ちいさなお店をはじめたこと。~等身大で、自由な働きかた~【第41話】ちいさなお店をアトリエにするまえに、床のDIYに挑戦したこと

ノマディッククラフトヨメのちいさなお店をはじめたこと。驚いたのは、フローリングを敷き終わるとすぐに、看板犬のレラがやってきて、床の上にごろりと横になったこと。私たちもスベスベとした木の感触がとても心地よく、部屋には木の匂いが立ちこめています。「やっぱり本物の木にして良かったね」苦労が報われたような
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第41話  ちいさなお店をアトリエにするまえに、床のDIYに挑戦したこと  

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こんにちは、ノマディックラフト ヨメです。

私たちが横須賀に移転して、丸4カ月が経ちました。

今回は引越しのときに行った床の張り替えリフォームを振り返りながら、横須賀アトリエのこれからについてご紹介したいと思います。
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 畳の和室からフローリングのリビングへ
プチリフォームに挑戦

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前回は、ひょんなことから訪れた横須賀で、イメージどおりの物件に出会い、契約に至ったことをご紹介しました。

西小山のアトリエショップを引き払うデッドラインを9月いっぱいに設定し、2カ月は家賃をダブルで支払いながら西小山と横須賀を行き来、掃除をしたり、荷物を片付けたりする日々がスタートしました。最初に着手したのは、横須賀の家の床張りです。

というのも入居が決まった時、居間にあたる部屋は、真ん中がふすまで仕切られた6畳+8畳の和室。アトリエとして使いたい、という希望から、空間を広々と使うためにふすまを外し、フローリングを敷きつめて14畳のリビングにすることを考えました。

入居の際、不動産屋さん(大家さん)にその意向を伝えると「構造に手を加えず、上から置くタイプのフローリングならOK」と了承をいただきました。当初は「入居前に畳は新品に替えます」というお話だったのですが、「どうせフローリングを敷いてしまうので、畳の交換は要りません」とお伝えしたところ、ありがたいことに「それなら僕も畳代が必要なくなるので、礼金はいりませんよ」とのお返事。双方納得のうえ、気持ちよく床のDIYを始めることになりました。

とはいえ、店主も私もまったくのDIY素人です。どういう方法で張替えをしようか、ネットで床材を探すところからスタートしました。最近のインテリアブームのおかげで、賃貸でも使用できる「はめ込むだけ」で敷けるフローリングにはいろいろなものが。

 

選んだのは『東京R不動産』の兄弟サイト『TOOLBOX』で販売している『イージーロックフローリング』という商品。ボンドを使わず、置くだけで無垢オークのフローリングを敷くことができる、というものです。

選んだのは『東京R不動産』の兄弟サイト『TOOLBOX』で販売している『イージーロックフローリング』という商品。ボンドを使わず、置くだけで無垢オークのフローリングを敷くことができる、というものです。

迷ったのは「本物の木」を使うか、お手入れのしやすい「フロアタイル」にするかです。実際にサンプルも取り寄せて比較しましたが、木材風に仕上げられた「フロアタイル」は、安い物はそれなりである反面、キチンとしたものはかなり質感もよく、ペットのいる我が家にとっては掃除のしやすさの面でメリットを感じました。

一方、本物の木を使ったフローリングはやっぱり風合いがステキ。ひんやりと固いフロアタイルに対し、木は優しい温もりが感じられました。平米数から計算してみると、どちらの素材を選んでも、材料にかかるコストの違いは2~3万円程度! それしか差がないのなら、どうせなら本物を使おう、と夫婦で意見が一致。床に敷くのは無垢オークのフローリングに決定しました。

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 初めての床張り作業に、 夫婦で四苦八苦……
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さて、いよいよ迎えた床張り作業の日。前日に古い畳の上を掃除して、湿気を飛ばしてから前もって注文して置いたフローリング材を運び込みました。

床を敷く前に、床の段差を無くしつつ防カビ・調湿を行ってくれる下地材『TUPLEX』を畳の上に敷きます。

床を敷く前に、床の段差を無くしつつ防カビ・調湿を行ってくれる下地材『TUPLEX』を畳の上に敷きます。

下地材『TUPLEX』は、楽天市場の『壁紙家本舗』で購入。「フロアタイル」のサンプルなどもここから取り寄せて検討しました。 今は通販であらゆるものが手に入るから本当に便利です……!

