ほぼ全員のメンバーが世界一周を経験
第2章 編集部が訪れた恵比寿ハウス DATE : 2013 / 8 / 13
【以下からの続きです】
インディペンデントな生き方を探求するオーディナリー編集部が、恩田くんが旅男子9人で暮らすシェアハウス『恵比寿ハウス』を訪問。シェアメイトは、ほぼ全員のメンバーが世界一周を経験し、オープンで自由な暮らし方を選択をしている、旅好きな仲間たち。 シェアハウスのエピソード、仲間のこと、将来の展望、話はどんどん盛り上がる・・・
[ 目 次 ]
1 . 旅好きの仲間が集まる「恵比寿ハウス」とは?
2 . 男9人シェアハウス。外国の旅人も集まってくる
3 . 表も裏もない僕ら。プライベートって何ですか?
4 . 笑って泣いて、惜しみない友情を
5 . リアルが充実するには、仲間がいないと
6 . 自分で舵をとって働きたい
1 . 旅好きの仲間が集まる「恵比寿ハウス」とは?
お話してくれた人 恩田くん(恵比寿ハウス / 大企業を辞め世界一周へ) 翔くん(恵比寿ハウス / 大企業を辞めTABIPPOを法人化) よーじくん(恵比寿ハウス / 大手人材会社勤務) おびくん(恵比寿ハウス / 学生、アリエッティーズ) 聞いた人 深井次郎(ORDINARY / 文筆家) |
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深井 僕は今日、これから世界一周の旅に出る恩田くんが暮らしているシェアハウス「恵比寿ハウス」の仲間とのユニークな暮らし方ついてお聞きしたいと、お邪魔しました。メンバー全員が元々仲間で、しかも男9人のシェアハウス。しかもみんな「旅好き」というのも面白いですね。
翔 「若者の旅離れ」とか「海外離れ」と言われていますが、この恵比寿ハウスは世界一周して戻ってきたとか留学したりといったやつばかりです。恩田くんもそうですが、自分のやりたいことを進めるために海外にでていこうという感じなんです。
深井 仲間でやっている感じが面白い。これから皆さんで会社を起こしていくと聞いたので、そのあたりの流れも注目しています。起業するというと、「起業するビジネスモデルが決まってから仲間を探しだして」というパターンが多いけど、「今いる仲間でできることを考えた」という流れも面白い起業パターンかと。いろんな起業のやり方があるよ、という事例として紹介できれば、世の中にも参考になるかなぁと。どんな感じで考えていますか。旅系の起業家として、古くは「H.I.S」創業者の澤田秀雄さんなどがいますが、みんなのTABIPPOはどの立ち位置でしょうか?
翔 僕らは学生時代から、旅団体TABIPPO(たびっぽ)を主宰しています。今後のビジネスは模索中ですが、できることはいろいろあります。例えば、ウェブ上には統計的な資料がたくさんありますが、それでは若者の購買行動がわからない。大手の旅行会社はどこも若者を取り込むのに苦心していて。同世代の若者同士なら、ソーシャルを使って交換できるような情報がとれていないんです。そこで僕らが、企業向けに若者のマーケティングやクラスタ分析でデータを収集し、タイアップするような企画がすでに動いています。構想段階ですが、旅に行きたくなるような若者が集まる旅系のウェブサービスをつくるとかもあるかな。
深井 TABIPPOのまわりにはこれだけ旅好きの若者がいるので、ここで集めた情報を企業に渡すというビジネスも成立しそうですね。
翔 はい。大手通信企業からは「何かやってよ」と。
深井 すでに「何かやってよ」と頼まれる状況にあると。
翔 そうですね。毎年2,000人くらいの規模の旅イベントをやっていて、企業さんに付いていただいたこともありますが、大きなイベントに学生が集まっているということが各企業の方から認知されている。現在は、いろんなつながりで向こうから声をかけていただいています。
深井 そういう状況がすでに作られているのであれば、回りだすのは早そうですよね。
翔 でも、どのビジネスを主軸にしていくかということが全然決まっていない。ここに住みながら、オフィスは別途準備しますが。あとは、ここに転職のエキスパートがいるので。
