【オーディナリー設立4周年】みんなの個展を巡ってきましたレポート

「ちょいと隣町まで行ってくる」5月20日でオーディナリーは4周年。日々の出会いと瞬間瞬間の感動を大切にしながら、作家、クリエイター、専門家たちと良いメディアを目指して精進していきたいです。さて、オーディナリーが応援している作家たちの個展が4つありました。
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オーディナリー設立4周年
みんなの個展を巡ってきましたレポート

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おーちゃんこんにちは、編集部のおーちゃんだよ。

5月20日で株式会社オーディナリーは法人設立4周年になりました。日々の出会いと瞬間瞬間の感動を大切にしながら、作家、クリエイター、専門家たちと良いメディアを目指して精進していきたいと思っています。
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さて、このところ、オーディナリーが応援している作家たちの個展が4つありました。その模様をレポートしていきますね。
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1.  たなか鮎子「コペルニクスの箱庭」展  in 銀座


たなか鮎子さん、初の立体作品展です。

コペルニクスの箱庭
銀座の不思議なビルの地下ギャラリーで行われました。このためにドイツはベルリンから帰国しました。

たなか鮎子「コペルニクスの箱庭」展
小さな空間に物語が出現。ギャラリーは静かなのですが、耳をすますと声や音楽が聞こえてきそうな錯覚がありました。

コペルニクスの箱庭
実物たちはこんな小さいのです。小人の世界に迷い込んでしまったかのような感覚になります。

たなか鮎子「コペルニクスの箱庭」展
本を読もうとしてるのかな? 何を話しているかはご想像にお任せ。

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向こうが気になってるのかな?

たなか鮎子「コペルニクスの箱庭」展
さっそく、このような立体作品が新刊の装丁に使われたり、出版業界から反響があるようです。

たなか鮎子「コペルニクスの箱庭」展
今はベルリンに戻っていますが、鮎子さんの今後の動きに注目です。

たなか鮎子さん
絵本作家、銅版画家
1972年福岡県福岡市生まれ、宮城県仙台市育ち、東京都在住(2013年よりロンドンへ)。 福島大学経済学部、東京デザイナー学院グラフィックデザイン科卒業。ロンドン芸術大学チェルシー校大学院修了。デザイン会社勤務を経て、個展を中心に活動中。2000年ボローニャ国際児童図書展の絵本原画展入選。JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)会員おもな絵本に『かいぶつトロルのまほうのおしろ』、『フィオーラとふこうのまじょ』など。書籍装画に『1リットルの涙』『数学ガール』など。2013年より、世界中の人に作品を届けるため活動拠点をロンドンへ。2016年現在ベルリン在住。

たなか鮎子公式サイト http://ayukotanaka.com/
公式ブログ http://ayukotanaka.com/blog/
アプリレーベル 「ピコグラフィカ」 http://picografika.com/picografika.com

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2.  若杉アキラ「題名の無い写真展」in 江ノ島


江ノ島駅を降りて海に向かってまっすぐ歩く道の途中に、若杉アキラさんの写真展の会場はありました。心地よい風と海の香りが届いてきます。

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若杉アキラさんは、iPhone写真家。ひとりで、家族と、どこへでも、手ぶらで気軽に散歩する道すがら、何のことはないけど特別な日常の一瞬を写真におさめています。オーディナリーでは、彼が「好きなことで生きていくまでの試行錯誤」を赤裸々に綴っています。残業地獄から逃げるようにサラリーマンを脱し、不動産会社を起業した彼を待っていたのはバラ色の日々ではありませんでした。

「起業さえすれば自由になれるはず」

そう信じて飛び出したけど、廃業の危機に直面。その後もさまざまな想定外に翻弄されていきます。不動産会社を起業した彼が、なぜiPhone写真家として活動しているのか。気になる方は、今後のエッセイで触れていくと思いますので、ゆっくりと続きをご期待くださいね。

若杉アキラ
編集部が到着すると、平日昼間にもかかわらず先客がちらほら。真っ白で可愛らしい建物のギャラリーです。若杉さんは江ノ島が好きで、以前このギャラリーでやっていた空の写真展に見入ってしまったのが縁で、オーナーさんと知り合い今回の個展が実現しました。

若杉アキラ
友人知人やブログの読者も来るし、通りすがりの方も立ち寄ってくれます。

IMG_0732面白いのは、「どの写真が一番好き?」と観覧者に聞くと、みんなそれぞれバラバラだったところ。

若杉アキラ
ちなみに深井さんが選んだ一枚は、この写真。

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この場に居あわせた、観覧に訪れたみなさんと記念撮影。別にそれぞれみんな友達というわけではありませんでしたが、この空間にいて若杉あっくんと話すとこの距離感になる。また来年もこのギャラリーで写真展をやります。

