【第033話】大会で食べている人々

帰り際にゴールをiPhoneでパチりと

 

 

集まる人
それ自体がコンテンツ

 

 

週一くらいのペースでバスケをやっています。で、先週末にぼくらにとっての半年に一度の大会に出てきました。残念ながらあとワンゴールのところで優勝を逃したのですが、現役の学生とかいる中で、三十路軍団としてはよくやったほうかな。体力ではかなわないので頭脳戦、心理戦でいきました。接戦を繰り広げながらも考えていたのは、今後のGATHERING(ギャザリング)をどうしたらいいかということ。GATHERINGというのは、オーディナリー界隈、「自分の本」卒業生たちのための月一の集まりです。本当はもっと準備してしっかりやりたいのですが、なかなか編集部のマンパワー的に手が回らずにいました。

毎回「何する?」から考える余裕が今はまだないので、なにか決まったフォーマットがあったほうが継続できるものです。毎回ゲストを呼んで勉強会みたいなものもぼくはやりたいのですが、ブッキングの手間がかかってしまう。で、足元に目を向けてみると、この界隈には面白いメンバーがこれだけいるわけで、集まる人自体をコンテンツにしてしまえばいい。これは試合をしながら、やっぱりそうしようと思いました。

このバスケの大会は、ある企業が主催してますが、やってることといえば会場を借りて、出場チームを募って、当日は司会と審判やって仕切るだけ。ミュージシャンのライブのように、演者と観客というものではなく、集まった人自体がコンテンツ。オーディエンスではなく、みんながプレイヤーなのです。ひとり3000円の参加費を集めて、15人×20チームあったら、1日で90万円集まります。会場は、公立の体育館を借りれば1万円以内じゃないでしょうか。審判とかスタッフはアルバイトで日給払っても、どのくらい70万円は利益になるかな。WEBつくって人が集められれば、バスケで食っていくことが可能ですね。こういうスポーツ大会増えてるようです。

って別にバスケで食っていく道を考えているわけじゃなくて、GATHERINGのことでした。参加メンバーがおすすめの本を持ち寄って、その本からの学びをシェアするという会にしたらいいかなと編集部で話し合いました。ブックエクスチェンジのようなもの。これを毎回の基本フォーマットにすれば、みんな負担も少なくて気軽に集まれて、話せて、学べる。人前でわかりやすくトークする練習の場にもなる。話す練習って一人じゃできないですからね。「すべらない話」みたいなフォーマットでいこうかな。しかも、その模様自体をこのサイトで記事にしていけたら一石二鳥だなとか考えています。

つくる人には2種類いて、コンテンツをつくる人と、状況をつくる人。自分はどっちが向いてるか、考えてみるといいです。ぼくは前者ですが、このバスケ大会のケースは、後者です。「何も売り物になるコンテンツを持っていないんです」という人は、状況をつくればいい。同じ趣味の人たちを一同に会してマッチングさせるとかゲームするとかですね。あなただったら、なんの大会をつくりますか?

 

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深井次郎

深井次郎

ORDINARY 発行人 / エッセイスト 1979年生。3年間の会社員生活を経て2005年独立。「自由の探求」がテーマのエッセイ本『ハッピーリセット』(大和書房)など著作は4冊、累計10万部。2009年自由大学創立に教授、ディレクターとして参画。法政大学dクラス創立者。文科省、観光庁の新規事業に携わる。2013年ORDINARY(オーディナリー)スタート。講義「自分の本をつくる方法」定期的に開講しています。