下地材『TUPLEX』は、楽天市場の『壁紙家本舗』で購入。「フロアタイル」のサンプルなどもここから取り寄せて検討しました。今は通販であらゆるものが手に入るから本当に便利です……!

 

下地材『TUPLEX』

次に、フローリングの入った箱を開け、長さごとに分類します(ランダムに数種類の長さが入っているのです)。このとき、節があったりや木の色むらが目立つ物は、家具の下など目立たない場所に配置するために、合わせて分類しました。

フローリング

さて、ここからは実際に床をはめ込んでいく地道な作業がスタート。

フローリング一枚一枚に凹凸のあるサネがついているので、パチッとはめ込むことで釘やボンドを使わずに繋げていくことができる仕組みです。ゆるみやゆがみがあると、あとあと大きなズレになってくるため、はめ込む作業は丁寧さに定評のある店主が担当。大ざっぱなヨメは、次々と空いていく箱をつぶしたり、長さの分類をしたりのアシスタント作業と、それぞれ分業体制で進めることに。

さて、ここからは実際に床をはめ込んでいく地道な作業がスタート。フローリング一枚一枚に凹凸のあるサネがついているので、パチッとはめ込むことで釘やボンドを使わずに繋げていくことができる仕組みです。ゆるみやゆがみがあると、あとあと大きなズレになってくるため、はめ込む作業は丁寧さに定評のある店主が担当。大ざっぱなヨメは、次々と空いていく箱をつぶしたり、長さの分類をしたりのアシスタント作業と、それぞれ分業体制で進めることに。

部屋の端はどうしても長さがぴったりと合わなくなるので、何センチ余るのか直角定規で印をつけておき、ベランダに用意した電動ノコギリでカットします。

 

さて、ここからは実際に床をはめ込んでいく地道な作業がスタート。フローリング一枚一枚に凹凸のあるサネがついているので、パチッとはめ込むことで釘やボンドを使わずに繋げていくことができる仕組みです。ゆるみやゆがみがあると、あとあと大きなズレになってくるため、はめ込む作業は丁寧さに定評のある店主が担当。大ざっぱなヨメは、次々と空いていく箱をつぶしたり、長さの分類をしたりのアシスタント作業と、それぞれ分業体制で進めることに。
ちなみに電ノコは持っていなかったのですが、調べるとホームセンターで借りられるらしい、との情報が。そこで『島忠ホームズ横須賀店』の工具レンタルサービスを利用しました。ノコギリの刃だけは自分で購入+本体レンタル代で1800円程度でした。

10時半頃から作業を始めましたが、作業の流れをつかむのに時間がかかり、15時くらいでようやく半分。やっぱり、木も自然のものなので、あたりまえですが一枚一枚が微妙に違うのです。パチッと入りやすいもの、なかなか入らないもの、板によっての相性みたいなものもありました。

朝10時半頃から作業を始めましたが、作業の流れをつかむのに時間がかかり、15時くらいでようやく半分。やっぱり、木も自然のものなので、あたりまえですが一枚一枚が微妙に違うのです。パチッと入りやすいもの、なかなか入らないもの、板によっての相性みたいなものもありました。

店主にも疲労の色がにじみはじめましたが、半分過ぎてからが速かった! コツをつかんだのかグイグイとスピードがあがり、18時少し前に無事、全体敷きつめが終了しました。

店主にも疲労の色がにじみはじめましたが、半分過ぎてからが速かった! コツをつかんだのかグイグイとスピードがあがり、18時少し前に無事、全体敷きつめが終了しました。

驚いたのは、フローリングを敷き終わるとすぐに、看板犬のレラがやってきて、床の上にごろりと横になったこと。私たちもスベスベとした木の感触がとても心地よく、部屋には木の匂いが立ちこめています。「やっぱり本物の木にして良かったね……」と、苦労が報われたような気持ちでした。

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 最後の仕上げに
 蜜蝋ワックスをかけて完成! 

