身近に出版した人がいない人にとっては、どうやって出版化に至るのかよくわかりません。そんな声に答えるために、3人のケースを題材にトークを展開しました。この3人には共通点も多く、たとえば「大学や高校で教壇に立っている先生である」
トークライブ 開催レポート
1冊目ができるまで
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深井次郎が教授をつとめる講義「自分の本をつくる方法」。自由大学創立時からもう6年間開講していて、たくさんの著者と本が生まれる瞬間に寄り添っています。
今回は、オーディナリーがトークライブをプロデュース。今回は講義の卒業生を代表して、出版して活躍されているお2人にゲスト出演いただきました。
トークライブ「1冊目ができるまで」
出演
深井 次郎 (自由大学「自分の本をつくる方法」教授 / オーディナリー代表)
ゲスト
荻阪 哲雄 (『結束力の強化書』『リーダーの言葉が届かない10の理由』『社員参謀!』著者)
善福 克枝 (『“偶然”をキャッチして幸せの波に乗る7つの法則』著者)
主催:自由大学
プロデュース: オーディナリー
会場:COMMUNE246
荻阪哲雄さん(右上)は、警視庁出身という異色の経歴を持つ組織コンサルタントで多摩大学客員教授。オーディナリーのPEOPLEのコーナーでも登場しています。
善福克枝さん(右下)は、写真雑誌編集部から独立し写真家を経て、現在は起業家支援や高校で先生をしています。
身近に出版した人がいない人にとっては、どうやって出版化に至るのかよくわかりません。そんな声に答えるために、3人のケースを題材にトークを展開しました。
この3人には共通点も多く、たとえば「大学や高校で教壇に立っている先生である」ということもそうですが「なぜそもそも本を書きたいと思ったのか」も共通している部分が多く、話が弾みました。
「壁にぶつかっていた時、本に助けられた経験がある。
だから、自分もそんな本をつくれたらと憧れるようになった」
「自分が必要としている内容がうまくまとまっている本がなかった。
だから、自分でそれをまとめようと思った」
古典から新刊まで、これだけ本が溢れている時代ですが、まだまだ書かれていない本はあるようです。あなたにしか書けないテーマは必ずあって、それは講義で経験の棚卸しをして、同志たちと切磋琢磨することで浮かび上がってくることも多いとのこと。
そして、本1冊書くのは大変な時間と労力です。自分には無理かなと諦めてしまう人が多い中で、挑戦するぞと思えた理由について。普段の目の前の仕事に忙殺されると、なかなか取りかかれません。それを押してでも、やるぞ、と書き続けるためには何が必要なのか。楽しみながら書く人もいれば、誰かのために書く人もいます。それぞれ違っていいですが、「なぜ書くのか」がある人は続きます。
書き続けていくと、自分にしか書けないテーマ、書くべきテーマに、やがて行きついていきます。初めからそれが明確だった人はなかなかいません。
さて、出版すると何が変わるのでしょうか。 自分をとりまく状況や、自分の内面の変化など、何かあるのでしょうか。
荻阪さんが変わったことは「責任」だと言います。
・持論を書き直すことのできない紙に印刷した責任。
・それが他人の人生に影響を与えてしまう責任。
・著者自身が有言実行しなければという責任。
これら著者としての責任をずっしりと背負った意識になったそうです。出版はPUBLISHINGですが、PUBLICにする責任はありますね。
…というわけで、将来的に本を書いてみたい人はもちろん、出版に興味のない人も「未経験のものを、どうしたら実現できるのか」という視点で参考になった、という感想をいただいたトークライブでした。
みなさん、ぜひ書き始めてほしいと思っています。書くことは、自分にとってはもちろん、だれかの変化につながります。会ったこともない読者の人生が、ほんの少しでも良くなるって素敵なこと。
「書くことの効用」については、語りきれないほどありますが、あなたが学んできた経験や知恵をシェアするのは、だれにでもできる社会貢献なのではないでしょうか。「自分と同じ失敗をしないように」とか「こうやったらうまくいったよ」とかそういうコミュニケーションをくり返し語り継いで人類、文明は良いふうに進化してきたわけですから。経験や知恵を後進に語り伝えるのは、すべての先輩の義務かなと思ってます。
そんなことを深井次郎が最後に語りかけ、トークライブは盛況のうちに終了しました。