なぜ頑張ってもうまくいかない日があるのか。バイオリズムに関心を持って勉強しました
TOOLS 16
マイ暦のススメ
仲村和泰(建築家)
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自由に生きるために
タイミングの良い日を知り、活用しよう
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なぜ頑張ってもうまくいかない日があるのか
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ずっと歯車が合わないと思って過ごしてきました。特にこの20年間。あとちょっとだけど結果が出ない。でもそれは自分のせいだと思い、努力しなくてはとずっと思って過ごしてきました。私は一級建築士の資格を持っていますが、試験には5回落ちました。
勉強不足と言われれば、そうかもしれません。ただ、合格した年が不思議でした。自分やまわりの環境は何も変わっていないのに、面白いように試験勉強が進み、練習問題も解けていく。 そして、試験本番でも完璧に近い出来でした。
確かに試験回数も増えれば、慣れもありますが、前年までの感じだと到底合格する見込みがない位、自信を喪失し、負のスパイラルに入り込んでいましたので、「なぜこの年だけ?」とずっと心に引っ掛かりがありました。
それから10年後、家づくりに必要だと思い、家相の勉強をした時に一緒に人のバイオリズムの観方も勉強しました。その時自分についてわかったことは、今までに10年周期のバイオリズムが4回あり、全て良くなく、特にこの直近2回、20年間は人生でもワースト1、2といえる位に悪い、ということでした。
私はこの結果がわかった時に、これを信じるか信じないかを考える以前にほっとしたのを覚えています。「自分だけのせいじゃなかった」と楽になりました。そして、 先の試験に合格した年は、その年だけ悪い流れが緩和される年でした。
このようなことがあり、人のバイオリズムに関心を持って勉強しました。そして、その中の一部の知識を抜き出して「マイ暦」のワークショップをするようになり、参加された方からは「活用しています」「やはり当てはまりますね」などと感想をいただいています。マイ暦は自分の未来を少しでも良くしたい、自分の未来を自由に思い描きたい人に活用していただきたいツールです。
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マイ暦(こよみ)とは
タイミングを見極めるカレンダー
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マイ暦は、日本の古の暦の知識を使い、あらかじめ自分にとって良い日悪い日を知り、日々の暮らしの中での行動指針として生かすための自分専用 のカレンダーです。
日本のカレンダーには日付以外に注釈として「大安」「仏滅」などが書かれています。これを六曜(ろくよう)といいますが、他にもあります。「甲子」「庚申」といった十干十二支(じっかんじゅうにし)、「開」「定」といった中段(ちゅうだん)です。総じて暦注(れきちゅう)といいますが、六曜は明治時代からのもので歴史も浅く当てになりません。
そこで十干十二支と中段を使って日取りをします。十干十二支は古代中国の春秋・戦国時代、中段は飛鳥時代から用いられていて、人類は古来よりタイミングを見極めるカレンダーを持っていました。
この暦注を陰陽五行論を使い読み解き、自分にとっての良い日悪い日を知ります。自分にとって良い日とはタイミングの良い日、悪い日はタイミングが悪い。何に対して良いか悪いか、例えば、仕事なのか、恋愛なのかなどがわかりますので、 会社の創設日を決めたり、入籍日を決めたり、実際にそういうニーズにお応えし、その日の行動の指針、きっかけに使うことがありました。
折角いいアイデアなのにタイミングが悪くて上手くいかない人をよく見かけます。いつやるのかを見極める術を知っていればといつも残念に思います。
人生は 自力と他力に分けることができ、自力は自分の能力や努力の部分、他力がこの暦の知恵。折角努力してもタイミングが悪かったら、良い結果が得られません。前もって暦の知識を使いタイミングの良い日を知り、その日一日をどう生きるかを考えるために役立てて欲しいツールです。
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マイ暦をつくることの大切さ
過去の悪い流れを断ち切り、結果をつかみにいこう
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マイ暦をつくる上での大切な考えは「いつやるのかを見極める。問題は行動にあるのではなく、行動のタイミングにある」です。
まず初めに言います、過去の流れは関係ありません。過去の自分が今日の自分をつくり、今日の自分が未来の自分をつくりますが、過去の自分と未来の自分には直接 のつながりはありません。過去の悪い流れがずっと続くことはありませんし、その逆に、過去の良い流れがこの先の未来まで続くとも限りません。タイミングをつかむ機会は定期的に何度でも訪れます。