よーじ はい、僕は転職のエージェントをやっています。旅から帰って就職活動をしている方を紹介するとか、これから海外で働きたいという学生を紹介できたらいいなと。僕達がいままでやってきたのは旅に行く前と旅先の情報提供でした。でも後ろがなかった。行って帰って「じゃあ、どうする」というところで、仕事という選択肢について情報提供できれば。
深井 「旅から帰ってきた人」に共通する強みは何か。それを企業にアピールできたらいいですね。「旅から帰ってきた人はこうですよ」、「面白い人いますよ」って。
翔 僕らの大きなビジョンとして、日本の若者がもっとガンガンに海外に行くとか、オープンマインドな日本人が増えること、人見知りで、一人で鬱々とする、人生を楽しまない、自殺者が多い日本人という雰囲気を、旅という切り口から変えたいということが前提としてあります。そのためにイベントを開催する、情報発信をする。先ほどの話にありましたが、旅人が帰ってきたときに安心して就職することができれば、もっと旅人が増えると思います。そのビジョンに向けて、できることはたくさんある。それをビジネスにしていくという。
深井 いいですね。僕たちも出版社を作ろうとしています。最初はウェブですが、紙媒体も年何冊か出していこうと思っています。僕達が考えているのは、我慢しないで「好きなことを活かして自分らしく生きる」人たちが増えたらいいなということ。プライベート、仕事と分けるのではなく、全部一緒くたになっている。皆さんの場合はそれが旅かもしれませんが、好きなことを掘り下げてたら仕事になってしまったというような生き方が幸せなのではないかと考えています。そういう「自分らしい生き方」を探求する人たちをまわりに紹介していきたいんです。それって特別な人たちではないし、これからもっと普通になっていくだろうし、「普通」だからこの媒体名を「ORDINARY」と名付けたんだけど。もっと肩の力を抜いて、人からどう見られるかではなく、自分が好きな道を生きて、やりたいことに挑戦したらいいんじゃないかというメッセージを発信していこうと思っています。
一同 いいですね
深井 その一例としてユニークな暮らし方をして、旅に出る恩田くんがORDINARYでコンテンツを書いてくれたら、読者の刺激になると思うんです。世間で言う「いい大学」と呼ばれる大学に行って、「いい会社」に入ったのに辞めてしまって旅に出てしまうと。「将来に不安とかないのですか」と聞かれても、「ありますけど、べつに」みたいな。海外の若者とも話をして、日本の若者はこう考えるけど、この国の若者はこういう考え方をしてとか。恩田くんが1年間海外に行って日本に帰ってきてどうなるか、変わっていくのも楽しみなところ。このシェアハウスから新しい旅行系の仕事が生まれていくのか、といった住人皆さんの動向も気になります。
2 . 男9人シェアハウス。外国の旅人も集まってくる
深井 会社も遅くまであって忙しいだろうし、9人の住人全員が揃うってなかなか大変じゃないですか。
恩田 月一回、家族会議をやります。ただ9人だけで飲むという。全員の現状報告と、何を考えていて、何を悩んでいて、言いたいこと全部言います。
深井 楽しいでしょう。
翔 月一でパーティーもやっています。旅系のゲストスピーカーも呼んだり。毎回50人とか60人集まります。
深井 このスペースにたくさん入るんだ。
翔 僕らも海外で利用していたんですが、Couch Surfingという旅行者がタダで泊まれるサービスに登録しているので、外国人も結構来ます。もう何十人も泊まってもらっています。基本的にみんな英語が話せるので、コミュニケーションの質は高いです。
よーじ 僕も貧乏学生だったから、お金がかからないCouch Surfingをすごく使っていました。暇だったりすると宿主が案内してくれたりするのが楽しかったですね。地元の人がいちばんその地元の楽しいこと知っているじゃないですか。その土地にはその土地の何か、地元の人しか知らないおいしい食べ物がある。そういうことが楽しくって、逆に来たときは自分が連れていってあげようと思っています。僕らが楽しんでいる本当のジャパンを案内してます。
深井 「本当のジャパン」って、たとえばどこに連れて行くんですか?
