連載「ひとつの星座」バックナンバー

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【最終話】 怖いもの見たさで覗いた世界の先で見つけたもの 2017年~2018年 / 諸星久美

けれど不思議と焦りは微塵もなかった。また書ける時が来ると信じて、1歳だった次男を背負い、3歳の長男を遊ばせながら読書をしていた頃のように、疲れた体をソファに沈めたまま、映画を観て、本を読んで過ごした。そしてまた小説を書く…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第11話】 動き始めた! 2017年~ / 諸星久美

「君、幸せでしょう? 幸せな人が書くものって、つまんないんだよね」と言われたことで刺さった棘は、刺さったままでいいと思っている。刺さったまま、幸せに見えたまま、そして私自身が幸せに満ちたまま、感謝を持って吉満さんから貰っ…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第10話】 生きたい場所が明確になる 2017年~ / 諸星久美

完全なる、ダブルブッキング。本来なら、先に予定のあった送別会を選ぶのが筋。けれど、勘違いに気づいた時の私は、頭で考える当たり前よりも、体が選びとった選択に身を任せた。体はまっすぐに、また吉満さんに会いたい。今、会いたい。…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第9話】 動いたことで繋がったご縁について 2014年〜 / 諸星久美

返事が待ち遠しい。いや、うそ、本当は怖い。そんな思いで待つ私のもとに届いた横里さんの返事を、私は何度も、何度も読み返した。読み返すたびに、緊張で凝り固まっていた心が、喜びで肥大してほどけていくのを感じた。そして、その大き…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第8話】 小説を学ぶ中で、自分の不足と向き合う日々 2016年 / 諸星久美

作家の先生方が共通して言われていた「とにかく書く。書き続ける」という泥臭いチャレンジならできると思ったからだ。なんて諦めが悪いのだろうと思いながらも、打たれても消えない熱こそが答えのような気もした。簡単に手にできないもの…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第7話】 書きたいものを模索する日々 2015 – 2016年 / 諸星久美

子どもが、悩み、自問し、周りにいる魅力的な大人に影響を受けながら成長していく物語を幾つか書いてきた私にとって、『りんどう珈琲』はドンピシャで好みの物語だった。ああ、やっぱり小説が書きたい。心底そう思った。ボッと音を立てて…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第6話】 12歳の長男が、夢の叶え方を教えてくれた。2014 – 2015年 / 諸星久美

締め切りに合わせて原稿を書き、言葉を紡ぐことを生業にしている人たちと並走させてもらった経験は、コツコツと一人で書いてきた中では味わえない充実のひとときだった。もっと書きたい。書く時間の中だけに身を投じたい。その思いは、心…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第5話】 自費出版から営業へ。数年後への種まきシーズン。2012 – 2013年 / 諸星久美

主婦の自費出版本など、いきなり飛び込みで持って来られても、というのが現実なのだろう。けれど、そんな飛び込み営業の日々の中でも、ちゃんと話を聞いてくれる人とくれない人がいることを知ったのは、面白い経験だった。「はぁ、何言っ…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第4話】 書くことを再熱させてくれたもの 2009 – 2011年 / 諸星久美

もう一日も無駄にして生きることはできない。最期の瞬間に「それなりに良い人生だった」じゃなくて「良い人生だった」と、ちゃんと自分を褒めてあげられるような生きかたをしたい。そして、それを、子どもたちにも伝えていきたい。日本中…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第3話】 多忙で書くことから離れ、読書に明け暮れる日々。2004年 / 諸星久美

泣き止まなくても、食べなくても、おむつが取れなくても、熱が出ても、寝てくれなくても、「この程度なら大丈夫」だと思える心の余裕は、1日のエネルギー残量にも比例し、私はまたパソコンに向かうようになった。長い間、脳内で育ててき…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第2話】 理想の母親にはなれず、もがく中で書くことに出逢う 2002年 / 諸星久美

出産を機にアンバランスになった理由。それは、「このまま放っておいたら、誰かに属するだけの自分になってしまう」という危機感からくるものだったのかもしれない。きっと私は、私という存在を確立するために必死でもがいていたのだろう…

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ひとつの星座 – 3児のママが小説を出すまで【第1話】 2017年、痺れるほどに熱い夏 / 諸星久美

ただ書くことが好きというのなら、自身のお気に入りノートにあれこれと書き連ねればいい。誰に読んでもらわなくとも、そのノートを黙々と増やしていくだけでいい。きっとそれだって十分に意味のあることだろう。でも私はそれだけでは嫌だ…