【レポート】Soup Stock Tokyo のおいしい教室 – ご馳走のじかん – @河口湖

 「ごちそうは、みんなで作るとさらに美味しくなる」

 ごちそうは、ひととのふれあいの中でつくられると、さらにおいしくなる 

 

気持ち良く晴れた日に、みんなでごちそうをつくり、テーブルを整えて、野外でごちそうをいただく。もう、考えただけで、わくわくしてきます。

そんなわくわくするイベント、Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)  おいしい教室 ~ご馳走のじかん~ 夏 in 河口湖」へ行ってきました。まさか、記事を書くとは思っていなかったので、完全に夏休みリラックスモード。だったのですが、とても良い時間を過ごせたので、せっかくなら記事にしよう! ということになりました。

場所は、河口湖の近くの Zing という味のある古民家。ここは、Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー) を経営している会社、スマイルズの社員別荘だそうです。太陽の光が気持ちよく差し込み、玄関や縁側から入ってくる風がなんとも心地よい場所です。

そんな気持ちの良い場所で、始まった今回のイベント。おいしいウェルカムスープとおにぎり、ワインなどをいただきながら、自己紹介を兼ね、参加者のみなさんひとりひとりから、ごちそうエピソードを伺いました。

そして、スマイルズ代表の遠山正道さん、スマイルズのフードプランナーの桑折敦子さん、フラワークリエイションチームの mimosa さんによるごちそうトークセッション。

ご家族がつくったごちそう、幼い日の美しいごちそう、遠い国のごちそう。ごちそうエピソードもトークセッションも、それぞれ想いのこもったいいお話ぞろい。ごちそうにもいろいろなかたちがあるんですね。

 soup_02

そして、実際にごちそうの準備に取りかかるため、オニオングラタンスープ班、ティラミス班、お花のmimosa班、薪班に分かれてワークショップがスタート。

私は、オニオングラタンスープ班に参加させていただきました。オニオングラタンスープ班では、遠山さんが、たまねぎの切り方から炒め方まで、直々に教えてくださいました。

再度、班のみなさんで軽く自己紹介。やはり、食の仕事に携わる方や、興味のある方が多いようです。そして初めてお会いしたメンバーなのに、遠山さんを筆頭にとっても楽しく、いいチームワークでした。

 

 遠山さん直伝、たまねぎの切り方のコツ。

Soup Stock Tokyo の立ち上げ時には、ものすごい量のたまねぎをスライスされたそうです。

「そうだねぇ、えーっと、辰巳芳子さんのように、ゆっくりと優しくスライスしていきましょうか。」

玉ねぎが優しくスライスされていく様子を、みんなが真剣に見ています。

「なんだか斜めになっちゃった。」

とかわいい遠山さんに、みんな笑顔。

 

優しくたまねぎをスライスしていく遠山さん。

優しくたまねぎをスライスしていく遠山さん。

 

いざ、たまねぎをみんなでスライス。なんだか、皆さんスライスがきれい。私は…  あんまり上手く切れないけど、とりあえず、直伝通りに優しく切っていこうと決意しました。

 

たまねぎ山が3つできました。

たまねぎ山が3つできました。

たまねぎ山にパセリの木が! いたずらっこがいるようです。

たまねぎ山にパセリの木が! いたずらっこがいるようです。

 

 

遠山さんの指導のもと、1時間ほど、スープ班メンバーが、代わる代わる、ひたすらたまねぎを炒めます。お鍋にいっぱいだったたまねぎは、いつしか飴色にまとまり始めます。時折鍋底が焦げつくけれど、それはお水を少しずつ入れて焦げつきをとりながらまとめていく。これが旨味になるのだそうです。料理って奥深いなぁ。

 

 

soup_06

代わる代わる炒めている間に、ちがう班にもひょっこり潜入してきました。

 

 

 ティラミス班 

ティラミスに使うコーヒーなどの食材の説明も織り交ぜながら。みなさん真剣な表情です。

 

soup_07

 

 

 お花の mimosa 班 

メニューに添えるローズマリーのリースやアレンジメントを作っていきます。
みなさん、黙々と作成中。ただよう女子力が素敵。

 

メニューに添えるローズマリーのリースやアレンジメントを作っていきます。 みなさん、黙々と作成中。ただよう女子力が素敵。

 

 

 薪 班 

とうもろこしを焼いたり、パンを焼いたり。青空のもと、和気あいあいと楽しそう!

 

とうもろこしを焼いたり、パンを焼いたり。青空のもと、和気あいあいと楽しそう!

こんがり焼けたパンがおいしそう。何に使うのだろう?

こんがり焼けたパンがおいしそう。何に使うのだろう?