よーじ 居酒屋とか。居酒屋って外国語のメニューがない。中国人とかは漢字が読めるからいいけど。英語のメニューが置いてあるところは高いじゃないですか。それって必ずしも美味しいわけではないし。それよりも、日本の学生って居酒屋でこういうものを食べているんだよって。
翔 単純に「僕らの生活に連れていく」という感じですね。ローカルな若者の生活。例えば「今日何食う?」って言うとラーメンか松屋か、といったところに入って。カラオケに行くとか、飲みに行くとか、僕らが日頃やっている生活に連れて行く。そこが外国人向けに観光案内をするというのと違う。
深井 僕も旅に出るなら「向こうの日常生活に入りたい」と思います。日本に来る外国人も同じことを思っているのではないかということですね。
よーじ 一概には言えないのですが、Couch Surfingを使っている人は、旅行者の目線からもう少し降りた地元の、ローカルな人の目線で旅をしたいなと。そこは使っている人が共通認識を持っていると思います。
3 . 表も裏もない僕ら。プライベートって何ですか?
深井 9人でシェアハウスで暮らすことの面白いところは?
翔 面白いことばかりですね。
翔 他のシェアハウスと圧倒的に違うのは、一人一部屋ではない、空間も、モノも全部みんなのものということですね。
よーじ 基本的には二人部屋とか割り振っていますが、遅く帰宅して自分の場所に誰かが寝ていても文句は言えない。そういう感じです。
翔 プライベート空間に対する概念が違いますね。
よーじ 明確に決められたルールがないですね。
翔 元々、ガッツリ仲良かったメンバーでスタートしているので。
深井 そこは阿吽の呼吸みたいなもの?
翔 そうですね。
恩田 嫌だったらすぐ「嫌だ」と言います。
深井 それ大事。たとえば最近、NGを出したことは?
よーじ そう。僕がやらかしてしまいました。昨日、東急ハンズに芝刈り機と高枝バサミを買いに行って「どんなものがいいですかね」って、28,000円くらいの芝刈り機を23,000円くらいに値切って、あとは7,200円くらいの高枝バサミを買っていざ帰ろうと。実は芝刈り機については「まずいかな」と思ったんだけど…。
翔 買った家のものは、みんなでお金を出します。
深井 つまり、よーじさんが芝刈り機を相談なしに買ってしまった?
翔 一旦、相談なしに進めて、その後「どう」って相談はあったのですが…。
よーじ この時間みんなでLINEを見ているわけではないじゃないですか。僕は10分くらい返信を待っていたものの、「最悪の場合返品すればいいから買っちゃえ」って思って。僕も値切りに値切っていたから買わざるを得なくて(笑)。会計終えて帰ろうと思ったらLINEで「それじゃダメだ」ってきた。
深井 値段が高いって?
翔 値段は高いし、レンタルでいいじゃないかと思う。
よーじ でも、僕の中では高枝バサミが必要だった。
おび あはは(笑)
深井 もともとが仲がいいメンバーだから、明確なルールはいらないんだね。
翔 ルールがないのがこのシェアハウスの特徴ですね。洗濯も一緒にするし、風呂も一緒に入ります。
よーじ 俺は一緒に洗濯しない。
翔 人によるか。
深井 完全にオープンマインドなんですね。
よーじ (一緒に浴槽に浸かる写真)ちなみにお風呂はこんな感じに入ります。(鴨居の上に掲げられているジャージ写真)これは韓国旅行です。
4 . 笑って泣いて、惜しみない友情を
恩田 僕らの家で特徴的なのは、それぞれの誕生日パーティーをすること。
翔 これは結構凄いです。誕生日はサプライズです。例えば、メンバーのヒデの誕生日の企画で「この家で合コンするからみんな早く帰ってきて」という嘘を1ヶ月前くらいからついていたんですよ。
恩田 僕なんて、その嘘を当日まで信じていました(笑)。
翔 みんなは誕生日のヒデだけを抜いた「サプライズLINE」で隠密行動で計画をすすめていました。ヒデが帰宅すると、よーじしかいなくて、ピンポンとチャイムが鳴って、ヒデが出ると、知らない女の子によーじからの手紙を渡されるんです。ヒデが「よーじこれ何?」と言ったらよーじがいない。手紙の最後に「地下室にプレゼントがあるから行ってね」と。地下室に行ったら僕からの「誕生日おめでとう」みたいな手紙を6人分の手紙を家中で探す仕組みになってて。6人目の手紙に「家の外にタクシーが停まっているから乗ってね」と書いてある。外には本当にタクシーが停まっていて、知らない男に目隠しされて恵比寿ガーデンプレイスのロブション前に連れて行かれるんです。そこでは、僕ら全員がスーツでビシっとキメて「Happy Birthday」を歌ってて、他にも友人50人くらい出てきてもらって・・・というサプライズ。自転車をプレゼントして、その後そのまま誕生日パーティをしました。
よーじ でも、ヒデのリアクションが最悪すぎでした。
翔 感動し過ぎて、反応できなかった。
よーじ で、夜中の3時くらいにやっと泣き始めた。「なんて俺は幸せ者なんだ」って。みんなが注目しているときにやってくれればいいのに(笑)。
翔 誕生日は凄いです。
深井 それは結束が深まるよね。誕生日の難しさは、毎回やっているとサプライズのハードルが上がってしまうところ。
恩田 僕らも「来る」ってわかっているので。
深井 「前回を超えていかないと」という感じ?