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1時間ほど休憩した後は、最後の仕上げ。無垢のままだと水分を吸い込んでしまうので、天然の蜜蝋をワックスとしてすり込むことにしました。定期的に塗り直しは必要ですが、このひと手間をしておくと、ちょっと飲み物をこぼしたくらいではシミができないらしいので、やっておくことにします。

蝋燭でワックス

古タオルに蜜蝋を付けてゴシゴシする、というだけなので、ここはヘトヘトの店主に代わってヨメが活躍。無垢の淡いベージュもキレイでしたが、蜜蝋を塗ることで少し色が濃くなり、木目が浮かび上がってきます。

それにしても、木がすぐ油分を吸い込んでしまうので、何度もゴシゴシしなくてはいけず、想像以上の重労働! すべて床を塗り終わったのは、21時少し前でした。

ワックス終了

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丸一日で終わったプチリフォーム、これでようやく引越しの荷物を運び込める……とホッとしたのを覚えています。

今後はこの部屋がリビング兼アトリエとして店主の仕事場。古い和室の味わいも好きでしたが、お店がなくなった代わりに、将来的にはこの場所に人をお招きして、少人数のワークショップなども開催できたら、と考えて、椅子/床どちらでも使える空間にすることにしました。

近い将来、そんなご案内ができるように準備を進めていきますので、どうかもう少しだけ温かくお見守りくださいね。

次回も、ちいさなお店の新活動についてお届けしますね。どうぞお楽しみに!

 

(月1回  第4土曜日更新の予定でがんばります)    

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 メディア掲載 

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ノマディックラフトの店主が、雑誌に取材していただきました!

おしゃれなインテリア事例がたくさん載っているリノベーション専門誌『relife+(リライフプラス)』。その中にある、タレントのちはるさんが様々な作家を紹介する連載『ちはるの手』に、ノマディックラフトが登場します。3月14日(木)発売予定のVol.32号です。ぜひご覧ください。
https://www.fusosha.co.jp/magazines/relife/

 ノマディックラフトのイベント出店情報 

横浜・北仲マルシェ
2019年3月16日(土)17日(日)
@横浜 北仲通北第二公園+水際プロムナード他

毎月第3土日に、全国から約100店舗が横浜に集結する、首都圏でも最大規模のマルシェです。旬の野菜や果物をはじめ、横浜ならではの食品も豊富に取りそろうほか、個性豊かなキッチンカーも多数登場。食だけでなく、作家の手仕事雑貨も集まります。ノマディックラフトは今回初出店! 週末のお散歩がてら、ぜひ遊びにいらしてください。 http://www.yokohama-kitanaka-marche.jp/


イウゲンキャラバン
2019年3月23日(土)24日(日)
@東京 目黒・チャムアパートメント

ふだんお店を持たないブランドや、しっかりとこだわりのある品物が集まった期間限定店舗、『Iugen Caravan Pop Up Shop』に今回も参加いたします。会場は目黒の大鳥神社近くにある、人気のカフェ『チャムアパートメントホテル』。ちょうど目黒川の桜がとてもキレイな季節だと思います。お花見と合わせて足を運んでいただけたら嬉しいです! https://chum-apt.net/


