【レポート】KIDS WORKSHOP 深井次郎 × 仲村和泰先生

8月の1ヶ月間、校内全館で行われた『 IID KIDS WORKSHOP 2013』

8月の1ヶ月間、校内全館で行われた『 IID KIDS WORKSHOP 2013』


2013/08/18
本をつくろう − 未来のおうち編 −
KIDS WORKSHOP  @ IID 世田谷ものづくり学校

2013年夏休みKIDS WORKSHOP第2回目は家×本! 建築家の仲村和泰さんをお招きし、「未来のおうち編」を開催しました。専門家の道具を使って、建築家になりきって「こんなおうちに住みたいな」を一冊の本で表現してみました。

 

出来上がった本たち

出来上がった本たち


VOICE 
「こんなに大胆でいいんだね!」

娘は帰りの電車の中でもずっと自分の本について話していました。(参加者のお父さんより)

建築と本ってどんな風にコラボレーションできるかな? KIDSたちの想像力を刺激したい、という仲村さんの思い。今回はトレーシングペーパー1枚と、色用紙を3枚選ぶことから始まりました。どの順番に並べてもOK。トレーシングペーパーを表紙にすればおしゃれな雰囲気になりますね。隣のページを透かして見せたり、なぞったりできるので想像力を膨らませてみましょう!紙を選んだら製本です。半分に折って真ん中をホチキス留め。便利な道具があるんですよ。自分では難しい時は、お母さんに手伝ってもらっちゃいましょう。

「おうち」と聞いてどんなことが思い浮かんだか、自由に想像してみます。まずは下書きから。「この家で何をしたら楽しいか」を考えてみましょう。思いつかくても大丈夫。何もないことをわかっていることも大事。なければこれからつくればいいよ、と深井次郎もKIDSが自由に発想できるよう手助けします。絶対になくては困るものやこれをやれば楽しいかもしれない、を考えてみましょう。

ゲスト講師は建築家の仲村和泰さんです

頭がクリエイティブになるには20分くらいかかります。だから「すぐに思いつかないよ〜」って諦めるんじゃなくて、もう少し粘ってみましょう。突然すごいアイデアが湧き出してくるかもしれません。

下書きに色を付けてみましょう。たくさんの画材を用意しました。下書きができたら、本へ描いていきましょう。書きなおしてもいいし、下書きを貼り付けちゃってもいいですよ。意外に最初に勢いで描いたものが一番いい、ということってあるんですよね。仲村さんが実際にお仕事で使っている道具を持ってきてくれました!初めて見るものがたくさん。トイレの図を書くための道具もあるんです、面白いですね。

どんなおうちに住みたいかも、それをどんな風に本の中で表現するかも自由。最後に表紙も描いて出来上がりです。さあ、自分の想像したおうちをみんなの前で発表しよう!

 

家の中で一番好きな場所はどこ?

家の中で一番好きな場所はどこ?

たくさんの”好き”が詰まったおうちができあがりました。みんながつくった本と、住みたい家を発表です。すてきなお家が沢山ありました! ママがつくったおうちは、家事を楽ちんにできる、地震に強いなど、現実的なものが多かったですね(笑) 自分の好きなもの、あったらいいな、を”おうち”という形で表現することができました。一枚の紙ではなく、本という形にするのもユニークですね。最初は悩んでいたKIDSやお母さんたちも、だんだん想像が膨らんで、時間いっぱい取り組んでくれました。

参加したお父さんからは、普段はアウトプットすることをすごく怖がる娘さんが、「あ、ここまで大胆でいいんだ!」と感じて取り組む姿が印象的だった、という感想をいただきました。帰りの電車の中では自分の本についてずっと話していたとのこと。お父さん自身にとっても、親子3人で同じ作業をしたことがすごく刺激になったそうで、奥様や娘さんについて新しい発見があったそう。「家を設計するとき、最初に言葉から入るんです」といっていた仲村さんの話がずっと残っているそうです。

家に帰って本を眺めながら、こんな家に住みたいね、という会話が生まれるといいなと思います。

 

ゲスト講師
仲村和泰先生の感想 「人の創造力は無限だ」と思う時間

「自分の世界は自分でつくっている」この言葉をいつも思い浮かべます。「未来のおうち」も「今のあなた」がつくっているもの。ということは、未来は今自分の手でつくり出すことができる。私はこのワークショップにこんな想いを込めてました。そして、一番大事なことはアウトプットし続けること。アウトプットしたものだけが未来をつくり出すから、自分の世界をつくるから。だから、何でもいいから、好きなことを描こう。もし手が止まる親子がいたら、こんな主旨の話をしようと決めてました。ところが、手が止まるどころか、結構みんな好き勝手に描いてました。たぶん、どんな建築家が考えても出てこない「未来のおうち」ばかり。おもしろかったのは、本にするという想定だから、考え出された「未来のおうち」もあったこと。改めて「人の創造力は無限だ」と思う時間を、深井さんや参加してくださった親子のみなさん、ORDINARYのみなさんと共有できたことに感謝、感謝です。本当にありがとうございました。


講師
深井次郎のまとめ 問題に気づくことが価値

今回は、「自分が住みたい未来の家」という視点から、自分の好きなこと、大切にしているものをあぶりだす体験となりました。動物と暮らしたい、電車の中で暮らしたい、空の上で、などなど、色んな発想がありました。面白いのは、大人がよく望むような単に大きな豪邸や鉄筋コンクリートの高層ビルの最上階というアイディアは1つもなかったことです。他人からどう見られたいかではなく、自分は何がしたいのか。大人になるにつれて他人の目を意識する機会は増えていきます。今のうちに、他人はともかく、自分は何が好きで、何がしたいのかを自覚しておきたい。いま自分がやっていることはそんなに好きじゃないのですが、好きじゃないということに気づかずに、まわりに流されてやっている大人も多くいます。今回のワークショップでそれを意識の中心におく練習ができたと思います。

みんなの家は、動物の巣みたいだったり、植物のようだったり、乗り物みたいだったり、ロボットのようだったり。いま私たちが住んでいるような固形の家にとらわれず、より柔軟性のある、動的な家が多くありました。自分の体にフィットする、という身体性が彼らにとっては大事なのでしょう。土地に建物を縛り付けるという発想も彼らには窮屈そうでした。地球上の土地は本来どの人間のものでもありません。みんなの共有物のはずです。なのになぜ?という問題提起も生まれました。答えを教えてもらうのが公立の学校なら、このワークショップは問題に気づくことが価値なのです。そしてその問題を発見する力をもつ次世代の若者(参加してくれたキッズたち、キミたちですよ)が、世界を面白くしてくれるのです。

 

【当日の様子です】


編集部より

わたしたちORDINARYでは、創造性を開発するオリジナルのワークショップをプロデュースできます。WEBメニューのCONTACTよりお気軽にお問い合わせください。


むらかみ みさと

むらかみ みさと

1986年阿蘇生まれ。生きた時間の半分を読み書きに費やしてきました。 ORDINARYでは広報・PR、ユーザーコミュニケーションなどを担当。 公私ともにコミュニケーションにまつわる仕事をしています。 円の中心ではなく、接点となる役割を追求したいと思っています。