翔 結構大変です。
5 . リアルが充実するには、仲間がいないと
深井 こういう仲間ってつくろうと思ってもつくれない。憧れる人は多いと思います。いわゆる世間で言う「リア充」(リアルが充実している人)とは皆さんみたいなことなんだろうか?
翔 申し訳ないことに、そうだと思います(笑)。住んでいる皆が友達を呼んでくる。友達が多いし、完全オープンなので、一緒にいたら自然と仲良くなります。
恩田 9人いるので、単純に誰かが1人ずつ呼んだら18人になりますから。
深井 「我こそがリア充」だと。
翔 女っ気がなくても、男だけで充実しています。
深井 仲間ってお金で手に入るものではないですよね。震災後、人のつながりを強く意識しました。コンビニに行っても何もなかった。食べ物をどうするのかってとなったときに、皆で分けあったり。震災以降、シェアハウスの関心も高まってきているようですね。人と関わることの大切さを考える人が増えてきていると感じます。
よーじ 震災のときに海外の友達からは「大丈夫なの」というメールがたくさん来ました。「放射線危なくない?」とか。「放射線は目に見えないからわからない」って返したけど。
翔 海外から見たら、日本全部が揺れていてというイメージになっていました。
深井 震災以降、自分たちには影響はありましたか? 考え方が変わったとか。
翔 ライフスタイルが変わることは、ほとんどなかったですね。直接被災していないので。
よーじ 当時、就活が暇になったので、被災地にボランティアに行きました。テレビで見ているのと違うと言うか、現状はひどいまま。復興が進んで来たという話を聞いていたものの、見たら全然。幹線道路はきれいになっていましたが、ちょっと外れると全然。マスコミって操作したいじゃないですか。「頑張ってます」って。でも頑張れなくなっちゃった人もいるし、必ずしも「そうじゃないな」ってくらいには思ったものの、それ以上に自分がこれからこういうふうに生きるんだというのは、直接被災していないからわかりませんが、そんなに自分の中で大きく変わったということはありません。
深井 シェアハウスも震災以前から住んでいたし。これといって大きな変化はなかったですかね。
翔 3月10日にTABIPPOの大きなイベントをやった次の日が地震でした。そのイベント自体が3ヶ月以上の準備があってとても大変だった。それからは燃え尽き症候群で、地震もあり外に出れない状態。地震は僕らにはあまり影響はありませんでした。
6 . 自分で舵をとって働きたい
深井 これから旅に出る人と、ここでビジネスをやっていく人、継続して働いていく人。いろんな人生がこの家で交錯してますね。
恩田 今この家で真面目に働いているのはよーじとヒデくらいです。あとは辞めているか、これから2人辞めます。
よーじ 恩田くんとルイの2人以外は全員大学生を5年以上やっています。翔と自分ともう1人は5年卒で、アリエッティーズの3人のうち2人が5年生、1人が6年生です。こんなに大学生活を楽しんでいる。
深井 そういう過程があるので、「他の人と同じレールに乗らない」ことに慣れているのかな。他人の目を気にしていない感じ?
恩田 他人の目は気にしていない。
深井 働き方に対する考え方についてなんですが、他の人とは違うということは、雇われない働き方も視野に入れている? どういう働き方が理想なのだろう?