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 連載バックナンバー

第1話 家=店。人が思うよりもずっとちいさな投資でお店をはじめてみた(2015.6.13)
第2話 店から出て人に会う、出会いをつくる。〈イベント出展篇〉(2015.6.26)
第3話 1人2役 × 2。兼業夫婦は不安定? 時間も予定も「自由」のメリット・デメリット(2015.7.11)
第4話 なんで「少数民族の手仕事」? それはやっぱり「好き」だからです(2015.7.25)
第5話 暑さに負けず蚊に負けず。探して洗って、よみがえる古布たち 〈 仕入れ旅篇 〉(2015.8.8)
第6話 どうしてそんなに自由なの!? 現地の人たちと商品を作る(2015.8.22)
第7話 モン族の女性に聞いた、美しい刺繍の裏側にある物語(2015.9.5)
第8話
 小商いでも管理は大切。入るお金、出ていくお金何がある?(2015.9.19)
第9話 ショップカードにネームタグ… 地味だけど重要度は大! お店まわりのこまごま小物(2015.10.3)
第10話 大切さは名前と同じ。自分たちのロゴマークはどう作るか<デザイナー編>(2015.10.17).
第11話 大切さは名前と同じ。自分たちのロゴマークはどう作るか<実践編>(2015.10.31)
第12話 どこまでを手作りと呼ぶ? 手仕事を求める楽しさ、難しさ <買い付け編>(2015.11.14)
第13話 お客様との新たなつながり。看板犬レラが教えてくれたこと。(2015.11.28)
第14話 美しいものよ、輝け!お母さんとの約束。(2015.12.12)
第15話 生産者さんを訪ねて <鳥の笛ネックレス編(2016.1.14)
第16話 生産者さんを訪ねて <アカ族の村編(2016.1.30)
第17話 始まった… 年に一度の確定申告(2016.2.13)
第18話 手仕事は同じじゃないから美しい~『ORDINARY』とコラボグッズを作ったこと(2016.3.11)
第19話 生産者さんを訪ねて<カレン族の村編>(2016.5.21)
第20話 生産者さんを訪ねて<ラフ族の村編>(2016.6.18)
第21話 夫婦で働きながら、煮詰まったときにしていること。(2016.7.20)
第22話 おしゃれに見せるって難しい! イベントのディスプレイで四苦八苦。(2016.8.26).
第23話 ちいさなお店がイベントに出ることQ&A ≪前編≫(2016.8.26)
第24話 ちいさなお店がイベントに出ることQ&A ≪後編≫(2016.11.26)
第25話 ちいさなお店がイベントに出た1年を振りかえる(2016.12.24)
第26話 ちいさなお店の海外買い付け① 買い付け方法と情報集め(2017.01.30)
第27話 ちいさなお店の海外買い付け②航空券の準備 (2017.02.28)
第28話 ちいさなお店の海外買い付け③スケジュール決め&宿探しのパズル (2017.03.31)
第29話 ちいさなお店の海外買い付け④アイテム探しと値段交渉 (2017.04.30)
第30話 ちいさなお店の海外買い付け⑤価格はどう設定するか(2017.06.05)
第31話 寝台特急は楽しい出会いの宝庫(2017.06.25)
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第32話 オリジナル商品ってどう作るの?(2017.07.29)
第33話 成長し続けていくために考えること(2017.09.30)
第34話 ちいさなお店の意見の違い、どう乗越える?(2017.11.04) . 
第35話 安定している時期だからこそ、未来に種をまくこと(2018.1.09)
第36
 イベント成功のカギは、出店前後の「イメージトレーニング」にあり?(2018.1.27) 
第37 迷ったら、手を動かすこと(2018.4.3) 
第38 押しつけ? それとも説明不足? ちょうどいい「接客」の距離感とは(2018.5.3) 
第39 ちいさなお店の安全を守るために、考えておきたいこと(2018.6.10)
第40 ちいさなお店が、横須賀に移転したこと(2019.1.20)  

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オーディナリー編集部がノマディックラフト参加の展示会を観に行った話

【レポート】遠い国の伝統的な手仕事がいっぱい!  

【関連サイト】
ノマディックラフト ウェブサイト http://nomadicraft.com/
ノマディックラフト 店主ブログ http://blog.shop.nomadicraft.com/
ノマディックラフト Facebook https://www.facebook.com/nomadicraft
木内アキ(ライターとしての仕事) ウェブサイト http://take-root.jp/

 


ノマディックラフト ヨメ

ノマディックラフト ヨメ

自然・旅・民族をテーマに、タイ、ベトナム、ラオスの山岳地帯に住む少数民族の手仕事を扱う、西小山のアトリエショップ『nomadicraft』を店主であるダンナとともに運営。母から子へ、脈々と受け継がれてきた素朴で美しい手仕事を紹介しながら、作り手である女性たちに仕事の機会を提供し、貧困の和を断ち切るための支援も行っている。ふだんはフリーランスのライター・木内アキとして「女性にまつわる人・旅・暮らし」をキーワードに、雑誌や書籍を中心に執筆活動中。目標は「キチンとした自由人」。 ノマディックラフト 店主ブログ http://blog.shop.nomadicraft.com/ 木内アキ ウェブサイト http://take-root.jp/