決して欲張らないこと、そして頑張らないこと。あくまでも自分との約束なので、甘くても、大目に見てあげることも良しとします。緩やかで柔らかい義務感を意識してください。一日ひと片付けは、「今日はこの棚の一段だけを片付けよう」と目標を定め、完了した時点で終了
一日ひと片付けで、小さな幸せを積み重ねていく
Sarah ( インテリアコーディネーター )
自由に生きるために
余力を残して、美しく整えよう
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緊急事態宣言が出ました。日本人としては、耳馴染みのない言葉です。不要不急の外出を自粛することが、ふんわりとした義務感から一気に緊張感を伴うものへと変わってきました。
外出を控えることで、家で過ごす時間が、たっぷりとできました。つい先日までは、週に二日の休日が待ち遠しく、短すぎると感じていましたが、今は時間が潤沢にあると感じています。
最初の頃は、この豊かな自由時間が嬉しくて、あれもこれもと予定を入れ、悦にいっていました。結局、欲張り過ぎた予定は日を追うごとに少なくなり、淘汰されていきました。その中で唯一、残ったものがあります。
それが、今回ご紹介する「一日ひと片付け」の習慣です。
この習慣は、担当しているお客様との会話から生まれました。通常、新居のインテリア打ち合わせは、幸せ色の温かいオーラに満ちていることが多く、私も幸せのお裾分けをいただいています。
そんな中に一人、ため息ばかりつかれるお客様がいらっしゃいました。お話を伺うと、引越しの日が迫っているにも関わらず、自宅の片付けがまったく進まないため、途方にくれているとのことでした。
手伝いを申し出てくれる人もいるそうですが、「大切なものをゴミと判断され、捨てられることが怖くて頼むことができない」と、ため息まじり。「片付けに心がとらわれた状態では、新居のインテリアに気持ちが向かない」と、その日の打ち合わせを拒否されました。
こんな時は、聞くことに徹することで、お客様の気持ちをほぐし、心を整えていただくアドバイスに切り替えます。その時、わたしが口にしたのが「一日ひと片付け」でした。
洋服をたくさん持たれていたので、まずは17棹あるタンス類の整理から始めることを提案しました。目標は、一日一棹。「それ以上は片付けない」と決め、一棹に集中すること。疲れたり、飽きてしまったら無理をしないで、すぐにやめて休むこと。引越しまで約2か月あれば、60カ所の片付けができます。そうお話すると、お客様は少しだけ笑顔になって帰られました。
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継続するためには、欲張らないこと、記録すること
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外出自粛の今、この機会にと、断捨離や大掃除をする人が増えているとニュースで知りました。そこまで大袈裟である必要はありません。
一日のほんの少しの時間を、気分転換を兼ねた片付けに充てることを決め、継続する努力をします。続けることに重きをおくように心がけます。それは、自分から自分に課した義務と考えてください。
ポイントは、決して欲張らないこと、そして頑張らないこと。あくまでも自分との約束なので、甘くても、大目に見てあげることも良しとします。緩やかで柔らかい義務感を意識してください。
一日ひと片付けは、「今日はこの棚の一段だけを片付けよう」と目標を定め、完了した時点で終了します。「もう少し頑張れるかな?」と余力を残すくらいでやめることを心に留め置いてください。
次に、片付けが完了した棚や引き出しの写真を撮っておくことをお勧めします。記録に残すことで、その状態を維持しやすくなります。次に片付けるときは、写真どおりに戻すだけで簡単に作業が完了します。1枚の写真は、記録だけではなく、その場面で感じた達成感や心の動きも記憶に残してくれます。
・疲れが身体だけではなく、心にも重く溜まってしまう片付け
・棚や引き出しを前にして、その美しさに気分が高揚する片付け
二つの違いは、心と身体の余力の残し方にあると思います。片付けなくては…と常に心の片隅に引っ掛かりのある人にこそ、お勧めしたい方法です。一ヶ所だけでも美しく整うと、心まですっきりとクリアになります。
一日ひと片付けで小さな幸せを積み重ねていく。もちろん、積み重ねた結果、大きな成果と大きな幸せを受け取ることができると思います。
逆に一話完結型の幸せの積み重ねも良いのでは、と思います。達成感がもたらす心の動きを、日々感じながら過ごすことも幸せだと思います。
まずはハードルを下げてみましょう。
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まとめ:目標の日までに荷物を片付けるには?
1. 「1日1カ所以上は片付けない」と決める
2. 完了した棚や引き出しの写真を撮っておく
3. 心と身体の余力の残すこと
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