ひとつの作品に足を止める時間が、カメラの有無で格段に変わります
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子どもの観察力を育てる方法
あおきようこ ( 子どもと一緒にカメラであそぼ ♪ 主宰 )
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自由に生きるために
子どもにカメラを持たせて旅に出よう
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少し前にお友達ファミリーと、総勢8人(子ども4人、大人4人)で静岡へ行きました。美術館へ行き、温泉でのんびりして、茶摘みを体験するという1泊2日の電車旅行です。
子ども達はただ見て回るという観光が得意ではありません。親としてはいろんなものに興味を持って、見て、感じてほしいと思いますが、子どもは関心のないものは全く興味を示さないどころか、「つかれた」「つまんない」「公園行きたい」と大騒ぎをはじめる始末です。
そこで、子ども一人につき1台づつカメラを持たせてみました。
まずは美術館。なんだか不思議な作品が庭園に並んでいます。いつもならスルーする彼らも、どうやって写真にしたらいいかを考えます。空をいれてみようか、アップで写してみようか。入場チケットに写っている写真はこの角度から撮ったのか…等々試行錯誤の様子。ひとつの作品に足を止める時間が、カメラの有無で格段に変わります。
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お昼を食べて電車に乗ります。車内でもお互いを撮りっこ。写真のことに少し詳しい娘が、他の子にF値を変えると明るさが云々、なんて説明しています。それを聞いた子が、違う子をモデルにマニュアルで撮影。撮った写真を液晶で確認して、こっちがいいとかあっちがいいとか…。子ども達が勝手に遊んでくれているので、親チームは隣のボックス席でプシュっとできます。(笑)
宿泊地である修善寺温泉に着きました。お寺をお参りして、桂川にそってお散歩。ちょうど夕刻だったので、川面がキラキラしていたり、自分の影が長くなっていたりして、被写体には事欠きません。宿についても、子ども達は部屋で乾杯シーン(もちろんジュースです)を撮ったりして遊んでました。その間大人はおしゃべりを堪能。夕飯もおいしくいただき、温泉でリラックスして、夜は みんな爆睡です。
翌日は長岡で茶摘みをしました。全員(パパ達も)着物に着替えます。一応カメラを持って茶畑にいきましたが、子ども達はお茶摘みに集中。カメラなんて見向きもしません。新芽を摘み、臭いかぎ、ざるに集めて、収穫量を競いあっていました。
カメラより楽しいことがあると、子どもは写真を全然撮りませんね。そういう時は大人がカメラマンです。子ども達のかわいい姿、真剣に新芽を選ぶ様子など、シャッターチャンスは大量にあります。しかも、茶摘みに集中している子どもたちは、カメラを全く意識しないので、自然な表情が撮り放題!さらに衣装まで着ている! 今度は大人が茶摘みもそこそこにシャッターを切りまくります。(笑)
帰りの電車でもお互いの写真を見せっこ。「あ~こんな写真撮られてる~」「この写真上手でしょう ♪ 」「おっ、こんなのどこにあった? 」等々、会話がつきません。
夏休みは終わってしまいましたが、秋の行楽シーズンには、子どもにカメラを持たせて旅に出てみてはいかがですか? 親子共々、きっと新しい発見があるはずです。
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子どもの観察力を育てる方法
1. 子どもにとって観光は飽きてしまうもの
2. カメラがあれば景色を楽しく丁寧に観察するようになる
3. 親子で撮った写真を見せ合えば会話も弾みますよ