若杉アキラさん 
iPhone写真家/不動産会社経営。
1983年生まれ、妻ひとり、子供ふたり。大学卒業後は飲食店、不動産業界で勤務するものの、激務と残業の日々が続く。27歳で自由を求め独立起業。不動産会社の経営で週3起業を実践。しかし、自由な時間が増えても、それだけでは心が満たされることはない現実に虚しさを覚える。31歳、iPhoneだけで写真を撮り始める。2016年の夏には初の個展を開催。同年12月にもスポーツジムと共同で写真展「♯毎日がトラベラー」を開催する。現在、「週3起業家」として不動産会社を経営しながら、iPhone写真家として活動している。
ブログ「好きなことをして生きていくために」執筆中。
Instagram @akira_wk
Twitter @akirawakasugi

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3.  ハヤテノコウジ作品展示
「モレスキン POP UP STORE」
in  銀座・伊東屋


東京は銀座。高級ブランドが立ち並ぶエリアに文房具の伊東屋はあります。

ハヤテノコウジ

その地下のギャラリーで「モレスキン」が限定ポップアップストアを開店しています。

ハヤテノコウジ@モレスキン
そのモレスキン店舗の中央に、ハヤテノコウジさんがモレスキンの手帳に描き溜めた「スケッチジャーナル」(絵と言葉で描く旅日記です)の現物が展示されているのです。

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モレスキンを魅力的に使いこなしている作例として、「多くのユーザーの方々にインスピレーションを与えるだろう」ということで、モレスキンさんとコラボ。8冊の旅ノートがど真ん中に。

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本当は全ページめくってみて欲しいのですが、現物なので、紛失したらいけません。アクリスケースに収まってしまったのは、セキュリティー上、仕方ない。どんな画風なのか気になる方は、ハヤテさんのWEBをのぞいてみてください。

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ハヤテさんは、モレスキン関連本でも、よく登場しています。

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「うまく描こうとしなくていいんです。楽しみながら、旅で出会った風景や感情を記録していく。後で見返しても楽しいですし、人に見せてもいいですね。すぐに距離が縮まります」

オーディナリーでもハヤテさんのエッセイがそろそろ公開できそうなので、登場をお楽しみに。

ハヤテノコウジさん
スケッチジャーナル作家  / 文具ライター / イラストレーター
1972年生まれ。大手 PR 会社で広報全般に携わったのち、独立してフリーに。北欧好きのス ケッチジャーナル(旅日記)作家として活動している。文房具好きとして「毎 日、文房具。」「ブングスキー」などでライターも務める。「手帳で楽しむスケッチイラスト」「新 手 帳で楽しむスケッチイラスト」「イラストノート」「モレスキンのある素敵な毎日」等に登場。旅 雑誌「TRUNK」連載中。
WEB : http://koujihayateno.com
Blog : http://sync-ideas.net 
Twitter: @koujihayateno
Instagram: @koujihayateno

 

 

4.  石神華織里 ベルギーのズグラフィート装飾写真展
「道ゆく人を楽しませよう」in 成田空港アートギャラリー

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最後は、成田空港です。ズグラフィート研究家の石神華織里さんの写真展。日本の玄関、成田空港の5階スペースにあるギャラリーに編集部(深井、ふじた、むらかみ)が到着しました。

石神華織里@成田空港アートギャラリー「成田空港って、気分が高まりますよね」

会場を探す、むらかみさんと深井さん。そのまま旅に出てしまいたくなります。

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5階に着くと「ここだー」。

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看板がありました。

ベルギーのズグラフィート装飾写真展
「道ゆく人を楽しませよう!」

2017年5月25日(木)~2017年6月13日(火)

19世紀末~20世紀初頭にベルギーの首都ブリュッセルで、「独自の街並みづくり」と「通りをギャラリーにしよう」と市民参加型の取組みが行われました。その一つとして、建物の外壁に絵を飾るように、ズグラフィート(sgraffito;掻き落し)技法でフレスコ画を描きました。デザインは当時流行のアール・ヌーヴォーやアール・デコが多く使われました。今も残る4,000~5,000軒を撮影するプロジェクトの成果として、約1,000軒の中から10点をご紹介します。