今日の自分が変われば、タイミングをつかんで、行動の結果を出す確率が上がる。確率が上がれば、当然過去の流れとは違ってきます。逆に、タイミングをつかむ機会を知らなければ、未来の流れがいつ変わるかもわからないし、良くなるか、悪くなるかもわからない。
今日の自分を変えて、マイ暦を活かして行動し、過去の悪い流れを断ち切り、結果をつかみにいくか、あるいは、良い流れを 一層良くしていくか。逆に、マイ暦を活かして行動するために、今日の自分をどう変えていくか。
すなわち、誰でも、いつでも、どこにいても人生をリセットし、リスタートすることが可能だということです。これが「問題は行動にあるのではなく、行動のタイミングにある」ことを重要視するマイ暦的な本質です。マイ暦は未来だけに目を向け、未来をどう良くしていくかを自由に考えるための未来思考のツールです。
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マイ暦の活かし方
雨の日には傘をさそう
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マイ暦を天気予報に例えることができます。今日が天気予報で降水確率が0%ならば傘を持っていきませんし、洗濯物を干そうとか、外へ散歩に行こう、ラン二ングでもしようと、アクティブになりますよね。逆に、降水確率が90%ならば、外へ行くならば必ず傘は持っていくし、そもそも必要でなければ外へ行かないで、家の中でできることをしませんか。少なくとも、傘を持たずに外出はしない。
これをマイ暦に当てはめると、タイミングの良い日はアクティブに行動し、タイミングの悪い日は大人しくしている、むやみに行動しない、となります。未来の自分を予測して行動し、効率良く結果を出していく、とも言えます。
また、先程「タイミングをつかむ機会は定期的に何度でも訪れます」と書きました。だから、一回の機会にこだわらない、とらわれないのがコツです。今回がダメでもまた次回がある。手離れ良く次の機会に頭を切り替える、リセットする、そして、リスタートする。 そうすると、精神的にも楽に行動できます。この精神的な楽さは結果を出す上では大事なことです。
では、タイミングの良い日は何をすればいいのか。 マイ暦は何にタイミングが良いのかがわかります。仕事か、恋愛か、勉強か、お金か、人間関係かなど、得意分野があります。その得意分野に関わることを、何でも構いません、行動してみてください。
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手始めに
中段だけでも意識してみよう
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マイ暦をつくるにはあなたの生年月日と生まれた時間から陰陽五行カルテを作成し、自分に合う十干十二支を特定しなければなりませんが、紙面の都合上、 そこまでは出来ませんので、まず、中段だけでも意識して日々の暮らしの中で行動してみてください。それだけも大分ちがいます。
中段とは、「建除満平定執破危成納開閉」の12種類があり、日付にそれぞれひとつずつ割当てられています。別名「十二直(じゅうにちょく)」と いい、暦注の配当が十二支によって決められる方法の代表的なもので、飛鳥時代の仏像に記された銘文にも登場するぐらい古くから用いられていまし た。十二直の「直」には「あたる」という意味があり、よく当たる暦注という意味が込められていたと思われます。十二直は暦の中段に書かれていた ので「中段」と呼ばれます。(以上「旧暦読本」より)
どの中段が割り当てられているかはネットで「暦注計算」と検索していただくとわかります。ただ、 12種類のうち意識するのは「開定成建満平」の6種類だけいいです。
それぞれの意味は、「開(ひらく)は、はじめる」「定(さだん)は、決める、 続ける」「成(なる)は、成る、達成する」「建(たつ)は、立ち上げる」「満(まん)は、満たす」「平(たいら)は、平穏にする」です。この意味に あった行動をその日にします。
例えば、仕事でもプライベートでも何かを新しくはじめようとする日は「開」あるいは「定」でもいいですし、「建」でもいいです。また、何かを提案する日は「成」「満」がいいでしょう。例えば、仲裁やもめ事の解決は「平」がいいと思います。このように、それぞれの意味に合わせて行動してみてください。
「マイ暦」はあくまでも未来思考のツールです。過去の流れは関係ありません。マイ暦を活用し、行動の結果が出る確率を上げていくことにより、 未来の新しい流れ、自由で好きな自分の流れをつくるツールです。まずは、中段だけも意識して活用してみてください。そして、さらに「マイ暦」をつくりたい方、活用の仕方を知りたい方、興味のある方は私といっしょに学びましょう。
マイ暦のはじめ方
1. 中段を調べる
2. 中段の意味に合わせた行動を決める
3. 行動する
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Photo:Makoto Nakashima,Ken FUNAKOSHI,Christopher Lance