【第265話】暮らしに必要だと思い込んでたけど、なくて良かったモノ 11選 / 深井次郎エッセイ

ブルーベリー狩り今はテレビを持たない人もずいぶんと増えてきていますが、ぼくも捨ててからもう8年くらいになります。「なくても全然大丈夫じゃないか! むしろ快適」こういう発見があると嬉しいものです。断捨離とかミニマリストとか、シンプルライフ志向の方々には目新しい話はないかも

必要だと思い込んでたけど、なくても良かったモノ 11選

 

 

今はテレビを持たない人もずいぶんと増えてきていますが、ぼくも捨ててからもう8年くらいになります。

「なくても全然大丈夫じゃないか! むしろ快適」

こういう発見があると嬉しいものです。断捨離とかミニマリストとか、シンプルライフ志向の方々には目新しい話はないかもしれませんが、ぼくが捨ててよかったものランキングを発表してみますね。

テレビ無しはシンプルライフの定番ですから面白くないので、テレビ以外のリストを思い出してみました。もちろん個人差がありますので、すぐに鵜呑みにせず、参考程度にしてみてください。
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1.  ベッド 10年前から
20代半ばで独立した時、創業時の事務所でのメンバーとの共同生活がきっかけ。寝袋で寝てて、「あれ、全然ストレスない」と気づいた。生まれてからずっとベッド生活だったので、これは衝撃だった。ベッドを捨てるには抵抗あったけど、それ以降は、寝るときだけさっと薄いマット敷いて寝てます。ベットがないとスペースが広くなります。眠りが浅くなるとか、体が痛くなるとか全くありません。
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2. シャンプー、リンス 4年前から
これは20日間のインド旅がきっかけ。旅をすると荷物を最小限にしようとするから、「本当に必要?」を考えるきっかけになる。毎日ドロドロになっている中で、水浴びで体を洗うけど、わざわざシャンプーと石鹸と分けるのが面倒で石鹸で全身を洗ったけど、問題なかった。当然、リンスなど必要ない。それでも髪はキシキシ、ゴワゴワすることはなかった。昔は、トリートメントまでしていたのに。石鹸一つで全身いけたとは。

もっと行くと、「石鹸も必要ない、お湯だけで綺麗になる」という完全な「湯シャン」派もいるけど、ここまではいってない。やっぱり、石鹸はあるとスッキリする。「湯シャン」の時期も試して、問題はなかったけど、やはり2日に1度は石鹸が欲しいかなぁ、サッパリ感が違う。石鹸の使用量はだいぶ減ったと思う。あと昔は、体洗う用のザラザラしたタオル使ってゴシゴシ洗ってたけど、あれはいらなかった。手で十分。肌が乾燥しがちなので。風呂場に石鹸1つでいいのは、スッキリしていいです。余計なものがたくさんあると、カビ生えたり、面倒。
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3. バスタオルとドライヤー 10年前から
これも旅で気づいたこと。バスタオルって大きいし、重い。洗ったらなかなか乾かない。これにうんざりした。「そもそも体の水滴とるのに、あんなに面積いる?」と気づいた。全然ハンドタオルでこと足りた。今では、ホテルでもバスタオル結局使わないで終わる。まとめちゃったけど、ドライヤーも自然乾燥で十分。髪型にこだわらない人は。
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4. 美容院 1年前から
髪を自分で切れると気づいた時は驚いた。切り方を覚えたら、セルフカット、自分で切れる髪型を発見したんです。

昔から、美容院行くのがあまり好きではなかった。時間がもったいないし、値段も高いし、わざわざ予約して、予約したのに待たされたり、席に座ったら世間話しなきゃならないのも面倒だなぁと。痒いところもないし。短い髪だとすぐ伸びてボサボサになるから、月イチ。「ここのコスト、どうにか削れないかな」と思って、できるだけ伸びたのが分からない長めの髪型にして「月イチ」を「3ヶ月に1回」にしてきましたが、それでもやだなーは変わらず。坊主だったら自分でバリカンでできるけど、ぼくが坊主にすると怖そうな人になって不評だから、ダメなんです。

これは多分、手先の器用さもあるけど、美容師のやり方を見て覚えました。やはり同じ考えの人はたくさんいるようで、YOUTUBEでもselfcutとかで検索すると動画がたくさん出てきます。

