【第036話】31日間書きつづけた僕に起きた8つの変化

国際基督教大学にて

国際基督教大学にて

 

 

「元旦から1ヶ月書きつづける」
  公約は達成されたよ

 

さて今日は、1月の最終日。元旦から始まった毎日更新の「新年連載マラソン」も31本目、月末まで無事に走りきりました。えらいぞ我らオーディナリー。パチパチパチ! 31日毎日更新した結果、身の回りに起きた変化が8つありましたので、紹介しますね。ではまず、よかったことからいってみましょう。

よかったこと 6つ 

【1】会う人にほめてもらえる
元々しっかり者ではない人間だからというのもありますが、毎日何かを続けているということだけで「えらいですね」と感心されてなんか照れます。「面白いですね」と言われても、いやいやこれが仕事ですからね。ちゃんとせにゃならんでしょう、と言いながらまんざらでもなく嬉しいものです。

【2】まわりも書きはじめた
この連載マラソンの様子を見て、友人知人もブログなどアウトプットをし始めた。走っている人をみると一緒に走りたくなるものですよね。仲間が増えるのはうれしい。

【3】アンテナの感度が上がった
アウトプットの頻度を増やすと自然に、インプットも増えます。暇さえあれば問いを探そうとする脳の回路が働くからでしょう。執筆モードになってきた。

【4】力みがとれる
毎日のことなので、本の原稿を書くようにいちいち全力を出し切っていたら体が持ちません。限界まで頑張りすぎると、次の日につかれが残ってしまう。スポーツ選手のトレーニングと一緒ですね。のらない日は、さらっと書いて適度なところでリリースできるようになってきた。今日の出来がいまいちでも「また明日があるさ」と後ろを振り向かないメンタリティーが大事。気合いを入れすぎると完璧主義に陥り、書き出せなくなってしまいます。タモリの「いいかげんは、良い加減」、これが続く秘訣です。

【5】罪悪感がない
「書いてない作家は作家ではない」そんな意識が昔からあります。なので、いくら他の仕事をしていても、書いていない時期は「こんなことして遊んでる場合じゃないぞ」という焦りや罪悪感があった。毎日なにかしら書けば、とりあえず「何もしなかった日」がなくなります。それが精神衛生上、良かったと思う。実りがない日も、とにかく1000字は書いた。「今日という日も無意味ではなかった」と思えるのです。

【6】初心に帰れた
原点回帰。書きはじめた頃の熱が戻ってきた気がする。書くことが好きだし、得意なんだなと改めて感じた。納得したものが書けた日(10日に1日くらいだけど)は気分がいい。この感覚だ。誰とも戦う必要はない、自分との戦い。幸せな環境だ。「書きなさい」とたきつけてくれた編集部のメンバーには感謝している。

 

わるかったこと 2つ 

【1】太った
過去最高体重になった。1ヶ月で4kg増。まさかの70kg台にのってしまった。原因は、執筆中に無性に糖分をとりたくなるという個人的な性質によるものだ。(作家の荒俣宏さんもアイスを食べまくるらしい)いつもは使わない頭を使うからだろうか。夜中に糖分とり放題はやばすぎる。それはわかっているが、でも、それがガソリンみたいになってて。どうしたらいいか。これ以上太ったらバスケで動けなくなるよ。

【2】夜型になる
追い込まれないと書きださない体質です。後ろへ後ろへ先延ばしされ、結局夜中に慌てて原稿を書くことになる。原因はわかっているので、そこを改善したい。夜型生活は太りやすいし、よくないです。

 

今後の課題 3つ

【1】写真のストックが枯渇
文章はいくらでも書けますが、写真のストックがそろそろなくなります。この連載用に写真を撮りためないと。

【2】読みやすいレイアウトにする
WEBにしては文章量が多いと思うので、読みやすくする工夫が必要かな。

【3】ワードプレスだれか手伝って
このオーディナリーWEBはワードプレスで運営しているのですが、いろいろ改善したいところがあります。一緒にオーディナリー立ち上げを頑張ってくれるワードプレス先生がいたら求む。(コンタクトよりお声がけください)

 

結論 毎日書いたほうがいい 

以上、良いことと悪いことを並べてみたが、良いことの方が多かった。悪いことは4kg太ることくらいだ。まあ、そんなものたいした問題ではない。これはぼくのケースであって、あなたは太らないと思う。というわけで、1ヶ月書いた結果、「毎日書くことはいいことだ、あなたにもおすすめする」という結論になりました。

■続けるならゴールを決めてから

なにかを続けるときに大事なのは、先にゴールを決めるということです。とりあえずいつまで続けるのか。永遠ということはありませんね。これを決めずにスタートすると、その勝負には必ず負けます。いつか更新されない日が必ずくるからです。その時に、多くの人は自己嫌悪に陥ってしまう。「ああやっぱり続かなかった、わたしはダメ人間だ」と。だから、ぼくの場合この1ヶ月は走りましたので、目標達成。今回の「新年連載マラソン」は成功とします。おめでとう。ありがとう。こうやって自分をほめていかないとね。よく子どもの習い事でも「やめたい」と親に言うと「最後まで頑張って欲しいのよ」と怒られますけど、その「最後」っていつなんですか。プロ選手になるまで? 死ぬまで? それを最初に決めないと100%勝ち目のないアンフェアなゲームなんです。それだけ気をつけてください。

■これからも走り続けます

今日で「新年連載マラソン」はいったんゴールとなります。走りきった。エッセイは明日以降もきっと更新されますが、マイペースで走っていく。これからは自分の意志で、いけるところまで。(今までは編集部にやらされていた!笑)毎日更新を目指すけど、約束はしません。雨の日もあるし、風邪の日もあるでしょうから。松岡正剛さんの「千夜千冊」はゴールである千冊を過ぎても走り続けています。糸井重里さんも毎日走っています。きっといつまでも届かないであろう、こういう大先輩方の背中をずっとずっと後ろから追いかけながら、これからもオーディナリーはぼくらのペースで書き続けていきます。

あるバンドマンが、言ってたんです。「おれはバンドマンが世界一カッコいい職業だと思ってる」って。すごくいいなと思った。ぼくも「作家が世界で一番かっこいい職業だ」と思っています。そして、いまでも作家になりたいと憧れています。書き続けている限りはだれでも作家です。学生時代から憧れた、ぼくらはいま運良くその夢を生きているのです。神様に感謝しなくてはなりません。これからも、下らないことも面白いことも書きますが、ひきつづきオーディナリーに読みにきてくださいね。それでは、また明日!

 

(約2680字)

学生のみなさんと

学生のみなさんと


深井次郎

深井次郎

ORDINARY 発行人 / エッセイスト 1979年生。3年間の会社員生活を経て2005年独立。「自由の探求」がテーマのエッセイ本『ハッピーリセット』(大和書房)など著作は4冊、累計10万部。2009年自由大学創立に教授、ディレクターとして参画。法政大学dクラス創立者。文科省、観光庁の新規事業に携わる。2013年ORDINARY(オーディナリー)スタート。講義「自分の本をつくる方法」定期的に開講しています。