、お醤油以外にもさまざまな発酵料理を紹介しています。興味が湧いた方は訪れてみてくださいね。

 

安房さんに関する過去の読みもの

TOOLS 05  地球にやさしい甘酒の作り方
PEOPLE 01 安房滋子(醗酵菜食研究家) 安房さん流・地球にやさしい暮らし方 発酵ライフ


執筆:安房滋子 / 構成、編集:オーディナリー編集部


安房滋子

安房滋子

醗酵菜食研究家。熊本生まれ。大学卒業後、仕事をしながら、絵の勉強と制作に熱中。30代でインドを80日間一人で旅する。帰国後スポーツクラブでヨガクラスを受け持ち評価を得る。その後ブラウンズフィールドに出会い、発酵食や菜食料理に目覚め、「日常でできる菜食」をテーマに発酵を活かした食の仕事や発酵食の料理教室も開始。現在、食や心、自然や人とのつながりを大事にする暮らしを、育み提案していくような、あらたな生き方を開拓中。