どうしても、後ろがやりにくいけど、鏡を見ながら、あとは勘と慣れです(笑)。失敗したら帽子かぶってれば、すぐに伸びてくるし、致命的な失敗したら美容院行って修正して貰えばいい。風呂でカットすれば、毛の掃除も楽。
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5. 大手キャリアの携帯 半年前から
前から、「通話してない割に高いなー」と思ってたのです。携帯代。使ってないので、もっと安いプランないんですかね?とソフトバンクに行っても、「ありませんね」と冷たく言い放たれるばかりで、長らく諦めていました。でも、まわりが格安SIMにし始めて、「問題ないよー」とのことで、よしやるかと。10年以上使ってきたソフトバンクを解約して、iPhoneに格安SIM(IIJmio)を入れて使うようにしました。ソフトバンクを解約する時に2年縛りの違約金を1万いくからか払う羽目になりましたが、何も不自由なく今まで通り使えています。月々1万円から2500円くらいにコストダウン。もっと早くやっておけば…。
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6. カーテン 半年前から
まだ歴が短いので実験中なんだけど、夜型生活の改善として始めました。ついつい夜更かし気味になり、朝が遅くなり、というサイクルに気を抜くとなってしまうので。朝日とともに起きる、とまではいかないけど、日差しが強くなってくるとまぶしくて起きる、というしくみ。日を浴びると体内時計が調整されて、きちんと夜眠くなってくれる、という話を聞いて試してみた。さすがに眠すぎる時は、どんなに明るくても寝つづけてしまいますが、一応の効果を感じるので継続してます。まだ冬は迎えていないので、カーテンなしは暖房効率が下がるのでどうかなぁと。まだ「いらない」と確定してないので、捨ててはいません。あとカーテンがないと窓が広くなった気がしてスッキリ。

 

7. 腕時計 8年前から
気づいたら必要なくなってたなぁ、という感じ。「スマホで確認できるから」と着けなくなった人多いですよね。営業職時代は、スーツに腕時計はマナーみたいに教わった気がしますが、今でもそうなのかな? 昔、先輩経営者から、「ホテルやレストランではカバンと靴と腕時計でステータスを判断されるから、良いものをつけてたほうが良い対応してもらえるよ」なんて言われて、そんなもんかなーと思ってました。実際、いろんな経験を経ていま思うことは、「持ち物あんまり関係ないな、人物次第だな」ということ。気品やオーラがある人は、向こうも丁寧な対応してくれる。この考え方って、「高級車乗ってれば後ろから煽られないから運転しやすいよ」みたいなことですよね。でも、どんな車でもそんなに煽られることなんて、ないけどなぁ。別に煽られたら、「お先にどうぞ」ですし。このステータス問題、いちいち上だ下だの考えてたら人生疲れちゃう。下でいいです。アウトドアでは腕時計必要ですよね。Gショックやスポーツ用の。スマホいちいち見てたら危ないし。

 

8. 高級椅子 8年前から
クリエイティブ系デスクワークで独立した人の「あるある」だと思いますが、快適な椅子が欲しくなります。長時間座ってても疲れない、腰痛になりにくいお値段も高い椅子。定番だとアーロンチェアみたいな椅子です。「椅子は毎日使うものだから、座り心地の良いものを。腰痛防止に。これは投資だ」と。これね、快適で長時間座れちゃうからこそ、ぼくはダメでした。座りっぱなしだから、どんどん腰が弱くなるのです。硬い木の椅子とかなら、お尻が痛くなったら立ちますよね。人間、2時間もしたら、やっぱり立って歩いたりしないと。快適だからこそ、楽をさせると健康には良くない。腰痛なら、椅子でどうにかするとか考えないで、根本的に体を強くするために、運動したほうがいいです。ちゃんと運動するようになってから、椅子でどうにかしようという気はなくなりました。硬い椅子が、血行にもいいようです。次は、スタンディングデスク(立って仕事できるデスク)を試してみたい。

 

9. たくさんの洋服 8年前から
もちろん裸ってわけではありません。1年間一度も着なかった服は捨てるルールにしたら、どんどん減っていきました。たくさんあっても結局同じ服ばっかり着てたのです。フランス人と一緒で、今は上下合わせて10着くらいしかないんじゃないかな。無地Tシャツとジーンズ、夏は短パンが基本です。「今日なに着ようか」選択肢が少ないと考えるのが楽。動きやすさ優先で。ぼくはいつでも走れるような身軽な方が気分が上がるのです。締め付けるものが少ない方がいい。