 

そして、素材にこだわる Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー) だけあって、みずみずしい食材が、いたるところにスタンバイしていました。

 

soup_11

 

soup_12

地元山梨産の桃

 

 そして、各班の準備が整い、お食事のスタート。

 

優しい桃色の「山梨桃のベリーニ」で乾杯。

優しい桃色の「山梨桃のベリーニ」で乾杯。

薪で焼くと独特の香りと風味が楽しめます。

「薪焼きブルスケッタ」薪で焼くと独特の香りと風味が楽しめます。

「みそだまりの漬け焼きとうもろこし」とっても香ばしくておいしかった。

「みそだまりの漬け焼きとうもろこし」とっても香ばしくておいしかった。

 

おいしくて、食べるのに夢中になり、写真をとる間もない状態に。

お肉にしっかり味をつけ、直火でしっかり焼いていきます。Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー) のスタッフのみなさんのチームワークで、おいしいお料理がぞくぞくと。

 

手さばきと笑顔が素敵。

手さばきと笑顔が素敵。

最初から最後まで、薪や火の管理を。ありがとうございます。

最初から最後まで、薪や火の管理を。ありがとうございます。

 

ここで、待ちに待った、さきほどのオニオングラタンスープのつづき。

.

.

 遠山さん直伝、オニオングラタンスープの仕上げのコツ。

 

「チーズはたっぷりと、エベレストのように!」

「カップから吹き出るくらいの量のチーズがベスト」

 

チーズの山に、みんなが笑顔。

チーズの山に、みんなが笑顔。

 

あまりのチーズの多さに、参加者のみなさんが沸き立ち、笑顔いっぱいの瞬間でした。チーズ好きな私としては嬉しくてたまらない量だが、太らないか心配。だけど、今日はごちそうなので、よしとしましょう。

窯でじっくり焼き上げていきます。

 

soup_20

 

出来上がったオニオングラタンスープは、チーズがたっぷり。
みんなでじっくり炒めた玉ねぎも深いあじわい、おいしく仕上がりました。

 

soup_21

 

「炭焼き豚肉のベトナムスタイル〜たっぷりのハーブと一緒に〜」

「炭焼き豚肉のベトナムスタイル〜たっぷりのハーブと一緒に〜」味付けしているところを、子どものように横から見ていたので、運ばれてきた時のワクワク感といったら!

「ビーツのOKAYU」

「ビーツのOKAYU」 9月発売の新作も一足先にいただきました。 色鮮やかな、そして優しい味のお粥。

 

最後にデザートの「Zuppa del duca」(ティラミス)をいただく。ティラミス班のみなさんの真剣な姿が思い出される。とてもおいしく上品な味わい。

ちなみに、「Zuppa del duca」ってどういう意味なのだろう、と思って調べてみたのですが、イタリア語で「公爵のスープ」という意味で、ティラミスは昔、そのように呼ばれてそうです。

スープで始まり、スープで終わったのは、Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー) のスタッフさんの粋なはからいなのかなぁと思ったりする。

 

 

soup_22

 

私自身、遠山さんの著書である、成功することを決めたという Soup Stock Tokyo 立ち上げの本を数年前に読み、その中に出てくる1999年にオープンしたばかりのヴィーナスフォートの1号店にもたまたま「スープ専門店かぁ。めずらしいし、おいしそうだなぁ。」と思って利用した記憶もあり、今も Soup Stock Tokyo や、遠山さんのファンでもある。

とってもセンスがいいのだけど、それが一部のひとのものではなくて、誰もが楽しめるあたたかさがある、そんなところが、遠山さんの事業の素晴らしさだと思っているのだが、ご本人もとても楽しく親しみやすいお人柄だった。

 

ポーズをとってくれるお茶目な遠山さん。

ポーズをとってくれるお茶目な遠山さん。

 

「ごちそうは、ひととのふれあいの中でつくられると、さらにおいしくなる」

ごちそうってなんだろう? ということについて深く考える機会はなかなかないと思うけれど、今回参加してみて、そんなふうに思いました。

普通の料理教室では、味わえないような、ひととのふれあいや、自由でゆったりとしたじかんを過ごすことができ、新たな「ごちそうの思い出」のひとつになりました。

また、Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)では、定期的にいろいろなかたちで、「おいしい教室」が開催されるそうです。これは楽しみです。私もまたぜひ参加してみたいなぁ、と思っています。

そして、個人的にも、いろんなかたちで、ごちそうの時間を増やしていきたいと感じました。ごちそうの時間は、誰でも、よりよく生きている瞬間でもあると思うのです。

 

カップの上にお月様が。今日も良い一日になりました。

カップの上にお月様が。今日も良い一日になりました。

 

TEXT:  中村真美
PHOTO:  ゆき


編集部

編集部

オーディナリー編集部の中の人。わたしたちオーディナリーは「書く人が自由に生きるための道具箱」がコンセプトのエッセイマガジンであり、小さな出版社。個の時代を自分らしくサヴァイブするための日々のヒント、ほんとうのストーリーをお届け。国内外の市井に暮らすクリエイター、専門家、表現者など30名以上の書き手がつづる、それぞれの実体験からつむぎだした発見のことばの数々は、どれもささやかだけど役に立つことばかりです。