【第024話】ヘンライ先生の言葉10選

表紙を取り外すと書かれている言葉

表紙を取り外すと書かれている言葉



真実を描け
作品がきみそのものだ

 

先ほど、Twitterの創業者ジャック・ドーシーさんのスピーチの記事を読みました。彼が『アート • スピリット』(ロバート • ヘンライ著)について、人生の転機で影響を受けたと語っていまして、嬉しくなったので紹介しますね。この本はぼくも好きで、ことあるごとに紹介してきた本です。今までさまざまな学びの場をつくるにあたって、とてもインスピレーションをもらいました。ぼくは読みながら刺さった箇所に線をひくのですが、その箇所を勝手にベスト10として選んでみました。コメントもつけています。

ロバート • ヘンライ (1865-1929)アメリカの画家、教師

「傑作を生みだせ、君自身と同じくらいの傑作だ」ロバート • ヘンライ (1865-1929)アメリカの画家、教師

 

では、勝手にベスト10、発表です。

第10位「なんらかの強さがないものは美しいとはいえない」
勇気が人の心を打つのです

 

第9位「人を満足させたいと思うなら、その前に自分を満足させなければならない」
自分のコップを満たせていない人が、人のコップまで満たせる余裕はないよね。

 

第8位「古代のインディアン部族においては、天分はすべての人に与えられるごくありふれたものだった。それは当たり前の日常だった。(中略)人はその存在のすべてにおいて霊的な存在であり、天才であり、一人の芸術家だった」
すべての人は、アーティストである!

 

第7位「結局のところ、目的は芸術を作りだすことではない。人生を生きることが目的なのだ。人生を十分に生きた人々があとに遺したものがあるとすれば、それが本物の芸術である」
人生を十分に生ききることがアートなのだ。

 

第6位「きみにぴったり合う学校はないだろう。きみにふさわしい助言はひとつもない。(中略)あらゆる学校は、きみが自分の学校をつくりあげるまで待つことになるだろう」
どんなによい学校でも、自分を教えるのは自分しかいない。あらゆる教育は自己教育でなければならない。導き手になるのは自分だけ。進むのはかつてない新しい道だからである。知るべきことは、自分で手探りするしかない。

 

第5位「創作への動機がないのに技術だけ先に学ぶのは意味がない」
上手い下手よりも思いが大事。それがないと始まらない

 

第4位「この冬の間に、きみが二百か三百点の作品をしあげれば、そのうち十数点はかなりよい出来にちがいない」
 量をつくりなさい。手を動かせ。

 

第3位「敗北を乗り越えることさえ楽しみとしなさい。画家はこの世で最高の仕事なのだから、描きつづけなさい。ものの見方は多種多様だということ、判断は自分で下すものだということを学んでほしい」
拒絶を恐れず。すぐれたものをもつ人間はみな拒絶を通過してきたといいます。

 

第2位「自分の正直な感情を大切にし、見逃さないこと。(中略)わたしは自分の知識をきみたちに伝授しようとは思わない。むしろ、きみたちのほうが知っていることをぜひわたしに話したいという気持ちになって欲しい」
実践にまさる学びはありませんね。教師の役目は、話すことではない、聞くことなのだと思う。

 

第1位「心の底から信じていることを伝えようとし、そのために闘い、信念を抱くに至った理由を他人に説明しても受け入れてもらえず、失敗する。そんな失敗は成功である」
つまり失敗はないのです。

 

いかがでしたでしょうか。では、ランク外になってしまった言葉も、もったいないので載せておきます。

【おまけ / 番外編】

 

理解できたとき、初めて私たちはそれについて語れる。
人は自分が見たものを本当に理解できたとき、絵に描くことができる。

→ つくり手がつくりながら成長するのは、理解するものが増えていくからですね。

 

 

目の前にモデルをおくより、むしろ見えないほうがよい、と思う。
そして、そんな瞬間が来なければ、その作品は表面に見える以上のものにはならないだろう。

→ 記憶や想像の部分が、あなたの価値である。お手本を超えてこそ価値。

 

 

筆遣いがあまりに露骨だと、
絵具の存在を気づかせてしまう。

→ 簡単なように見えるものが美しいものです

 

 

むずかしいのは、
表現することよりも、見ることである。

→ 答えを出せる人より、問題をみつける人が少ない

 

 

若者を判断するのは老人たちの役目ではないということに、
まだ気づかないのか?(中略)

賞を与えるのは、他人の仕事のやり方を支配しようとすることである。

→ 芸術における賞やメダルの悪影響について主張。取りやめにすべきと語った。

 

 

リンゴの木を育てるときに、
梨の木や桃の木のような世話はしないし、
丘の葡萄畑と同じ扱いはしないはずだ。

→ 万人に合う教育はない。一人一人に向き合うしかない。

 

 

この世の自由な人びとは、
さまざまな方法で自分にとっての美を発見し、
人に伝えようとする。

→ 伝えたくなるのが人間だ

 

 

あらゆる人が自分の好きなものについて語ったらいいのに。
少しも好きになれないモデルの肖像画を描く画家は
じつに不幸である。

→ モデルは自分で選びましょう。もしくは良いところを見つけて好きになりましょう。

 

ただ月謝を払うだけで、
学校のいいなりに流されていってはいけない。
行進に混じって、ただ進んでいくだけではいけない。

→ 列に並ぶな。自分の道をつくろう。

 

 

以上、なにか感じるものがあればうれしいです。ではまた明日!


深井次郎

深井次郎

ORDINARY 発行人 / エッセイスト 1979年生。3年間の会社員生活を経て2005年独立。「自由の探求」がテーマのエッセイ本『ハッピーリセット』(大和書房)など著作は4冊、累計10万部。2009年自由大学創立に教授、ディレクターとして参画。法政大学dクラス創立者。文科省、観光庁の新規事業に携わる。2013年ORDINARY(オーディナリー)スタート。講義「自分の本をつくる方法」定期的に開講しています。