雑誌の撮影に来てるスタイリストやファッションデザイナーを見たことがあるけど、撮影用にモデルに着せてる服は派手でキラキラした服なのに、スタイリスト自身はシンプルな格好してる人が意外に多くて面白いなーと思ったことがあります。仕事で人のこと考えてると、自分のことは2の次になってくるというのはあると思う。子育てママさんたちの格好も、シンプルですよね。
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10.  パン、麺、砂糖、お菓子 3年前から
太ってきて大好きなバスケのパフォーマンスが低下してきたので、これはいかん!と。体質改善として食生活を見直しました。いろいろ研究し、試した結果、糖質を減らすのが効果的でした。お菓子と麺が大好物でしたので、それらを一切断ちました。大枠は「糖質制限」ですが、天然の果物はオーケーにしています。「体重のコントロールは糖質の量で決まる」とわかったのは、大きな革命でした。これさえわかれば体重は自由自在です。狙い通りに痩せれるし、太れる。以前は、カロリー制限して挫折したり、有酸素運動の量を増やして挫折したり、をくりかえしていました。量を減らすのではなくて、食べ物を変えるだけでよかったのです、簡単!
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11.  風邪薬 10年以上前から
名著『風邪の効用』の影響が大きいかも。いわゆる西洋医学の薬は飲みません。パブロンみたいなのとか。痛みや発熱は理由があって起きてるので、無理に止めてはいけない。ちゃんと最後まで経過させてあげないと体には良くない。頑張って体のバランスを整えている作業なのに、途中で止めてしまったら、バランスが崩れたまま歪みは蓄積していって大きくなる。いずれより大きな病気として現れる。風邪を引きやすい人の方が意外に大病をしない、というのは頻繁にメンテナンスしているから。年に2回くらい風邪ひくけど、どうしても明日大事な講義があって、早く治さないといけない時は、オーガニックな食材で対応します。しょうがとかハチミツとか。果物とか。漢方、ハーブはいいと思います。薬なくても、これで大丈夫。

身体の声をちゃんと聞いてあげる。体が何かを必死で訴えているのに、「うるさい。今忙しいからだまってて」と口を押さえてしまったら、「もういいや」とその子は生きる意欲をなくしてしまいます。体には、自分で良くなる力があるのだから、その力を信じてあげて、余計なことしないでのびのびさせたほうがいいと思っています。

ブルーベリー

夏はブルーベリーの季節。天然の栄養が一番だ

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以上、11選でした。(10におさめようとしたんだけど、入らなかったよ)

「旅慣れた人ほど荷物が少ない」という傾向がありますが、老成すると、本当に必要なモノとそうでないモノがはっきり見えてくるんですね。ぼくの場合は、役割を終えた使っていないモノをごちゃごちゃ持ってると、エネルギーが消耗して、それだけで疲れてしまうのです。

エネルギー漏れを防ぐ意味で、いつも最小限のモノに抑えることはぼくにとって大事なことです。自分にとっての心地よさ、元気になるかが大事だと思います。

物心ついた頃から当たり前にあった習慣を疑うことはなかなか難しいものですが、みんなが必要と言うからといって、自分にも必要とは限りません。持ってるのが常識とされるモノでも、いったんゼロベースで「これってなくてもいいんじゃない?」と疑ってみる機会を年に一度はつくりたい。

己を知ると、本当に大切なことにフォーカスできるので、元気になっていきます。

 

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「好きなことで生きていくために」ヒントになりそうな他の深井次郎エッセイもありますので、一緒にどうぞ。

 

【第262話】お金への抵抗。なぜ好きなことでお金をもらうのは気がひけるのか
【第261話】失うものを背負った大人の起業法「3つの経験値
【第260話】やりたいことが1つに絞れないあなたへ
【第259話】「君には飽きた」と言われた僕は、波の数だけ抱きしめた
【第254話】飛んでから根を張る
【第251話】持つ者、持たざる者
【第247話】異なる楽器で同じ曲を奏でる
【第233話】未知なる感覚を求めて – 日本一のバンジーを飛んでみた話
【第214話】激変の時代にも残る仕事のキーワードは「あなたにもできる」
【第213話】世界を変えた新人たちはどこが違ったのか? 
【第202話】自分がやらなきゃ誰がやる。使命感をどのように持つのか

 

ピッタリだ!

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「好きを活かした自分らしい働き方」
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(約8500字)


深井次郎

深井次郎

ORDINARY 発行人 / エッセイスト 1979年生。3年間の会社員生活を経て2005年独立。「自由の探求」がテーマのエッセイ本『ハッピーリセット』(大和書房)など著作は4冊、累計10万部。2009年自由大学創立に教授、ディレクターとして参画。法政大学dクラス創立者。文科省、観光庁の新規事業に携わる。2013年ORDINARY(オーディナリー)スタート。講義「自分の本をつくる方法」定期的に開講しています。