恩田 他の人はわかりませんが、僕は会社でずっととは考えていない。3〜4年で力をつける。
よーじ ひとつのところに一生働く必要はないなと。現実的ではないので。会社で働けたら楽ではありますよね。何かあっても会社の責任にできるので。今の仕事は基本的に個人で全部やらなければならない仕事ですが、最終的には会社の責任。とても守られているので楽だなと思います。
翔 僕が会社について思うことは2つあります。僕は大手IT企業にいたのですが、その会社にいることが安定なのか、一人で食っていける、今のうちにポンっと大海原に一人で放り出されて泳ぎだすほうが安定なのかと考えたときに後者のほうが安定だと思います。ソニー、パナソニック、シャープなど「絶対安定だ」と言われていた企業でもクビ切られる時代に、その会社にずっといて、例えば40歳でリストラされたらどうするのということになると思います。今のうちに、ちょっと怖くても一人で食っていけるかわかりませんが、外に出ることのほうが後々安定するのではないかなと。自分一人の食い扶持は稼げると思うので。
深井 20代の早いうちに出ておこうと。
翔 そうですね。それと、これはみんな共通認識としてあるのですが、会社でやっていること、週5日、人生の5/7を他人のビジネスに費やすのがすごくもったいない。全ての時間を自分のやりたいことに費やすほうが人生は豊かになると思います。
深井 すごくわかります。
恩田 僕はイベントをやった時に、最終決定権が全て自分にあることが楽しかった。自分で舵を取るほうが絶対に楽しい。それがうまくいくかどうかはわからないけど、とりあえずやってみようと。「会社の決定にそって調整していこう」というのに対し、自分たちのビジョンがあってそれを調整していくほうが楽しい。別に自信はなかったのですが、安定かどうかは気にしない。
深井 自分で舵をとることに喜びを見出すタイプなんですね。
恩田 僕がここに集まったのは、もともとそういう思考の持ち主だったからかもしれません。ここ2年間、会社で働いてきたことをまとめてみたのですが、会社に入ったときは別に何がやりたいかわからなくて入りました。戦略コンサルタントでも何でもよかった。厳しい環境だったらどこでもよかったというくらい。僕が入った会社は新卒で経営者を育てるというところだった。そこは何かをスキルアップするための場所で、長くいるところではない。何かをずっと考えなくてはならなかった。そういう中で、TABIPPOが「今年、法人登記します」という動きになった。
深井 入った会社では、経営の基礎を学べたという意味ではよかった?
恩田 それはそうですね。入ったのは間違っていなかった。
深井 恩田くんは、けっこう計画的に事を進めていて、単なる無鉄砲ではないという気がします。
恩田 そうですね。
よーじ 考えているというよりは、ある程度、「こうだね」と道筋を決めるまでは動かないよね。決めたら動くけど。
翔 僕の場合は「一旦辞めよう」と会社を辞めました。誘いがあって辞めてもいいなと。転職が正規ルートではなかったので2ヶ月待ちましたが。このままいると、責任者となって辞められなくなる。そのままずっといると歯車のようになってしまう。
深井 このままだと辞められなくなる。そのあたりに怖さがあったわけですね。
翔 1年目とか2年目に役職が与えられる会社だったので、そのままいたら辞められなくなるなと思いました。それに対して、恩田くんは、就職が決まって卒業する直前にTABIPPOに関与してしまったことで、目標意識がはっきりした。僕は仕事に対し「違うな」という認識があったにもかかわらず、なかなか辞めきれなかった。そのあたりの決断力が違うなと思います。
よーじ 恩田くんが偉いなと思うのは、土日に人に会って情報を持ってくる。自分が何をやりたいか考えながら、自分が何をやりたいかわからないながら、動いていたと思います。最終的に出した答えがね。計画的と言えば計画的なんです。
【インタビュー終了】
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旅するように人生を歩き、旅するように働いていきたい。普通の枠におさまらない。今後の「恵比寿ハウス」TABIPPOの活動がどのようなストーリーを描いていくのか。若者に影響を与えていくのか。楽しみで仕方ない。
【TABIPPOとは】 世界一周のムーブメントを日本に。より多くの若者が 一歩踏み出せるようなきっかけを創る団体。 http://tabippo.net なんとTABIPPOから旅本が2冊同時出版!2013年12月26日、乞うご期待 http://tabippo.net/book_02/ |
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旅に出た人 恩田倫孝(おんだみちのり) 通称:みっちー。1987年生まれ。新潟出身。慶応大学理工学部卒業。商社入社後、2年4ヶ月で退社。北方謙三の『水滸伝』の志と村上春樹の表現と岡本太郎の情熱を好む。椅子に座る時の姿勢のよさに定評がある。旅男子9人のシェアハウス「恵比寿ハウス」を経て、現在、「旅とコミュニティと表現」をテーマに世界一周中。 http://michinorionda.com https://www.facebook.com/michinori.onda |