空港内にもいたるところにこのポスターが貼られていました。

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そっとのぞくと、石神さん発見。観覧者の方と熱心に話していました。お邪魔しないようにそろそろと中を見ます。

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こんなに広い、贅沢なスペース。これから空の旅に出る旅行者が「何だろう?」と立ち寄ってくれます。その度にもちろんこの質問。

「ズグラフィートって何ですか?」

べルギーの住宅の壁装飾のことなのですが、知らないですよねぇ。

石神華織里ズグラフィート
こういう壁画です。ズグラフィートは、フレスコ画の一技法です。

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深井さん、石神さん、むらかみさん。撮影、ふじたさん。

今回の展示をイメージした色のガーベラを差し入れしました。

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飛行機までの待ち時間に立ち寄ってくださった旅行者の方が、興味を持っていただき記録に「写真撮らせてください」と。こういう出会いから、「ズグラフィートの魅力」を伝えるための次のチャンスが生まれたりすることを願って。

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深井「よくがんばりましたよねぇ」
石神「友達が作業を手伝ってくれて、助かりました」
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オーディナリーでのエッセイ「ズグラフィートに魅せられて」を「読みましたー」と言ってくれた観覧者もいたとか。嬉しいですね。まだの方は、目を通してみてください。続きも、展示が落ち着いたら公開されます。

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海外に出かける人が集まる成田空港。その中で、ひとりでも多くの人に「ズグラフィートって何?」と気になってもらえたら、嬉しいです。6/13まで開催中。

石神華織里(いしがみかおり)さん
ズグラフィート研究家。 1982年、千葉県生まれ。神奈川大学工学部建築学科卒。卒業後、英国で内装装飾を学び、その間にブリュッセルを訪れ、住宅の外壁に絵画をかけるように装飾された色鮮やかなズグラフィート(フレスコ画の一技法)に興味を持つ。イタリア発祥と知り、フィレンツェへ飛ぶがモノトーンで幻滅。ベルギーの特異性を知るきっかけとなる。帰国後、壁画 LABO へ行き、専門家からも知られていないとわかり、ズグラフィートを広める活動を始める。2011年「第1回フレスコ展」に出展。論文を書くため、武蔵野美術大学通信教育課程編入学。卒業後、約3ヶ月ベルギーで約1300軒のズグラフィートを撮影。現在、建設会社で勤務する傍ら、ズグラフィートの研究と啓蒙活動にいそしんでいる。

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番外編   ついでに成田山ぶらり旅です

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編集部一行、せっかく成田に来たわけなので、ちょっとした「ぶらり旅」でもしようではありませんか。というわけで、パワースポットである成田山新勝寺にお参りして帰ることにしました。

成田山
特に狙ったわけではないのですが、ちょうどこの日は5月の縁日で、お参りするにはもってこいの日だったようです。

成田山
水が気持ちいい季節になりました。

成田山
成田山といえば、初詣で混むこと(明治神宮に次いで関東第2位)で知られますが、この日はゆったりとお参りできました。むらかみさんは御朱印帳を書いてもらっていました。

成田山火渡りの儀式もやっていて、一般の方も参加できるようでしたが、長蛇の列だったのでやらず。見るだけ。

成田山

儀式が終わると、ホラ貝の音とともに移動していきました。

成田山成田山新勝寺は、山全体がお寺なので敷地が広い。

森の小道に迷い込むと、おやおや、何かを見つけたようです。

成田山深井さんのパワースポットセンサーが反応!

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滝だー。

成田山 名取亭 うな重
成田山の名物といえば、周辺に70軒もあると言われる鰻屋さん。
名物なんて言われたら、味を確認したくなるじゃありませんか。

さあ、真剣に確認です。

「こ、これは….」

名取亭
さすが名店と噂のうな重。とろけるような食感でびっくりしました。これ焼くのに30分かかるって、つくる方も大変だ。3500円。

深井さんも「大吉」ひいたし、みんな幸先良さそうですよ。4歳になりましたオーディナリーを引き続き、ご贔屓に。

 


編集部

編集部

オーディナリー編集部の中の人。わたしたちオーディナリーは「書く人が自由に生きるための道具箱」がコンセプトのエッセイマガジンであり、小さな出版社。個の時代を自分らしくサヴァイブするための日々のヒント、ほんとうのストーリーをお届け。国内外の市井に暮らすクリエイター、専門家、表現者など30名以上の書き手がつづる、それぞれの実体験からつむぎだした発見のことばの数々は、どれもささやかだけど役に立つことばかりです。